特集・シリーズ

神戸市が令和6年度の予算案を発表 Part1 三宮駅周辺における重点投資項目



例年の如く、今年も2月10日(金)に久元市長が会見を開き、令和6年度の神戸市予算案について発表を行いました。ポストコロナフェーズに入り、経済回復が軌道に乗った今、「海と⼭が育むグローバル貢献都市の実現」をキープコンセプトとし、新年度予算案は前年度比2.1%プラスとなる1.93兆円の予算編成計上を予定しました。都市開発の観点における来年度予算案にはあまり多くの新規事項は見受けられず、進行中の都心三宮・ウォーターフロント地区の再整備やリノベーション・神戸の拠点駅周辺再整備に重点を置いている編成です。しかし来年度以降は神戸空港の機能拡大と国際化に向けた正念場に突入していく為、インフラ整備にも予算の重点的な配分が置かれる事にあります。それでは今回もまず最初に我々が最も高い関心を払っている三宮駅周辺の再整備プロジェクトの詳細を確認していきましょう。

 

三宮駅周辺エリアへの投資

バスターミナルビル関連



新バスターミナル整備に向けた事業化の推進 86.53億円
  • 雲井通5丁⽬地区(Ⅰ期)再開発事業への⽀援
  • 新バスターミナル(Ⅰ期)と三宮バスターミナルのコンセッション事業者公募⼿続
  • 雲井通5・6丁⽬地区の⼀体整備事業(地下埋設管移設⼯事)
新・神⼾⽂化ホールの整備 40.29億円
  • 多目的スペース等を備えた大ホール(1,800席)の整備
  • 舞台芸術・運営企画の専⾨⼈材を活⽤した管理運営計画の検討
新三宮図書館の整備 0.56億円
  • 内装・書架等の設計
本体ビルの建設工事が始まっている雲井通5丁目のバスターミナルI期ビルへの支援やビル内に神戸市が整備する予定の新文化ホール、三宮図書館についての予算を昨年から継続して充当します。神戸空港と同様に、国が保有する予定の新バスターミナルと市の保有する三宮バスターミナルの一体的設営を民間事業者に委託するコンセッションが予定されている他、雲井通6丁目北地区の再開発も都市計画決定が予定されており、引き続き雲井通のバスターミナルビルは三宮再整備の最重要プロジェクトの一つとして推進されます。

えき≈まち空間関連



三宮クロススクエア(第1段階)の実現に向けた事業の推進 5.36億円
  • 三宮クロススクエア(第1段階)の設計
  • 三宮クロススクエア(センター街東⼝周辺)の整備(歩道空間の⾼質化等)
三宮クロススクエアの実現に向けた準備工事として、昨年から今年度までは三宮北交差点、春日野交差点、市道梅香浜辺通脇浜線の改良が進められてきましたが、来年度は第1段階の設計を進める他、意外にもセンター街東口周辺の整備にまず着手するようです。高質化が意味する事は、歩道空間の再整備ですが、新たな照明や滞留設備、植栽帯等の設置が主な項目でしょうか。

三宮駅周辺歩⾏者デッキの整備 14.49億円


  • 新バスターミナル周辺デッキの整備
  • JR三ノ宮新駅ビル南デッキの整備
  • 税関線横断デッキの設計
バスターミナルビルやJR新駅ビルの建設が開始される中、現在はまだ地中に埋まる老朽化したインフラの更新や移設等の準備工事が進行中ですが、来年度よりこれらのビル建設と合わせて東西に渡る新歩行者デッキの建設に着手します。

三宮の地下空間の再整備 3.00億円


  • さんちかの再整備(24年度工事完了予定)
今月末にリニューアルオープンする2番街と夢広場に続き、来年度末までに1番街のリニューアルと地下鉄三宮駅方面への動線改良工事を完了させます。同時に進行している地下鉄三宮駅東コンコースのリニューアルも完成し、地上に先行して三宮の地下空間がまず生まれ変わる事になります。

三宮駅周辺のその他再整備 4.09億円


  • サンセンタープラザ等の再整備検討支援
  • エリアマネジメントの推進
  • にぎわい創出社会実験(サンキタ通り等)
  • まちなかライトアップによる夜間景観の魅⼒向上(三宮北交差点等)
今年度に一旦、完了させた三宮北交差点の改良工事はまだ未舗装エリアを残しており、これらの仕上げと合わせて、夜間景観の向上を目的にライトアップが行われる予定です。また再整備の完了しているサンキタ通りにて、にぎわい創出の様々なイベントの社会実験を実施予定です。サンセンタープラザの再整備については再び、来年度も検討支援に予算を割り当てます。

来年度、再来年度はこれまで以上に神戸の今後の浮沈を大きく左右する重要な年になります。玄関口である三宮の再整備はその中でも本丸プロジェクトです。駅前エリアでは本格的な工事が開始されていますが、この段階に至るまでに7年近くを要しており、更にこれらの次を担うプロジェクト(三宮南西街区やセンター街周辺)の準備も今の段階から着手する必要があります。
関連記事
特集・シリーズ

2022年の神戸はこうなる!三宮再整備主要事業や民間開発プロジェクトの完成相次ぐ 複数の大規模開発も満を持して始動

2022年1月3日
こべるん ~変化していく神戸~
新たな年の幕が開けました。2022年も昨年に引き続いて、大きな変革の年となりそうです。進行形の複数プロジェクトが完成を迎える他、大型再開 …
特集・シリーズ

今後の神戸のオフィスマーケットの展開 大中のプロジェクトが目白押し 今後の新規開発にも期待高まる

2022年12月1日
こべるん ~変化していく神戸~
この10年の神戸都心の不動産マーケットを振り返ってみると、タワーマンションの建設ラッシュがひと段落付いた頃から、訪日客急増に伴うビジ …

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です