三宮再整備

JR西日本来島社長会見と阪急阪神HDの杉山新社長就任

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新年度を迎え、各企業の代表者が抱負を示す記者会見が行われました。三宮ターミナルビルの年度内営業終了を決定したJR西日本の来島社長も先月19日に会見を開きました。JR西が公式ホームページに掲載した会見内容には三宮ターミナルビル建て替えについて触れられてはいませんでしたが、産経新聞は独自に会見中に確認したのか同社長が同ビルについて「三ノ宮駅から元町まで中心エリアは広域に及んでいる。駅周辺のニーズが何なのかという観点で決めていくべきだ」と述べたと報じています。

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JR西は2013年3月に発表した5ヶ年中期計画において、JR三ノ宮駅の再開発計画については2018年度から計画を具体化するスケジュールを示していました。年度内のターミナルビル閉館はこのスケジュールに忠実に沿ったものとなります。来島社長が示した都心の広域的な観点から捉えた駅前地区のニーズとは一体何でしょうか。

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神戸都心の活性化から考えると、今後の再開発によって三宮駅前地区に大型商業・業務施設が集中し、都心軸が現在よりもフラワーロードの東に移動する事が予測されます。ただ神戸の都心域の人の流れは東から西に向かって流れる傾向にあります。この流れが再開発によって大きく変わってまうのかどうか。再開発の方向性としては東側にも人が流れるようにしつつも、やはり駅前地区が今まで以上に強力な吸引ポンプ機能を持ち、広域から駅前地区に人を多く集め、一定時間の滞留後に西に向かって強く吐き出すという形が理想です。

新駅ビル内の商業施設としての魅力をまずは規模や誘致テナントの有望性によってカバーしつつ(ルクアにはすでに一定のブランド力が構築されたとは思いますが)、高層部に新設するホテルは「温泉」というキラーコンテツを活用して話題性や快適性を提供。これらに加えて、駅としての交通・公共・交流拠点性を大幅に向上させる必要性があります。周辺施設、地下通路、各鉄道会社の駅との連絡と回遊性を最大限に高め、玄関口としての機能も強化しなければなりません。

計画の概要は年度内には発表される見通しです。来春より具体的な計画が動き出すと見てよいでしょう。神戸市も6月末に再開発構想を具体化する基本計画の素案を策定し、こちらも年度中に計画を公表する予定とのことです。

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駅ビル計画の検討が進む中で、JR西日本は同時にJR神戸線の都心域内高架駅及び架線の耐震改修工事も進めています。JR三ノ宮駅のコンコースは現在、どこもかしこも天井耐震工事を進めるための作業床を支える鉄骨の柱で埋め尽くされています。これによってただでさえラッシュ時にはスペース的に限界だった構内は人が溢れかえり、通行は困難を極めています。

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この耐震改修がすでに完了したプラットホームとコンコースを結ぶ階段・エスカレーター付近は天井パネルの美装化やLED照明への設備更新が行われて、明るく綺麗になりました。コンコース内の天井も改修完了後には美しく生まれ変わって欲しいと思います。加えて案内表示類の更新も進め、リニューアルの終わったJR大阪駅や新大阪駅のように洗練されたコンコースに生まれ変わらせて欲しいのですが、注文を付けるとすれば、JR金沢駅のように街のコンセプトを反映するようなリニューアルを施して欲しいですね。

みどりの窓口も規模が小さ過ぎて、人の列が構内まではみ出している事があり、これがまた通行の妨げとなります。待ち合わせをしている人も多く、やはり駅ビル建て替え時には合わせてコンコースの拡張が必須かと思われます。コンコース内の店舗スペースを縮小して、オープンスペースを増やし、新駅ビルに構築する交流拠点と連携させます。

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阪急阪神ホールディングスについては経営陣の世代交代が行われます。角現社長が会長に就き、杉山副社長が新社長に就任します。6月の株主総会にて正式に決定される模様です。神戸にとっての角氏は神戸阪急ビル東館の建て替えを決定した功労者です。杉山氏は神戸電鉄社長を務めていた経歴もあって、これからの神戸にとってもメリットが多い人事になるのではないかと思われます。

