特集・シリーズ

神戸市が令和5年度の予算案を発表 Part2 神戸空港国際化の対応



令和5年度の神戸市予算案特集 Part2は神戸空港に関する予算編成案を取り上げます。神戸経済の活性化には、都心部の再開発と共に二大プロジェクトとして、欠かす事ができないのが神戸空港の活用です。この両輪が上手く作用する事が、神戸の将来の浮沈を左右すると言っても過言ではないでしょう。


神戸空港への投資

神戸空港国際化への対応



空港機能の強化 96.86億円
  • 神戸空港島将来ビジョン策定
  • 空港基本施設整備(エプロン西側拡張:R5年度工事着手、R6年度完了予定)
大きな予算が付けられたのが空港機能の強化です。2025年の発着枠拡大、国際チャーター便の受入開始までにこれに対応するインフラ・ハードを整備しなければなりません。

具体的にはまず駐機場の拡張に着手し、来年度までに完成させる計画です。この拡張エプロンはこれに隣接して建設されるサブターミナルの駐機場として使用されるものです。
  • サブターミナル整備(R5年度設計・工事着手、R6年度完了予定)
  • 駐車場・構内道路整備(R5年度設計・工事着手、R6年度完了予定)


エプロンの拡張工事を進めながら、サブターミナルビルの設計に着手し、この完了後に年度内に建設工事も着工。こちらも来年度までに完成させます。ビルの規模としては、現在のターミナルビルと同程度を見込みます。またQICを設けて国際線ターミナルの機能を担う建物にもなる予定です。


  • 神戸空港の機能拡張に合わせた周辺計画道路整備(R5年度設計・工事)
  • 神戸空港と海上アクセスターミナル間の歩行者デッキ整備に向けた検討
サブターミナルが出来る事で、これに対応する為の周辺道路の整備や駐車場の新設も必要になってきます。空港利用者拡大に伴って既存駐車場の立体化も視野に入れる必要がありそうです。

また新たな構想として、神戸空港と海上アクセスターミナル間の歩行者デッキの整備が検討されているようです。関空との連携強化及び海上アクセスの利用促進を図る目的の整備かと思いますが、その需要及びどこまで効果を得られるかしっかりと整備前の検証が必要です。

交通アクセスの強化 11.42億円


  • 新神戸トンネル南伸部の事業化に向けた検討
  • 京橋ランプ周辺道路のあり方検討
  • 生田川右岸線の機能強化(車線数の増加:片側直進2車線→3車線化工事)
  • 神戸空港連絡橋4車線化


現在既に進行している生田川右岸線の拡張工事や神戸空港大橋の4車線化工事に加えて、既に既出とはなりますが、新神戸トンネル南伸部の事業化に向けた検討が行われます。空港へのアクセスと絡められるのは初めてですが、阪神高速の京橋ランプ周辺道路の在り方も検討に入れられました。京橋ランプを下りた車が神戸空港に向かうには、左折して、ポートアイランドに向かう神戸大橋を経由するのが流れで、ここにあまり複雑性はありませんが、どのような改良が検討できるのでしょうか。新港町エリアの再開発も関連してくるものと思われます。


  • 朝ラッシュ時におけるポートライナーの混雑緩和に向けたバスによる輸送力補完
  • 南北軸のアクセス強化検討
  • 新交通三宮駅のホーム拡張(R5年度設計、R6年度工事着手、R9年度供用開始予定)
既存の交通アクセスについては、ポートライナーの輸送力補完をバスで補うとしていますが、これは既に実施済の対策です。バスの便数を増やす対応を示しているのでしょうか。これまでの取組では、朝夕のラッシュ時利用者のバスへの誘導に成功していない感があります。

もう何年も前から計画のあったポートライナーの三宮駅拡張がようやく実現される模様です。

南北軸アクセス強化の検討とは地下鉄を含む新インフラ導入の検討かと思いますが、どこまで踏み込んだ検討が進められるのでしょうか。

これらのハード面による空港及付帯施設の整備の他、空港利用を促進するソフト面の取り組みも行われる予定です。
  • 空港島からの海上航路誘客ルートの検討(神戸空港~須磨・都心ウォーターフロント
  • フライ&クルーズの推進
  • 神戸空港国際化を見据えたインバウンドプロモーションの実施
  • 大阪・関西万博に向けた関西観光本部と連携した誘客
  • 夜市の定期開催
  • インバウンド向け夜型コンテンツの造成
  • 兵庫デスティネーションキャンペーン
この空港整備関連に対する神戸市の動きは非常にスピーディーです。絶対的な期限がある為、また悲願である国際化の為、失敗や遅延は許されないプロジェクトであるだけに、確実に進めなくてはなりません。
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  1. プチ情報 より:

    神戸真珠会館が3月末で閉鎖、解体のようです。

  2. こまったちゃん より:

    https://www.city.kobe.lg.jp/documents/59946/20230214_kouwan8.pdf

    https://www.city.kobe.lg.jp/documents/58800/kouhyou.pdf

    によると、メインターミナルとサブターミナル間はバス移動、搭乗橋なしの国内4、国際2の合計6ゲートの施設を想定しているようです。てっきり、メインとサブとは出発コンコースを接続する想定と思っていたので、搭乗橋なしは意外でした。

    ターミナル間がバス移動かつPBBもないところからすると、万博チャーターと国内線の拡大を想定した完全につなぎの施設で、このやる気のなさに90億もかけるのももったいないかもしれません。

    関空の第2ターミナルや成田の第3ターミナルに近い位置づけですが、神戸空港は国内LCCが参入していないため、サブターミナルの利用客、つまり、多少不便でも運賃の安さを志向する国内線客が少ないため、有効活用しにくい気がします。

    また、今就航中の航空会社がメインターミナルからあふれる形で移動するとコンパクトさと交通の便利さが失われてしまうので、神戸空港のメリットは全体的には下がります。

    早くメインターミナルの拡張計画を作らないと、ちょっと先行きが危うい気がします。

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