長崎

西九州新幹線に採用された最新型車両を特集 次世代の新幹線として抜群の快適性 早期の全面開業を望みたい



GWの九州遠征の際、長崎へは博多から電車でアクセスする事になりました。この際に利用したのが、昨年9月に開通・開業したばかりの西九州新幹線です。全国でも最も新しい新幹線とは?その魅力に迫ります。

西九州新幹線とは?



西九州新幹線は、九州新幹線西九州ルート(福岡市・長崎市間)のうち、2022年9月23日に開業した武雄温泉-長崎間の路線名称を指しています。武雄温泉-長崎間は線路延長約66kmをフル規格(標準軌)によって整備され、武雄温泉駅にて博多-武雄温泉間を運行する在来線特急列車と同じホームで乗換を行う「対面乗換方式」によって運行されています。



採用された新型車両は、JR東海で運行されているN700Sをベースとして、「九州らしいオンリーワンの車両」をコンセプトに、エクステリアにはJR九州のコーポレートカラーである赤を配色、シンボルマークやロゴを配置しています。



また外装には、JR九州の青柳俊彦社長が揮毫(きごう)した列車名「かもめ」の文字をひらがなやアルファベットで入れ、企業カラーのであるレッドラインを配置。



デザインはJR九州の豪華寝台列車「ななつ星」を手がけた工業デザイナーの水戸岡鋭治氏が担当。



シンプルかつモダンで親しみのもてる車両デザインと言えます。



少しウルトラマンを思い起こさせる?感じもありますね。

車両客室内の様子



明るく清潔で温かみのある車両客室内。工業デザインの造形美は建築と相通じるものがある事を感じさせます。



車両であろうと建築であろうと室内はインテリア。いかに人が快適に過ごせる空間に仕上げる事に主眼が置かれています。最新型車両であるだけに、やはりこの九州遠征で利用したどの交通機関(山陽新幹線や九州新幹線を含む)と比較しても、最高レベルに仕上がっていました。



写真は指定席車両ですが、二列シートを基本としており、東海道・山陽新幹線のように三列シートは存在せず、非常にゆったりとした空間設計がなされています。



シートの快適性も抜群です。モダンリビングという言葉がピッタリのファーニチャーであり、天然木材をふんだんに採用しています。



背もたれの頭に接する部分のクッションも厚みがあり、適度な柔らかさを保っています。



座席間のスペースも非常にゆとりがあり、平均的な日本人の身長であれば、足を真っ直ぐ伸ばす事も可能かと思います。



幅の広く質感の良い木製肘掛も優れたデザイン設計が施されています。通常、新幹線の座席にはテーブルがシートの背面に備わっていますが、この車両には見当たりません。



なんと中央の肘掛内に収納されていました。飛行機のテーブルでも見かけるデザインです。



そこまで大きなテーブルではありませんが、ドリンクを置いたり、駅弁を食べたりするには十分な広さがあります。ただビジネスマンがパソコンを置いて仕事をするには向いていなさそうです。



肘掛の台座部分にはしっかりとコンセントが各座席用に用意されています。これは嬉しい設備ですね。これまでの新幹線には窓側の席の下部にのみしかコンセントがありませんでした。