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阪急にとっての三宮の位置付けはそごう神戸店の譲渡によって大きく変わったのではないかと思われます。かつては梅田に並ぶ阪急のターミナルとして大きな役割を果たしていた三宮は震災以降、急速に魅力が褪せてしまい、代わりに西宮北口の台頭によって一時は乗降客数の逆転も起こりました。阪急も西宮北口に大きな投資を行い、今や同駅周辺は関西屈指の人気スポットに成長しました。神戸阪急の撤退も手伝って、神戸から阪急の存在はより小さくなっていきました。潮目が変わり始めたのはJRの駅ビル建て替えの検討が開始され、温泉掘削や神戸地下街株の取得等、再開発に向けての準備を具体的に進め始めたあたりでしょうか。鉄道各社が非鉄道事業へのシフトを強め始めた時代背景も手伝っています。阪急にとっても西宮の再開発、阪急梅田本店の建て替え、博多阪急の出店等、一連の大型プロジェクトが完了し、次の非鉄道大型投資先として残されているのは三宮のみとなりました。長期に渡って暫定利用を続けてきた神戸阪急ビル東館の建て替えを決定。工事着手とほぼ同時のタイミングで振って湧いたそごう神戸店の譲渡は阪急にとっては渡りに船だったのでしょう。三宮が再び梅田と共に阪急ターミナルの双璧となる基盤が揃います。これに神戸市営地下鉄山手線の乗り入れが実現すれば、阪急にとっての三宮の重要性は揺るぎ無いものになるでしょう。

今年10月のそごう神戸店の譲渡完了後も当面は屋号の変更は行わない方針であると神戸新聞が報じています。変更時期については今後の検討課題とするようです。やはりベストの変更タイミングは建て替え時ではないかと思います。建て替えの開始時期は恐らく梅田の大阪神ビル、新阪急ビルの建て替え完了後。

新社長となる杉山氏も会見時には三宮の再開発に強い意欲を示したようです。

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この景色も10年後には大きく変わっている事でしょう。少なくとも3棟の高層ビルが聳えているはずです。三宮クロススクエア構想やLRTはどこまで実現はしているでしょうか。



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  1. 匿名 より:

    特定都市再生緊急整備地域に指定を受けて三宮に対する大手民間企業の動きが活発化するのは大変うれしいです。自分としては再開発は早期に実現すべきと思いますし、三宮という神戸の顔を日本中、世界に誇れるものにすることに市行政は邁進してほしいと思います。オーバーストア状況の現状の商圏拡大にはリニューアルとともに新しく顧客を増やすアプローチが不可欠でどういうプロポーザルがJR、阪急阪神ホールディングスからなされるのか期待です。

    しかし、相変わらず有識者における、保守意見も活発化しています。三宮バスタを含め市庁舎2、3号館の建て替えがもっとも緊急な案件と思われますが、建て替えに対する保守意見(またも景観審議会委員中心)では何と中央区役所一体化など行政機能の集約を無視する意見が横行しており、公共空間を備えるのはいいが高層化せず、ナレッジキャピタル誘致(阪急ビルはどうなるの?)、ホールやイベント会場にするなどの奇怪な意見が横行しています。
    いったい何のための特定都市再生緊急整備地域指定なのか?この機会を失えば神戸市に二度と国家支援は与えられないだろうし、使わずに再開発するなら指定を受けなければよかったと感じる。市長のおかげで議論ばかりでフットワークが悪い神戸市の毅然とした態度が望まれます。

    神戸市役所本庁舎のあり方に関する懇話会議事録
    http://www.city.kobe.lg.jp/information/committee/finances/arikata/img/gijiyoushi-3.pdf.pdf

  2. sirokuma より:

    三宮駅前再開発大賛成ですが、来島社長と同じく都心部は元町まで含めて考えるべきでしょう。私は元町にも新快速を止めるべきだと思っていますし、元町駅のリニューアルは三ノ宮駅よりも喫緊の課題ではないでしょうか?とはいえここは三宮よりもさらに駅前にスペースがないので、できることも限られておりそれだけ議論の幅も少なくて済むんじゃないでしょうか。ちなみに私の案は、ペデストリアンデッキを設け2階に改札口を作り東西南北を少し広めの歩道橋でつなぐと言うものです。元町交番の付近や陸橋の先にエスカレーターとEVを設けバリアフリー化する事で元町駅の使い勝手は各段によくなると思います。現在、元町駅には西口に1か所EVが設置されているのみの悲惨な状況ですこれは何とかしなきゃいけませんね。
    上記コメの懇話会議録読みました。何やってるんでしょうか?市議会では市長に対し2号館3号館の建て替えは街づくり会議に諮らずに市長が結論付けて進めたら良いのではとの意見が出されたが、それを市長が否定したとの発言がありますが、現市長のリーダーシップの無さが際立っていますね。何を恐れることがあるのでしょう。議事録を読むと溜息が出そうな内容でした都市計画・開発のプロもいない会議にまた金と時間を浪費するのでしょうか?いい加減にして欲しいものです。

