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最新公示地価が発表され商業地・住宅地で地価の上昇を記録 今後、訪日客需要をどれだけ高められるか



最新の公示地価が発表され、神戸市内の商業地、住宅地共に昨年に引き続き上昇を記録しました。商業地の平均上昇率は5.5%、住宅地は2.7%の増加となりました。



最高値を記録したのはやはりここ。三宮センター街のユニクロ前で、1平方メートルの単価は730万円。14年連続で県下最高路線価を記録し続けています。前年比でも9.8%と高い伸びを示しました。



背景には複数の大型再開発プロジェクトが進行しており、オフィスビルやホテルの建設も相次ぐ他、ウォーターフロントの再開発、神戸空港の国際化によって、それらの玄関口として機能する三宮の相対価値が向上している事が要因となっています。



しかしながら更に大規模な再開発が進行する大阪やインバウンドが絶好調の京都と比較すると、神戸の地価上昇率も小幅に感じられてしまいます。やはり訪日客の恩恵を受けられる都市の地価上昇は顕著になっており、コロナ前後でも状況は同様のようです。



神戸の地価上昇の高い伸びは、大阪、京都に遅れてやってくる可能性があります。二都市の地価が高止まりする事で、神戸の土地が安価に感じられる事によって、新たな需要が生まれてくるというコロナ前の状況が再度、起きるのではないかと思われます。



コロナ前と異なるのは、この5年で神戸市内の都心地区やウォーターフロント、郊外拠点の再開発や再整備がかなり進んできた事により、集客・観光施設も増えて、神戸がより魅力的になっており、競争力は格段に上がっている点は大きいと思われます。



そして神戸空港の国際化によって直接、訪日客を神戸に迎え入れる事ができるようになる事も大きな変化となります。訪日客もリピーターが増え始め、ゴールデンルートのみでなく、地方都市へ足を伸ばす例も多くなっています。今回の公示地価発表において、県下では城崎温泉が最も高い伸び率を記録したという事もこの傾向を強く現しています。



SNSの拡散効果によって、これまでスポットライトを浴びてこなかった街への注目が高まりつつあります。ニジゲンノモリやリゾート施設の充実化が図られてきた淡路島も人気があり、この玄関口となる神戸の存在感も大きくなり始めています。



リノベーション神戸による郊外拠点の再整備も住宅地の地価上昇に貢献を始めている模様です。昨年は26年ぶりに地価が上昇した西区や北区も引き続き、地価が上がっており、9区全体で上昇傾向にあります。



ただ足下では未だ人口の転出超過に歯止めが掛かっておらず、広島市と並んで全国でもワーストレベルでの人口減少が進行しています。現在の取り組みが目に見える形で成果が出てくるのは、再整備がひと通り完了する2030年頃になるのではないかと思われます。それまでは手を緩めず、現在の施策の継続に加えて、新施策の導入も図るべきかと思います。特にインバウンド需要を如何に高められるか。淡島、有馬、瀬戸内等の人気を高めている観光地へアクセスする交通ハブとしての機能や利便性を強化・アピールし、まず神戸で一泊して体制を整えた上で次の観光地へと向かう。そしてまた神戸に帰ってきて一泊するというルートを確立したいものですね。これにコンベンションによるビジネス客が加わると、それなりに大きなインバウンド需要が形成されるのではないかと思われます。

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POSTED COMMENT

  1. EYESTAR より:

    神戸を訪れる訪日客数と滞在時間の向上を狙うなら、
    やはり神戸空港の国際化に伴う機能強化を中心とした
    神戸都心部へのアクセスや、MICE施設などビジネス拠点の
    リニューアル、商業施設の拡充などハード面整備に加えて、
    有馬温泉や城崎温泉、更には姫路城や淡路島といった、
    県下における観光スポットの対外的な情報発信力を
    これまで以上に高めなければならないでしょう。

    近畿圏のインバウンド客、取り分け現状としては
    関西空港を玄関口として訪れる客層にとって
    大阪・京都と比して神戸に欠けている要素は何か、
    引き続き冷静に見極めていかねばならないと思います。

    また、「東京に拠点を移さねばやりたい仕事がない」という
    若年層の需要に対し、抜本的な施策を打ち続けなければ
    人口流出、東京一極集中の流れに歯止めをかけることは
    難しいでしょう。この点に関し、私も市民としてやれることを
    今後とも全力でチャレンジ致します。

  2. 神戸の人 より:

    関西の基盤である大阪府の人口は長い目で見ると減っており、今は地方からの流入と大阪からの流出がトントンくらいです(昔は流入過多でした)

    因みに一都三県以外で増えてるのは愛知と福岡だけで、これは愛知はトヨタ自動車があり、福岡にはIT大手の支社が多くあるためです。

    大阪府を中心とした地盤沈下は神戸だけではなく京都にまで及んでおり、東京への本社移転が進んだ結果、特に産業と言える産業のなくなった京阪神地方は苦しいでしょう。

  3. ハコモノ行政 より:

    > (海外客が)まず神戸で一泊して体制を整えた上で次の観光地へと向かう。そしてまた神戸に帰ってきて一泊する

    関空に於ける泉佐野くらいの位置付けですね。都市規模としては神戸の方が有利ですが、滞在コスト的には相当高くつきそうです。地価アップの転嫁もされるでしょうし。

    大阪&京都が外国人だらけになって、相当な割合の日本人が近寄らなくなっている現象の受け皿になるという筋書きはどうでしょう?(多分高齢者の割合が高い)
    タワマンという高付加価値住居でそれを行うと、高確率で成功すると思うのですが断固拒否してますね……

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