街開きから25年を迎えた神戸ハーバーランド。都心西部の活性化を目指し、文化都心として再開発された複合都市はバブル期に計画された為、今では考えられない規模と進出企業構成を有する大規模開発となりました。しかし華々しく開業した海辺の近未来都市の歩んできた道のりはご存知の通り非常に厳しいものでした。
大型商業施設の相次ぐ撤退とリニューアルオープンを繰り返してきましたが、アクセス性の課題や立地に求められる需要に対して供給されるサービスのギャップによって、不振が続き、阪急百貨店の閉店によって、開業当初から進出したテナントは皆無という悲惨な状況が生まれました。
転機は2012年。阪急撤退後にダイヤニッセイビルの商業棟と唯一の人気施設であったモザイクをイオンモールが一体的に再開発し、約1年の工期を掛けて、建物内外を大規模改修。施設内の回遊性を高め、集客力の高いテナントを誘致、ファミリー層への配慮を随所に凝らし、パーキングの長時間無料サービスによる利用促進を図った事で、ショッピングモールの空白地域だったこのエリアのニーズを満たしたと共に、ハーバーランドが独自に持っている海辺という立地の強み、更には建物を所有する三菱倉庫が人気集客施設のあんぱんまんミュージアムを誘致する等、総力を結集した再開発が行われました。
これで再生出来なければ、商業施設部分は更地化し、マンションにする以外に活用方法は無いかと思われました。これだけの再開発でもまたうまくいかないのではと考えてしまう悲観的な考えが浮かんでしまう程、ハーバーランドの将来性には不安を覚えてしまいました。
ウミエは開業5年目を迎えた今年、第二のオープンとも言えるノースモールのイズミヤ跡のリニュアールを図りました。また先月には約2キロという至近距離にイオンモール神戸南が開業。ウミエの誕生以来、初の試練になり得る荒波が押し寄せました。しかしイオンモールは2つのモールの果たす役割を明確に分けた結果なのか、開店で人混みに溢れる神戸南を他所に、ウミエへの集客性における影響はさほど無いように見えます。
ウミエ内では小さなリニューアルが続いています。サウスモールの3階にあったグローバルワークがノースモール東棟のオールドネイビー跡に拡張移転。その跡にノースモール5階からライトオンもまた拡張移転しました。
これまでの倍はあろうかと思われる売場面積です。
そしてライトオンが抜けた跡は隣接して出店しているジーユーが売場面積を拡張しました。こちらも県内のジーユーとしては最大店舗となりました。
こうしてオールドネイビーの抜けた後を玉突き的な移転と拡張で見事解決。やはりテナント構成を考えると、ウミエの圧倒的優位に揺るぎはないでしょう。
6年前。阪急の撤退が報じられた際に当ブログにてこう記述していました。
「都市型郊外モールという戦略は百貨店よりはハーバーにおける需要や時代の要求に合っているかもしれません。 しかし現状の建物をそのまま使用するだけでは再び同じ事の繰り返しになる可能性は大きいです。回遊性とオープン性を持たせるような大幅な改装工事を施し、ハーバーの在り方や導線を根幹から変えてしまうようなリニューアルが必要とされます。垂水のマリンピアは開業以来、全く衰えを知らず人気を博しています。ハーバーとは対照的な成功例です。アウトレットという特異性もありますが、何よりもその回遊性とバラエティの豊富さが成功の鍵かと思われます。可能ならばこれを機にダイヤニッセイビルの商業フロア全体を現代風モールに造り替えるような大胆な改革を望むことができないでしょうか。」
構造そのものを変える事は出来なかったものの、回遊性向上の為に複数の空中回廊の増設や地下階の入口連結等、2つの商業棟を連結して行き来を容易にしたり、モザイクへのアクセスも導線が増えました。
