4年ぶりの開催となった第29回神戸ルミナリエ。今回から開催時期が1月に見直され、また会場を東遊園地、旧居留地、メリケンパークに分ける事によって来場者の集中を避け、分散化を図るという様々な新しい試みが実施されました。また課題である資金不足による継続開催の解決策として、メイン会場となるメリケンパークでは有料化も導入されました。
29回目のテーマは、「神戸、未来に輝く光」。来年で震災30年の節目の年を迎えようとする中、神戸は現在、飛躍に向けて様々な取り組みを展開中であり、街が大きく変わろうとしている転換期です。そのタイミングに復活したルミナリエに相応しいテーマかと思います。
有料会場のメリケンパークでは、園内東南側の緑地通路に、長さ70mにわたる光の回廊「ガレリア」を設置。また、その入口には幅40m高さ15mの玄関作品「フロントーネ」が左右に展開し、これまで旧居留地の仲町通・三井住友銀行神戸本部ビル前から東遊園地まで続いていた回廊をメリケンパークに移す形となりました。
ここ最近のルミナリエのデザインは頭上も光の彫刻で覆うアーケード状のデザインが特徴でしたが、今回もこの形が採用され、立体的に光に包まれる感覚を味わう事ができます。
有料ゾーンは、柵で囲われており、チケットを持っていないと立ち入る事ができない他、パーク内に出店するキッチンカーがブロックして、柵外からフロントーネを正面から見る事もできない会場設計になっています。
有料ゾーンは、17:30、18:30、19:30、20:30の4つの時間制となっており、前売券が500円、当日券が1,000円です。発売券数には限りがあり、過度の集中が抑制される仕組みになっています。
ただチケットゲートを通過する為の行列には並ぶ必要があり、最後尾からゲートを通過して有料エリアに入るまでは20分程度掛かりました。
有料エリアに入ると、ガレリア内やフロントーネ前は混雑しているものの、それ以外は比較的余裕もあり、これまでのように立ち止まって写真を撮影しないよう警備員に呼び掛けられる事もなく、ゆったりと鑑賞する事が可能です。
ただガレリアはこれまでと比べてアーチの数が少ない為、囲まれ感や壮観なアーチの縦列感による感動は薄い気もしました。分散化した事で、各会場でのスケールを落とす必要が生じた事の弊害かと思います。
ルミナリエらしさは失われておらず、煌びやかな光の彫刻が放つ芸術性や光の温かさは十分に健在です。
これまでも旧居留地・仲町通での開催についての弊害により、会場を変更する検討は行われてきました。メリケンパークを主会場とする案は私も当ブログ内で幾度か私見を述べました。
今回、ようやくメリケンパークでの開催が実施され、光の彫刻とポートタワーの夜景を一緒に眺める事ができるようになりました。
東南角の広場には募金箱と鐘が設置された光のモニュメント。鐘を鳴らしたい人々が列を成していました。
できればこの広場に円形彫刻のスパッリエーラを設置できると、もっとメリケンパーク会場が盛り上がるのではないかと思いました。
神戸海洋博物館は緑と赤のライトアップに切り替えられ、神戸市役所市庁舎1号館も、塔屋のライトアップを赤と緑に交互にシフトさせて点灯していました。来場者はウォーターフロントの夜景とルミナリエの双方の夜景を存分に堪能できるのではないかと思います。
園内東側の噴水広場でも、音楽に合わせた噴水ショーを実施。
後方にルミナリエが煌々と輝く中、音楽に合わせて勢いよく水柱を噴き上げる噴水もなかなか趣がありました。
分散化や有料化等については様々な意見があるかと思いますが、最大のメリットは開催費用の抑制と混雑の緩和に効果をもたらす事でしょう。神戸にこれだけの人を集められる祭典は他になく、久しぶりにルミナリエのもたらす荘厳でありながら、活気も感じさせる雰囲気を堪能できました。特集2では、東遊園地と旧居留地会場の模様をお伝えしたいと思います。
第29回 神戸ルミナリエ「神戸、未来に輝く光」開催 特集1 メリケンパーク会場編
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>神戸にこれだけの人を集められる祭典は他になく、
とても悲しいことなので、今後も
事業を通じて、神戸の活性化に
精を出して参ります。
規模縮小になったのは残念です。数少ない神戸の観光イベントなので有料化するならもう少し料金上げてメリケンパーク広範囲をルミナリエ会場にしてもいいのではと思います。大聖堂のような光柱と光の天井で包まれる大空間など演出できれば見応えは凄そう。新港町エリアもまだまだ閑散としているので混雑緩和の会場にできそうですね。有料化は鎮魂行事なのに?という意見も見ましたが、収益は運営費補填や他の自治体への災害復興支援に活かしていければ、大震災から立ち直ることができた神戸だからこその意義がありますし、理解を得られるのではと思います。