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和2年度の神戸市予算案について、その1として三宮とウォーターフロントにおける事業へ配分された予算案やスゲシュールについて特集しましたが、今回のその2は都心再整備と両輪を成す拠点駅の再整備事業について取り上げたいと思います。人口減少対策として昨年、神戸市は名谷、垂水、西神中央等、郊外拠点駅周辺の再整備構想を発表しましたが、今回の予算案ではこれらに加えて、都心の拠点駅、市街地西部、北部等の駅前整備にも力を入れる事を明記しました。「神戸を見違える街へリノベーション」と銘打った拠点駅周辺へのコンパクトシティ化構想が始動していく模様です。
都心拠点駅周辺の再整備
新神戸駅 玄関口に相応しい空間づくり- 新神戸駅前広場再整備
- 生田川・生田川公園の再整備
- 夜間景観形成推進
- 地下鉄駅構内下りエスカレーターの整備
都心拠点駅として三宮・元町以外で真っ先に再整備を進めるのが、陸の玄関口である新神戸。駅周辺には再開発によって高層ビルが林立し、新幹線駅コンコースや新幹線駅-地下鉄駅の動線リニューアル等が行われてきたものの、駅前広場等は古いままでした。玄関口としての存在感、駅前の駐車場不足の解消等も含めて美しく機能的な駅前に再整備して欲しいと思います。駅から商業施設コトノハコへの導線改善検討も必須でしょう。
神戸駅 駅前空間の高質化
三宮・元町等の都心再整備が進む中、都心西部拠点の神戸駅周辺は南側を中心に、近年、民間再開発が活発で活性化が進み、市も地下街のリニューアルを図りましたが、北側は老朽ビルが並び、駅前も歯抜け状態でとても新快速停車駅とは思えない見窄らしい状態が続いています。ようやく神戸市も神戸駅北側の再整備検討を開始する姿勢を見せました。本格的な整備検討を開始する中、ひとまず来年度は植栽リニューアルやライトアップによる高質化を実施し、将来の大規模整備に備えます。
西部市街地拠点駅周辺の再整備
新長田駅拠点性の向上新長田については全体工区としての再開発事業は完了宣言を出した神戸市。昨年は新長田合同庁舎を稼働させ、大橋地下道の改修も実施。今後は拠点ターミナル化を進める為、駅前広場の再整備を行います。
- 路線バス再編に合わせたバスロータリーの整備による拠点性向上
- 歩行者動線の確保
- 広場機能の確保
人口が増加傾向にある兵庫区において唯一のJR駅で快速も停車する兵庫駅は再開発が進んだ南口に対して、北口はもう数十年以上に渡って手が加えられていません。植栽や照明設備のリニューアルは必須かと思います。また老朽化する兵庫駅前ビルの再開発も検討されるべきです。
郊外拠点駅周辺の再整備
郊外拠点駅については既に昨年に人口減少対策の一大プロジェクトとして、駅周辺ににぎわい向上と居住人口増を目指す施策が発表されていましたが、これらに対して具体的な予算が配分されました。名谷駅
地下鉄名谷駅前は市内有数の商業地域を形成し、地域拠点としての役割を強く果たしています。駅ビルのリニューアルを初めとし、大丸須磨店や須磨パティオ等の駅前商業施設の改装に市立図書館という公共施設を組み込む形で集客力を高める他、近隣の落合中央公園も再整備。駅前の居住人口を増やす為、民間の共同住宅建設も誘導します。
垂水駅
垂水駅前にも図書館を新築。ロータリーの再整備や体育館、子育て支援施設、垂水小学校等の公共施設を駅周辺に配置。超高層住宅を含む既存市街地の再開発事業と複合させて拠点性の向上を図ります。
西神中央駅
西神中央駅周辺は人口の最も多い西区における最大の副都心として整備が進んできましたが、ニュータウンのオールドタウン化によって周辺都市への人口流出も進んでいます。そごう西神中央店の撤退も決定していますが、西区役所の移転、図書館とホールの複合文化施設、駅前広場の再整備、プレンティ等の商業施設のリニューアル、駅前周辺に複数の民間共同住宅建設と大型プロジェクトを打ち出し、造成開発以来の大規模なテコ入れによって拠点としての地位を高めます。
伊川谷駅
田園の中に存在し、拠点性はあまり感じられない伊川谷駅ですが、植栽やライトアップを図ります。
谷上駅
北神急行の地下鉄化に伴い、今後、利用者数の大幅増が予想される谷上駅。駅前バスロータリーの改修を実施します。
HAT神戸周辺
- 新たなシンボルアートの設置・ライトアップ
- なぎさ公園の円形広場周辺の芝生化・美装化等、コベリンポー
トの増設、レガッタ等乗降施設整備 - 県立兵庫美術館周辺でオープンカフェを実施
神戸市中央卸市場・和田岬周辺
- イオンモール側プロムナードの延伸
- ファーマーズマーケットの実施
