神戸市が神姫バスに委託して連接バス運行の社会実験を実施中です。10月の土日祝日限定の運行で、連接バスは1台のみの投入です。先週、早速、このバスに乗車してきたのでレポートします。
今回の社会実験の目的は都心とウォーターフロント間のアクセス向上・本格運行の可能性検討です。このバスがこれらの目的を達成できるのかどうかをこの実験で見極めます。
投入された連接バスは公募で選ばれたデザインのラッピングシートで飾るという趣向が凝らされています。最終的にポートタワーをイメージしたデザインが選ばれました。「走るポートタワー」がコンセプトです。
今回、社会実験に導入された連接バスは神姫バスが保有するメルセデスベンツ社製のノンステップバス「CITARO‐G」です。
全長: 18.175m
全幅: 2.55m
全高: 3.1m
車内の様子です。窓枠が非常に大きく車内は非常に明るく、車窓の視認性は抜群です。シートはカラフルな柄です。一部のシートは電車のようなボックス型も用意されています。
連接部分です。
バスが曲がると、当然の事ながら、連接部分がグニャりと曲がります。
運行ルート
ルートはJR三ノ宮駅前を起点に新港地区、中突堤、ハーバーランドを循環する形で運行されます。三宮を出発すると、停留所は神戸ポートオアシス前、新港町、中突堤、そしてハーバーランドです。このルートでは新港町を経由する事で突堤基部西の再開発やポートオアシスの存在を利用者に喧伝するという副目的もありそうです。
時刻表
連接バスと通常の路線バスの2台体制での運行です。しかし路線バスを利用する人はほとんどいませんでした。それはそうですよね。今回、皆さんが乗りたいのは連接バスであって、普通のバスではありません。〇で囲まれた数字が連接バスの運行です。
運行車両
連接バスの他に土曜に限っては通常バスをスカイバス神戸に切り替えて運行し、どちらに乗っても娯楽性の高さが保証されます。乗車料金は大人100円、子供50円で未就学児は無料です。
連接バスはやはり物珍しいのか、週末の運行ともあって結構な人気を博していました。メディアでの紹介やラッピングデザインを公募したりと、事前の周知にも工夫があった為か、今回の社会社会実験の認知度は比較的高いようです。走っていてもかなり目立つので、乗りたいと思う人も多いのではないかと思います。またハーバーランドでも市の職員がビラを配って通行人へのアピールを行なっていました。しかしながら実験の主旨に反して、私を含めて物珍しさで利用する人々が大半ではないでしょうか。
この実験の結果によって実用化すべきかどうかを検証する事になります。確かに都心とウォーターフロントを結ぶ循環型の公共交通機関の必要性は高く、今後、特に新港突堤地区の再開発が進むと更にその需要は高まる事でしょう。しかしそれが連接バスである必要性についてはまだ疑問符の付くところではあります。シティループとの棲み分けも考えなければなりません。シティループの増便やルートを増やし、循環型にしても事足りる気もします。LRTやBRTの導入の布石として、このバスを導入するという目的もありますが、専用軌道や専用道路を走るこれらの交通機関と一般道を普通に走る連接バスではその意味合いが異なります。定期運行や便数の多さ等、利便性が高ければ、利用率は高まると思われますが、中途半端に少ない本数で、長時間待たされるような運用であれば、人々は使おうとは思わないでしょう。広島の市電もかなりの本数で運行されているからこそ、市民の足として愛されているのです。この連接バスもどのレベルまで本気で導入するのか次第で、その成否は異なってくるのではないかと思われます。
おそばせながら、ブログのリニューアルおめでとうございます。
関空でも連節バスが走っていますが、街の真ん中で走ると、これまた違った風情があるでしょうね。
100円という料金設定は素晴らしいです。100円でも儲かる路線にしようと思ったら、やはり通常のバスよりも乗車人員が多いほうが望ましいかと思われます。
ありがとうございます。連接バスはパっと見目立ちますね。輸送力もあります。需要があれば1台辺りの乗車人員は多い方が良いですが、利用には1回の輸送力よりも頻度が多い方が使い勝手が良いかと思いますをしかも低料金で。