  3. kenkenbooboo より:

    上記の無記名コメントはわたしです。名前を入れ忘れました。ごめんなさい。
    このような懇話会で議論された内容が神戸市民の民意であると、市議会等で認識されれば今後の三宮再開発が出鼻をくじかれかねないと思いコメントしました。
    こべるんさんが記事にしたJRターミナル駅ビル建て替え、そごう跡再開発など民間開発にも多大な影響を与えかねないと思ったからです。まず三宮バスタは区役所、勤労会館の新市庁舎2、3号館への移転なくては始まらないプロジェクトであり、この新庁舎建て替えが最も早く始動する案件で、周辺開発のモデルケースとなりうるからです。当然JRにしても阪急阪神HDにしても意欲の低下、あるいは名乗りを上げた民間デベロッパーの三菱地所グループ、森グループにしても内容によっては手を引きかねないです。
    読んでいただければ、まるで経済観念のない学生が議論しているような内容に辟易します。何かというと英語を使いたがるイベントと文化施設があれば若者が集まると思っている東京かぶれ某景観審議会委員にも正直腹が立っています。三宮再整備の大命題として【遊職住】のうち緊急に【職】の集積が肝要なのに、まったく商業・業務には関心のないコメントばかりです。職のない現実に若者は街を去り、社会活動を終えたシニア層が移住してくる。企業が去ることで法人税収が減り、住民福祉による支出が増え、収支のバランスが崩れ10~20年後の神戸が破たんするのが目に見えます。だいいち新神戸市庁舎建て替えが鈴蘭台開発レベルの事業なのか?東京の代官山みたいな住宅地の開発ビルがなぜ参考にされなければならないのか?
    有識者会議とは開発反対がお題目の宗教的な思想集団なのか。国家支援を得たはずが何も行使しないでアカ系市民の軍門に下るなら情けないです。

    わたしは住宅都市局まちのデザイン課のメール担当者と時々話したりメール交換していますが、一担当者レベルではこのような一方的見解ではなく高層化にも賛同しています。私のようなものにも参考意見にするので反対意見があるならどんどん言ってほしいと請われています。

    ぜひ、わたしだけでなく、こべるんさんブログに集っているみなさんにも意見を言ってほしいです。
    住宅都市局まちのデザイン課メールアドレス
    keikan@office.city.kobe.lg.jp

  4. kh495 より:

    港島自治連合協議会会長の一連の騒動も、結局かばうような形で収集しつつありますし(我々島民からすると圧力があったのは火を見るよりあきらかなんですが…)、審議会を恐れる様な姿を見てると役所が逆らえない強い立場の人が裏で多いことがよくわかります…

    三宮元町間のさんセンタープラザの再開発もどうやら検討されはじめているようですが、ここのところあちこちで再開発の検討がされはじめており、はたしてそんなに一気にできるのか不安です。考え方によれば一気にするのは一体感をもたせた街づくりに貢献できる可能性もあるのでなんとか市長にひっぱってもらいたいところです。

    ちなみにJR元町駅東口の駅前広場の再構築に関する案は、個人を含めて募集してるようなので是非ここにいらっしゃるみなさんも応募していただきたいです。
    http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2017/04/20170417301101.html

  5. sirokuma より:

    元町東口の公募はマチカフェ程度のもののようですね。
    私も改めて元町東口を見てみましたが北へ抜くのは難ありですね、パチンコDAIEIの隣から西へ6スパン高架下がスケルトン状態になっているのでここからホームへの新たな改札を作るしかないなぁ。大丸 旧居留地へのアクセスを考えるとやはりデッキをここまで新設して駅東口海側の溜りを広げ(元町交番は潰してビルインにしてしまう)ここから横断歩道の上に丸井前のような歩行者デッキをつける。現交番付近にエスカレーターとEVを設置。大丸側の溜は狭くなるので、約2mある路肩を横断歩道横の歩行者通路まで歩道に取り込む。こちらにもエスカレーターとEVを設置する。現在スケルトンのスペースには2階に新改札を設けエスカレーターとEVでホームに繋げると良いんじゃないかなぁ?でも現状を改めて眺めてみるとJRは、DAIEIの立退きを待ってリニューアルするつもりなんでしょうね。ここが立ち退けば現構内と合わせかなり大きなスペースが確保できるからね。そうすると阪神も併せてバリアフリー化できるね。

  6. 神戸在住の人 より:

    こんな記事がありました。

    三宮マンション規制へ神戸市検討 住宅地化歯止め
    https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201705/sp/0010182501.shtml

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