大阪

地域探訪: 大阪・(仮称)難波中二丁目開発計画 超高層ホテル「センタラグランドホテル大阪」を中心に3棟のビルを建設する複合再開発



大阪・難波はなんばパークスの南側で広がっていた再開発用地で長期に渡って駐車場や住宅展示場として暫定利用されてきたエリアの再開発が開始されています。



(仮称)難波中二丁目開発計画と称し、敷地面積約9,000平方メートルの用地をA〜C敷地に3等分し、Centara Osaka特定目的会社、なんば開発特定目的会社、大成建設・関電不動産開発、南海電気鉄道の三者がそれぞれ開発を行います。



最大のA敷地を保有しているのニッピ。同社から南海電鉄が土地を賃借し、センタラ・ホテル&リゾート、大成建設、関電不動産開発が出資する特別目的会社に対して転貸し、このSPCが地上34階 延床面積39,175.30平方メートルの超高層ビルを建設中です。



この建物にはタイの高級ホテルグループであるセンタラ・ホテル&リゾートが経営する「センタラグランドホテル大阪(515室)」が開業予定です。



敷地はヤマダデンキLABI1なんばの向かいに位置しています。インバウンドによる訪日客が戻ってくると、人気を博す立地です。センタラホテルもそれを狙った進出でしょう。



周囲の建物は全てなんばパークスから連絡する歩行者デッキで接続しています。



南側のB敷地では南海電鉄等が地上14階 延床面積19,685.39平方メートルのオフィス・店舗から構成されるビルを建設しています。



その東隣のC敷地にも大成建設、関電不動産開発等が地上14階 延床面積9,337.07平方メートルのホテル・店舗ビルを建設中で、「ホテル京阪なんばグランデ」として249室のホテルが開業する計画です。

これらのプロジェクトによって南海電鉄がバブル期から計画してきた大阪球場跡地を含めた周辺再開発は一通りの完了を迎える事になります。



難波駅から南側に掛けて、ホテル、オフィスビル、タワーマンション等の超高層ビル4棟や複合商業施設から構成された南海肝入りのターミナル拠点開発は阪急阪神の梅田開発に次ぐ規模を誇ります。



直近の再開発で完成したなんばスカイオ。スイスホテル南海大阪の入る南海サウスタワーは南海難波駅の駅ビルですが、スカイオは南海会館を建て替えて建設された第二駅ビルです。地下1階-9階の低層部は飲食店、金融、商業サービスが集積する商業施設。10-30階はオフィスという構成です。



南海難波駅の乗降客数は約25万人。地下鉄なんば駅が約33万人。近鉄難波駅が約13万人。合計で約71万人。



鉄道の乗降客数のみで比較すると、三宮とほぼ同規模のターミナルです。巨大化する梅田に対して危機感を抱いているのは三宮だけでなく、大阪の都心内で近距離にある難波も例外ではありません。将来的に関空と梅田が直結すると、大阪都心における南の玄関口としての地位も揺らぎかねません。



大改造を受けた南海ビル内の巨大なアトリウムは日本の駅舎の中でも有数の規模とデザインの優美さを誇る開放的な吹き抜け空間です。足を踏み入れると、誰しもが感嘆の眼差しで見渡す事でしょう。



新JR三ノ宮駅ビルの低層部内部にもこのような巨大なアトリウム空間が整備されると、シンボル性の高い建築になるのではないかと思います。

関連記事

POSTED COMMENT

  1. kkbb より:

    御堂筋を久しぶりに歩きましたが大阪の再開発は相変わらずすごいですね。高層ビルが次々と建設されることで街の世界的大都市化への変貌ぶりに驚かされます。
    さらに景観的には、とくに夕方から夜にかけての街路樹のイルミネーションは素晴らしい。企業のオフィスビルも行政に呼応するかのように見事なライトアップを展開して、インバウンドが戻ってきたら感動するでしょう。
    観光面のナイトステイで言えば、こんなん神戸は絶対に勝てないです。そこまで進化しています。
    神戸のルミナリエは、たまのデートプランでしか通用しないでしょう。
    また堂島周辺の高層オフィスビル群の窓光は光の滝のように感じました。

    大阪はとうとう欠けていた夜景の魅力も兼ね備えつつあります。
    次回はぜひ、こべるんさんに夕方から夜にかけての御堂筋界隈の夜景の素晴らしさをレポートお願いしたいです。

  2. 名も無き神戸市民 より:

    神戸が100m越えの阪急神戸三宮駅ビルを一棟建てるのがやっとなのにその間に大阪はその何倍もの超高層ビル建設している現実。
    神戸の超高層ビルの歴史のはじまりは東京に次ぐのに負けじと頑張っていただきたい。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です