昨年12月に遂に都市計画決定されたJR三ノ宮新駅ビルと再整備される駅前広場。6月以降に本格的な建設工事を開始する為、駅北側に仮設交番の建設や地下の阪神電車サービスセンターの移設が進められています。
この新駅ビルを建設するにあたり、容積率が800%から300%引き上げの1100%に緩和される事で、地上32階 地下2階 延床面積10万平方メートルの建物の建設が可能となりました。
この300%の容積率ボーナスを得る為、JR西日本は新駅ビル内に、広大な公共空間を整備するに至りました。
三宮に散在する6つの鉄道駅を1つにまとめる中心的な機能を果たす為、JR新駅ビル内に構築される回遊動線は非常に重要な役割を担います。
駅ビル1階に整備される「三宮駅前玄関交通広場」。JR中央改札と三宮クロススクエアの中心にあたるフラワーロードと中央幹線の交差点を結ぶ延床面積約2,200平方メートルに及ぶ公共空間が新たに誕生する事になります。またその両側に駅ビルの商業空間が広がる計画です。
1階公共空間の立面図です。JR三ノ宮駅中央改札コンコースに面する北側は奥行32.5mに渡って2層吹き抜けの開放的な空間となります。これにより、これまで窮屈だった改札外コンコースはその広さを大きく変える事になります。途中、土地の南北の高低差に対して長さ5mのスロープのような勾配が確認できます。またこの公共空間の長さは約100mにも渡ります。
三宮クロススクエアに面する駅ビルコーナー部のアトリウム空間です。奥行きは19.5m、高さは12.1mで1-3階の吹き抜けです。またこの空間はさんちかへ連絡する地下階へのアプローチ、ポートライナー三宮駅や神戸阪急、バスターミナル方面からのアプローチ、阪急神戸三宮駅・JR西口からのアプローチが交錯する交通センターの機能を呈します。
フラワーロードを挟んでJR新駅ビルの向いに立地する神戸交通センタービルの地上1~2階も同様の機能を果たしていますが、JR新駅ビルの規模はこれを大きく上回ります。
この公共空間は三ノ宮駅と三宮クロススクエアを結ぶ長さ100mのシンボリックなアプローチとなり、JR線を使った来街者の多くはこの吹き抜け空間を通る事になります。これまで神戸随一のターミナルにも関わらず、駅舎やコンコースの小ささからその規模感は県内の姫路駅や明石駅にも劣り、シンボル性に欠けていましたが、この新駅ビルの公共空間がそれらを大きく補う事になるでしょう。
都市計画決定したJR三ノ宮新駅ビルの公共空間についての詳細分析 Part1 地上1階の「三宮駅前玄関交通広場」
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