ウミエの開業によって、すっかり息を吹き返したハーバーランドですが、ウミエ以外の商業ビルは不完全な状態で営業を続けており、必ずしもウミエの成功の恩恵を享受出来ていません。これらの不振施設もやはり集客に対する構造上の問題を抱えており、これを改善するテコ入れが必要です。また必ずしも商業施設という用途に縛られる必要もないかと思います。プロメナ神戸は低層フロアを除いていっそ完全にホテル化するのはどうでしょう。ハーバーセンターは中央図書館をここに移転するもしくは構造設計上、実現可能かは分かりませんが、スペースシアターと合わせて文化ホールに改修する等の検討をしても良いのではないかと思います。
今後、三宮の再開発が進行して行く中、ハーバーランドに求められるニーズは変化していくのかもしれません。そのニーズに柔軟に対応できれば、ウミエによる復活も継続していくのではないかと思われます。
ハーバーランドがまち開き25周年
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確か当初は「超広域商店街」的な立ち位置で開業しましたよね。
現状では、「近隣型」寄りの「広域商店街」でしょうか。
市民の都心回帰と(都市部の)マイカー保有率アップも要因でしょう。
今後は更に無店舗型・宅配型・VR型と競合してくるでしょう。
この辺りを踏まえて、「超広域を捨てる」決断が出来たということだと思っています。
そして近いうちにまた、何かを捨象しなければならないのでしょうね。
umieは仕事帰りに立ち寄ることが多いですが、夜の7時を過ぎても人が多く、
これがあのハーバーランドかと思うと本当に感無量です。
今日の神戸新聞に記事が出ていましたが、文化ホールの建て替えで
メリケンパークに中ホールを移転するという案もあるようです。
ウミエに限らず、流通業は今後も大きな荒波に揉まれるでしょうね。イオンのモール戦略も限界に来ていますし、百貨店は衰退中。コンビニと通販のみが勢いを持っています。今後、技術革新が更に激変をもたらすのでしょうか。
ハーバーセンターの話ですがハーバーサーカスが大好きでした。それがビーズキス、ファミリオになるにつれ(言い方は悪いですが)廃墟になっていく様が見てられなかったです。
それが今では人通りもだいぶ増えスペースシアターでの毎週末のイベントの人混みは見ているだけでハーバーサーカスを思い出してとても懐かしいとともに嬉しくなります。
ただハーバーセンターに全くやる気がないのが悲しいです。家具屋にショールーム、コンビニにサイゼリヤに業務スーパーに一番の好立地の2階を埋め尽くすしまむらとその系列店、3階から上は閉鎖中ではそりゃ来ませんよ。平日でもそこそこ賑わっているウミエと違い人がまばらでなんとも言えなくなります。
地域密着型、らしいですがこのままじゃずっと人は通り抜けに使うだけだと思います。
電車でumieに初めて来た人は、こちらが正面に見えるので、こちらへ上がってしまう人も多いでしょうね。
で、こちらへ来るとumieへの動線がややこしい、1階から行こうと思うとガードに阻まれストレートにはいけないし、2階空中廊下への動線も解りにくい。会談が嫌ならEVか一番奥のホテルエスカレーターで上がるしかない。オーガスタも同じで、無理やり回遊させるような仕掛け?が実は顧客を遠ざけていると思う。仮に、スペースシアターに2階連絡通路までストレートに上がれるエスカレーターを設置したら来場者には非常に分かり易く、ハーバーセンター内への流れも今よりは増えると思いますよ。但し、オーガスタには影響が出ると予想されるので、こちらは駅から地上経由で歩道橋(エスカレーターを設置)からアクセスするルートを整備すると良い。
懐かしいですね。ハーバーサーカス。まだあの頃はハーバーも一流の商業地区感がありました。ビーズキスはまだまともでしたが、スイーツハーバーを追い出すような事をしてしまって自滅しました。その後のファミリオはもう痛々しくて見れない状況でした。ホテルが再開したのは良いですが、商業棟は一棟貸しができるまで切り売りするべきではなかったと思います。
プラメナとハーバーセンターの商業フロアもいっそのことウミエとしてイオンモールの運用下に置いたらと思います。