ジャケット等を掛けておくフックもフラットになる際の戻り方がスムーズでゆっくり閉まる等、細部にも拘りを感じさせます。



有機的なデザインに間接照明を組み込んだ天井も温かみと柔らかな印象を与えています。照明の照度は自動で切り替わり、駅到着前には明るくなります。



車両の前後方にあるフルカラーLEDディスプレイも鏡面仕上げで、クッキリと表示されて視認性も高く、まるでスマホのようです。



ユニバーサルデザインも採り入れられており、車椅子用のスペースも設けられています。



また大きなスーツケースにも対応しています。インバウンド需要に備えた措置でしょう。



共用空間です。ステンレス製の丸味を帯びたパネルを使った壁面は他の新しいタイプの新幹線と同様です。



機能性とデザイン、安全性に優れています。



毛筆の「かもめ」をプリント。



トイレの個室も曲面を採用したデザインです。



多目的室も備わっています。



手洗い・パウダースペースはトイレの外に設けられています。



最新型の新幹線は、時代のニーズと要請にしっかりと対応した設計とデザインが施されており、今後の新幹線や特急等の高速長距離鉄道車両の模範となるものと思われます。

現在はリレー方式で部分運行



西九州新幹線は前述の通り、武雄温泉-長崎間の部分開通に留まっています。従って博多-武雄温泉間は、従来の特急「かもめ」がリレー特急として運行しています。

武雄温泉到着後、乗客はホームの対面に停車する新幹線及び特急への乗り換えが必要になります。



リレー特急「かもめ」もシックな装いの列車で、欧州の特急列車を彷彿とさせるデザインで好感が持てます。



博多からこの列車に乗り込んだ際には気分は高揚しました。



先頭車両のデザインも欧州の長距離列車を思い起こさせます。



インテリアも落ち着いた色調や内装設計です。



ボックスシートはプライベート感も高く、長距離の列車の旅にピッタリです。

しかし最新型の新幹線「かもめ」と比べてしまうと、どうしても設計の古さを感じる他、乗り心地も揺れが気になりました。しかしそれらは全て新幹線に乗った後の復路の話。往路は全く気になりませんでした。



それだけ新幹線の車両が非常に良い出来だという事かと思います。ただ66kmという短い区間だけに、乗車時間は30分程度と、席に付いて落ち着いたなあ〜と思った頃に到着となります。博多までの残りの区間の開通時期については現状、全く目処が立っていません。原因はこの区間となる佐賀県が費用負担を巡って建設に合意していないからです。

新幹線による開業効果は、鹿児島、熊本、長崎、そして博多と経済的に大きな影響をもたらしています。佐賀は九州の中では最も存在感の無い県と言わざるを得ません。新幹線の開通は佐賀にとってもチャンスであり、JR九州も新駅舎の建設に伴って佐賀駅前の再開発を進める用意がある可能性等、メリットも大きいのではないかと思われます。早期の全線開通が望まれます。
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POSTED COMMENT

  1. 通りすがり より:

    佐賀にメリットとか、、

    現在ですら既存の特急や在来を減便や廃止されて生活に不便を強いられていると聞く
    そもそも在来線もガラガラな路線に
    新しい幹線は要らない
    東海道のように人口の多い地域を東中西に抱えている地域だから黒字経営が見込めるのである
    端っこの枝分かれ僻地の長崎でさえ
    県北や離島には全くメリットがない
    長崎市の人口が200万を超えそうとかなら
    話は別であるが、実際はたったの43万人程度。観光客数も万年下位
    陸をスネークして這う鉄道には
    時短効果はうすく
    ほぼ直線移動する航空機での移動が
    どうみても合理的だ
    どうしても新幹線というなら
    長崎空港を中心にアクセス鉄道を整備する発想に切り替えるべきである
    直通などロマンを追いかけすぎなのだ
    もしくは既存の港を一部改修して
    旅客飛行挺を運用するのがよい

  2. sirokuma より:

    最新の交通インフラの整備はメリットが大ですね。新幹線整備は地方都市が望んでも中々かなわない事業ですし将来的に企業誘致や企業進出の際にアドバンテージになります。
    一行政が反対を唱え計画全体を遅滞させている例は静岡県も同様ですが、これら広域で複数の行政が絡むインフラ整備事業は国内はもちろん国際的な競争力強化という側面もあるので、速やかに整備して貰いたいとおもいます。
    例えば、長崎の県北や離島には全くメリットが無いとのご意見もありますが、佐世保市は人を運んでくる新幹線の市内通過を諦める代わりに、長崎県の全面バックアップを得て人を呼び込むためにIRという大きな実利を手中にしようとしているように私には見えます。
    IR誘致が成功したら、長崎県北や離島観光だけでなく佐賀県も有田や嬉野、武雄、呼子などへの観光も増えるのではないでしょうか?
    佐賀にはそれ以外にも埋もれた観光資源が沢山あると思いますから両県で魅力ある西九州を作り上げれば良いと思います。
    現在、海外企業の日本への積極投資(数千億~1兆を超え)が話題になっていますが、反対して停滞するよりその先を見つめてチャンスを掴みにいくことが大事だと思います。
    その際に新幹線は大きな武器となると思います。

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