神戸駅周辺

新開地商店街に喜楽館がオープン 街の再生に繋がるか


新開地商店街は湊川公園から直結しています。かつては西の浅草、東の新開地と呼ばれる程の歓楽街を形成し、神戸の中心市街地はこの周辺に集中していました。しかし今はかつての栄華は見る影もなく、場末の街になっています。


商店街はアーケードの中に入ると緩やかな下り坂が続きます。北と南にかなりの高低差があります。湊川同様に街を歩くと高齢者が殆どで、しかも男性が多勢を占めます。店舗はパチンコ屋か飲食店が多く昭和ムードを色濃く残します。南側入口にはラウンドワンの入る大京喜楽館ビルが建設されましたが、それより北側は進む程に寂れていきます。


そんな新開地商店街に新風が吹き込みました。2018年7月に神戸新開地・喜楽館がオープンしたのです。


上方落語協会、兵庫県、神戸市、新開地まちづくりNPOが協定を結んだ結果、夢のプロジェクトが実現し、往時の新開地に想いを馳せられる上方落語の定席施設が完成。


鉄骨ゲートをかいくぐるアプローチを奥へと進むと喜楽館のエントランスです。新しい文化・伝統芸能発信拠点の整備はこの街の活性化に一定の効果を生むものと期待されています。


公演予定の噺家さんの札が並びます。


真新しい集客施設の誕生は喜ばしい事ですが、湊川商店街や新開地商店街の様子を眺めていると、やはり将来を憂いてしまいます。商店の経営者は高齢者ばかりになり、後継者は無いケースが殆どでしょう。故に商店街として街が存続していく事は非常に困難を極めます。新開地も多聞通を挟んで北側は分譲マンションが増加してファミリー層も増えているようです。


兵庫区役所に隣接するニナイチ市場は商店の共同組合を解散して分譲マンションに建て替えられます。

新開地商店街周辺は歓楽街の福原に接している為、未だにファミリー層向けの住宅建設には不向きですが、福原も往時の勢いは失せており、夜の街も縮小傾向にあると言います。

全国には数多の商店街が存在しますが、幾ら行政が公金を投じても、人口縮小と現代人のライフスタイルの変遷、店主の高齢化によってその多くが衰退、消滅する事は避けようがありません。無理に商業地としての存続に拘らず、いかに軟着陸によって異新しい使命・用途を与えられた街への転換を図るべきかを議論すべき時代に突入している事を認識しなければなりません。

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  1. 某京都府民 より:

    やはり周辺にマンションが増えるかどうかが最も重要だと思います。古い商店街も、近くにタワーマンションがあればそれなりに人がいることが多いです。

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