都心地区に加えて市内の各駅前拠点のリニューアルを実施する事で市全体の高質化を図り、老朽化が進むイメージの払しょくを図ります。しかし再整備の対象とする拠点数が非常に多く、投資額が小粒になってお茶を濁す程度の整備内容に留まる駅前も出てくる気がしてなりません。広く浅い投資は結局は何も変わらないリスクも抱えます。三宮・元町に加えて神戸、新神戸の都心地区。昨年、重点整備拠点として発表した名谷、垂水、西神中央。そして新長田にまずは投資先を絞り、一定の成果・効果の発揮を確認しながら、他拠点への整備を広げていく手法をとるべきなのではないかと思います。
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先日、神戸市都市局三宮再整備課が募集した「神戸市役所2号館の基本計画に対するパブリックコメントの募集」で集まった意見はなんとわずか6件だったそうです。
あれだけ何回もパブコメ募集を繰り返したのだから言わずもがなです。
雲井のバスターミナルビル、新中央総合庁舎なども何回意見募集するのかという悪癖が止められないですね。いい加減パブコメ募集する時間も市税の無駄遣いだと認識してほしいです。
肝心の神戸市民が再開発に対し、反対意見の某政党以外は何の関心もないことがまだ分からないようです。
定番の駅ピアノ、図書館、音楽ホール、国交省が提唱する都市計画構想など、高校生徒会が企画するような構想しかできないトップを始め市の幹部に期待などできようがないでしょう。
いっそ有力デベロッパーに事業コンペを促した方がいいともいます。
西区役所を西神中央に移転することは評価に値します。
高齢化が進んだ一方で人口が分散している西区で区役所が玉津にあっては不便極まりありません。
今回の予算案とは関係ありませんが、須磨区役所も不便な中央幹線沿いから板宿の旧大国小学校跡に移転しています。
板宿であれば須磨区西部の山陽沿線と須磨区北部の地下鉄沿線の結節点に当たりますので、英断です。
ただ、神戸市はやはり職住近接を否定し、西神中央や名谷に日本型新興住宅地として貫きたいようで、オフィスまで移転させる本来のニュータウンにするつもりはないようです。
このため高齢化や人口減少に対して根本的な解決にはならないでしょう。
また、北神急行の市営地下鉄化によって谷上にマンションが建てられれば、西神中央や学園都市のマンションの不動産価値は低下することも覚悟しなければなりません。
さらに、神戸電鉄の収益にも影響があるでしょうから、赤字で廃線が検討されている粟生線は本当に廃線になるでしょう。
以前の記事でコメント差し上げたMaaSや自動運転車の早期導入を期待しますが、急ぐ必要があります。
人口流失しきってから導入しようとしても、そもそも人口が少ない場所として見捨てられるのがオチです。
見捨てたところで神戸市の市域であることは変わりがないので神戸市にとって不良債権化します。
伊川谷駅が入っているのは、駅周辺が田園地帯で開発の余地があると判断したからだと思います。
しかしながら、神戸市が伊川谷にも従来通りの郊外型の単なる住宅地を形成することを考えているようなら心配です。
これは人口増加と右肩上がりの所得を前提とした都市経営モデルなのですでに時代遅れなのですが、神戸市はそのことにいつになったら気づくのでしょうか。
職住近接を否定するのであれば、従来型とも違ったドラスティックな変革が必要です。
郊外に居住してもらうことにこだわるのであれば、例えばエストニアやルクセンブルクで実施されているような「公共交通無料化」ぐらいしなければ不便な郊外に住んでもらうことは難しいように思います。
ただ、神戸市がそこまで思いきった政策を取れるとは思えないので、期待はしていません(国内では宇都宮や熊本が実験的に公共交通無料化を実施した例はあります)。
結果、神戸市郊外の人口は交通の便のいい明石市や西宮市あるいは職住近接の大阪市に流出するでしょう。
全国で公共交通機関の無料化を決めたエストニア。現地の反応とは?
https://ideasforgood.jp/2018/07/24/estonia-free-transportation/
ルクセンブルクの大英断!公共交通機関の運賃がすべて無料に
https://tabizine.jp/2018/12/19/224730/
新神戸の再開発については、阪急との相互乗り入れの乗り入れが実現するのか、実現するとしたらどの地点で接続するのかが決まらない限り難しいのではと考えています。
新長田は市の施設や大学などの誘致をしていくのがいいでしょう。
再開発完了と言いますが、交通の便が良い割に住宅地としてはあまり人気がないのであれば、積極的に上記施設を設置すべきです。
真面目な話、混雑するポートライナーで交通が麻痺したポートアイランドよりも短時間で三宮に大量輸送が可能です。