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JR新長田駅の南西に位置する「大橋7第2工区」は、神戸市新長田駅南第2-C地区震災復興第二種市街地再開発事業が進められています。ミサワホームを代表事業者とし、京阪電鉄不動産、医療法人一輝会から成る企業グループが、1-5階が医療法人一輝会が運営する「荻原記念病院」、6-14階がミサワホームと京阪電鉄不動産が販売する分譲マンション「ファインレジデンス神戸新長田」という構成の複合ビル「ASMACI神戸新長田」を建設しています。
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プロジェクト概要
ファインレジデンス神戸新長田(ASMACI神戸新長田プロジェクト)
所在地 神戸市長田区大橋町7-1-1
事業者 ミサワホーム 京阪電鉄不動産 医療法人 一輝会
敷地面積 3,736.7㎡
建築面積 2,308.4㎡
延床面積 15,078.38㎡
階数 地上14階
用途 病院(142床) 共同住宅(80戸)
建物⾼さ 47.98m
構造 鉄筋コンクリート造
設計者 伊藤喜三郎建築研究所・東急設計コンサルタント設計共同企業体
施工者 大林組
竣工予定 2023年01月下旬
建設状況の様子
5月以来、7ヶ月ぶりの取材です。GWはまだ基礎工事の真っ最中でしたが、既に地上躯体の構築工事に移行していました。荻原記念病院やファインレジデンス新長田のエントランスホールとなる1-2階の躯体を構築しています。
いざ地上躯体が立ち上がり始めると、かなりの大きさの建物である事を実感します。
ファインレジデンス新長田の居住者は階下の荻原記念病院と連携した特殊なサービスをインターホンを通じて提供を受けます。
物件公式サイトに掲載された新外観イメージパース。南側の様子を描いています。威風堂々としたドッシリとした外観です。日本の城を彷彿とさせます。
敷地北側に整備される公開空地には緑豊かなオーバルパークが出現します。
この物件が新長田再開発地区最後の分譲マンション供給となります。目と鼻の先にある若松公園には西市民病院が移転を予定しており、医療体制も充実し、高い利便性を享受できる立地です。
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分譲マンションと病院が同じ棟の上層階と下層階に同居しているのは決していい組み合わせではないと感じています。
個人的には居住目的にしても、投資目的のいずれにしても「絶対に住みたくない、買いたくない物件」です。
病院というのは基本的に疾病に罹患した患者が利用する施設ですので、一般市中ではあまり分布していない細菌やウイルスが市中よりも高密度で存在します。
特に問題になるのが薬剤耐性菌です。
日本の医療機関では必要とは言い難い状況で感染症の予防目的に抗菌薬を使用することが多く、薬剤耐性菌に感染しやすい環境が成立しています。
この病院で薬剤耐性菌による院内感染が発生した際、分譲マンションの資産価値が低下することは間違いないでしょうし、住民からは苦情が出ることも避けられません。
また、昨今のコロナ禍でコロナ患者の受け入れなども住民感情から困難になる可能性も高いです(ただし、荻原記念病院の病床数は142床なので、コロナのような大きな問題になっている感染症の治療の受け入れそもそも想定していない可能性もあります。それと西市民病院が近くに移転してくるので、診療科を棲み分ける可能性もあります。どのような棲み分けをするかはわかりませんが、例えば透析などは重度に腎臓を患っている患者には定期的に必須の医療措置なので、マンションと同じ棟内で透析してもらえるのはメリットがあるかと思います)。
さらに心配なのは、数十年後の病院が老朽化した時です。
病院が老朽化して建て直しが必要になった時に、分譲マンションの地権者の合意形成で揉める可能性が高いです。
これは分譲マンション全般に言えることではありますが、病院が入っている分だけ問題はより複雑になります。
せめて、病院棟とマンション棟が別だったり、賃貸マンションか定期借地権付きマンションであれば問題は軽減できたように思います。
最悪の場合、「建物の老朽化で病院は移転したものの、マンション住民の同意は得られず、5階以下は廃墟化している」と言った状況が生じ得ます。
正直、病床数358床の西市民病院が目の前に移転してくるのであれば、同じ棟内に病院があるメリットよりもデメリットの方が勝るように感じた次第です。
別件ですが、一輝会が運営しているのは
× 萩原記念病院(はぎわら)
○ 荻原記念病院(おぎわら)
のようです。