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旧神戸中央卸市場本場跡地一部の市有地で建設中だった兵庫県の新県立博物館・兵庫津ミュージアムの「初代県庁館」が11月3日にオープンしました。
廃藩置県によって1868年に誕生した兵庫県。その初代県庁が存在していたのが現在の兵庫区内の兵庫運河の側にあった「大坂町奉行所兵庫勤番所」内に置かれました。その勤番所の絵図を元に復元されたのが初代県庁館です。
兵庫県政150年事業として進められているこのプロジェクトはこの初代県庁館と隣接して建設されている「ひょうごはじまり館」の2施設で構成されるのが兵庫津ミュージアムです。
南側に設けられたメインエントランスとなる長屋門です。初代県庁館の入場は無料です。
場内に足を一歩踏み入れると、幕末維新時代にタイムスリップします。玉砂利と石畳を踏み締めながら進みます。
向かって左に船見番小屋と取次役所が立っています。船見番小屋はミュージアムショップとして使われています。
取次役所の内部の様子です。天井板は無く、丸太の梁が剥き出しの開放的な空間は板の床と畳が暖かみがあります。
普段は休憩所やカフェスペースとして利用されていますが、キッチンも備わっており、地域の人々の貸切スペースとしても活用が可能です。
各建物は塀と門で仕切られています。
更に奥には官舎である旧同心屋敷が並びます。
広い土間と畳のスペースも予約制で貸スペースとして活用されます。
こちらは仮牢。二重格子の頑強な造りで脱走不可能です。
実際に牢内に入る事もできます。鍵も取り付けられています。
北側には芝生のイベント広場スペースが整備されています。
北側にも門があります。隣接するひょうごはじまり館が完成すると、この門を介して両施設を行き来できるようになるものと思われます。
どのような催事が行われる予定なのでしょうか。地域交流のイベントが想定されます。
そしてメインとなる県庁となった勤番所。敷地内で最も大きな建物です。
靴を脱いで畳敷の内部に上がります。
複数の板の間や畳の間があります。この一部を使って1回5名限定の初代県庁を舞台に繰り広げられた幕末維新ドラマのMR体験「バーチャルVisit!」が行われます。今は人気がある為、事前整理券を配布していますので、飛び込みでの参加は出来ません。
罪人が裁きを受ける吟味場。
風呂場も再現されています。
そして知事の執務室。初代県知事に就任した伊藤博文は当時まだ27歳。その後、国政に進出し、初代総理大臣に就任します。
日本庭園に面した縁側の空間は居心地の良い場所です。
松の木をあしらった美しい庭園を望みます。
入場無料なので、散歩がてらに訪れてこの場で寛ぐのも一興です。高級旅館のような雰囲気ですね。落ち着きます。
この庭に面した場所でまったりとしている人々も多く、今後、ひょうごはじまり館の見学後に初代県庁館で一息つくといった光景も見られるものと思われます。
あくまでも今回はプレオープンの形をとっています。訪日外国人観光客もこの場所を訪れる観光地として認識されるでしょうか。
休憩処を活用して観光客に兵庫の旬の幸を詰め込んだ仕出し弁当を堪能して貰ったり、料亭や寿司屋から料理人や職人を呼んで、中央卸市場の新鮮な魚介を使って振舞う等、食の観光スポットとしての使い方も考慮すべきかと思います。
まだ敷地内の一部に仮囲いが設置されている場所があります。本格的な集客効果を発揮するのは隣のひょうごはじまり館の完成後の来春以降かと思われますが、地域住民の利用率の高いイオンモール神戸南の集客をミュージアムに引っ張れるのは開業当初のみかと思われます。県内外広域エリアからの集客を見据えなければなりません。
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センチュリーが槍玉に挙げられる一方、兵庫津ミュージアムは全く無駄遣い批判を受けませんでしたね。ランニングコストもセンチュリーの比じゃないでしょうに…。
殆どの県民が県政情報を得るのはマスコミなんですから、マスコミも色んな情報を満遍なく報道してもらいたいものです。
取り敢えず出来たからには校外学習レベルの活用に留まらず、観光客を大きく集客する施設として活用してもらいたいものです。
神戸でコロナ前にインバウンドを享受できた和風建築物である相楽園は明治時代に建造された築100年超庭園ですし、大阪で人気の現在の3代目大阪城も昭和初期に再建されて築90年程度を経て歴史的建築物としての価値が出てきています。
そう考えると、「再建した建築物には価値がない」とは言い切れず、この初代兵庫県庁も維持し続ければいずれは「〇十年前に再建された歴史的建造物」になり得るわけです。
先は長いですが、どんな歴史的建造物やその再建物も歴史の浅い時期があったと言うことです。
あえてご提案差し上げるのであれば、名称を「大坂町奉行所兵庫勤番所」に改称して、江戸時代の建築物を再建したことにした方が来場者に魅力的に映るように思います。
ただし、「大坂町奉行所兵庫勤番所」だと「大阪」のイメージが先行し、現兵庫県知事がおおさか維新の会所属であることを加味すると「兵庫県は大阪府の附属物」であるかのイメージを受ける方も出てきますから、現名称も一定の正当性があるのかもしれません。
> 食の観光スポットとしての使い方も考慮すべきかと思います。
いいですね、しん@こべるんさまが記事内でご提案の料理に加えて、兵庫県産茶の抹茶スイーツなんてどうでしょう。
神戸でお茶のイメージはあまりないような思いますが、灘区の青谷には静香園という茶園があり新鮮味があるのではないでしょうか。
もちろん青谷の茶園の生産だけで全ての茶葉を賄えるかどうかわかりませんが、兵庫県全体では丹波の丹波茶や三田の母子茶があります。
さらに神河町では無農薬の茶葉を栽培しているようで、兵庫県のお茶もいろいろバリエーションがありそうです。
兵庫県の成立と言えば明治期の文明開化ですので、神戸自慢の洋食を提供するのはどうでしょう。
京都では町屋イタリアンもありますので、神戸で江戸時代風の建築物で洋食を提供するのも不思議ではありません。
神戸モスクでハラル認証を取ったビフカツやチキンカツであれば、イスラム教徒でも食べられますのでコロナ明けのインバウンド外国人向けにどうでしょうか。
関空のエアロプラザでコロナ前まで営業していた蕎麦屋のおらが蕎麦では、蕎麦とセットのカツ丼はデフォルトでチキンカツでした。
そうすれば、とんかつが食べられないイスラム教徒も食することができ、客層が広がるわけです。
よく考えられていました。
ビフカツも神戸牛だとなおさら話題になると思います。
素材を挙げると、魚介類のほかには須磨の海苔、有馬の山椒なんかもいいように思います。
須磨の海苔は私も最近知ったのですが、人気のようですね。
有馬の山椒なら担々麺とかにできるかもしれません(花椒じゃないとダメかもしれませんが)。
「静香園」こだわりのお茶を育てる神戸唯一の茶園
https://www.feel-kobe.jp/column/shizukaen/
日本で数パーセント、無農薬のお茶づくりに挑戦。300年の茶園を継いだ元サラリーマン
https://story.nakagawa-masashichi.jp/107100