長崎県は長崎市と連携し、JR長崎駅周辺地区の大規模再開発を進めています。西九州新幹線が長崎まで延伸し、長崎駅の移設に伴う新駅舎の建設、新駅ビルの開発に合わせて、駅前広場の整備や駅周辺の一体開発を進め、県都市に相応しい風格のある玄関口の創造を目指しています。
長崎駅の南側に位置し、長崎港に面した長崎魚市跡地を長崎県が再開発を計画。長崎市江戸町にあった老朽化した長崎県庁をこの地に移転し、更には長崎県警本部も同じく新築移転させると共に防災緑地空間や駐車場を3ヘクタールにも及ぶ広大なエリアに整備する巨大開発プロジェクトとして2017年に完成しました。
三方を海に囲まれた立地で、まさにウォーターフロント最前線の場所を官庁エリアとして生まれ変わらせています。
熊本県警本部。地上8階 延床面積21,725平方メートルの建物です。海に近い立地の為、土地を約2m嵩上げして庁舎1階は海面よりも高くなっています。
外観からは分かりませんが、内部中央は地上3階から最上階まで吹き抜けになっているようです。また頂部には巨大なパーゴラが取り付けられています。3階には一般利用も可能な食堂が営業しているようです。
建物北東及び南西面のコーナーは圧迫感の軽減の為、柔らかな曲線となるファサードデザインを採用しています。後方で建設中の新長崎駅ビルとの調和も取れているようです。
新しい行政棟に相応しい外観と環境負荷低減を両立した次世代庁舎となっています。
防災緑地は、「おのうえの丘」と名付けられており、1.7ヘクタールもの広大な緑の空間になっています。
長崎県庁、長崎県警本部、防災緑地の「おのうえの丘」の一帯は、2019年にグッドデザイン賞を受賞しています。
東端に位置するのが長崎県庁です。行政棟、議会棟から構成される新庁舎は、開かれた丘のような庁舎をイメージとしてデザインされています。
建物の規模は地上8階 延床面積51,138.26平方メートル 高さ39.96m。約2,500名の職員が就業しています。
3階レベルで隣接する駐車場棟や県警本部へとアクセスするデッキへと連絡する大階段は県庁舎のファサードにおけるシンボル的な存在です。
2階レベルの屋上は非常に大きなテラスデッキとなっており、建物は階段状に複雑に組み合わされた造形が特徴です。
デッキテラスから見渡す大階段と防災緑地越しに見える県警本部。
大きな植栽帯も設けられており、非常に開放感の溢れる気持ちの良い空間です。デッキの先には長崎港のパノラマが広がります。
グッドデザイン賞を受賞した空間設計はその眺望も含めて納得の出来です。
県庁と県警本部は中間位置する連絡デッキを兼ねた駐車場棟を介して繋がっています。
3階レベルに広がる屋上デッキ。非常に贅沢な空間の使い方です。
兵庫県庁は今後、1・2号館が耐震不足を理由に順次解体される予定ですが、暫くは緑地化された上で、現在、職員のリモートワークによる実証実験が進められており、庁舎の必要性やダウンサイズした庁舎の検討が行われています。
井戸知事時代に計画された庁舎は超高層化された上で、議会棟は更に別途、県警本部横に建設される構想でした。
もしダウンサイジングが行われる場合、この長崎県庁は良い参考例になる庁舎なのではないかと思われます。
この庁舎は2017年の竣工ですが、この頃から公共施設における自然素材の多用という現在も続くトレンドは既に確立されていたようです。
シンボリックな大通りの浦上線に連なる長崎県庁と県警本部にはどちらも低層庁舎ながらも風格が漂います。
長崎港に面した東側のファサード。ウォーターフロントに立地する県庁舎というのも珍しいのではないでしょうか。
非常に南北スパンの大きな建物です。日建設計らしさの溢れたデザインと言えます。
この庁舎の真骨頂はその外観のみでだけでなく、庁舎内にも大きな特徴を抱えています。庁舎内の様子は次回にレポートしたいと思います。
運河のように幅の狭い長崎港は自然と街が近接した天然の良港です。海外からも多くのクルーズ船が寄港し、訪日客は風光明媚な長崎の街を堪能しているようです。大きく生まれ変わった長崎の玄関口。ヒルトンやマリオット等の外資高級ホテルが進出する国際観光都市としての地位も確実に固めています。
地域探訪: 長崎・新長崎県庁と長崎県警本部によるウォーターフロント開発 兵庫県庁のダウンサイズ庁舎の参考になり得る?
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こべるんさんが兵庫県庁建て替えのダウンサイズを提唱するなんて残念でしょうがないです。
今の斎藤県知事は官僚出身者の何も考えていない、事なかれ主義の典型ですね。
この知事の影響で芦屋市長選、三田市長選ともに大型事業の見直しがトレンドになってしまい、歯がゆいことこの上ないです。2年後の神戸市長選では神戸市庁舎2号館や三宮再整備などの大型事業に影響が必至です。
解体後の兵庫県庁舎跡を緑地化するなどは本当に神戸、元町地区のことなんか何も考えてないことがよく分かりますし、やってきた仕事もどちらかというと総務課部長の仕事でしかないと思います。要は人物としてトップに向いていない小物であり、市長、区長程度のフィールドワークしかできない実力なんでしょう。
リモートワーク推奨による職員の在宅勤務に対する見解にしても国や官僚に対するアピールでしかなく、ハッキリ言って兵庫県、神戸市の未来像が見えていないのでしょう。
井戸知事は神戸市の行く末をすごく案じて、県庁舎建て替えを中心とする元町再整備を推進していたのに残念でたまりません。県庁舎建て替えを中止に据えることで、事業は元町、
下山手までの都市圏を活性化させる意図でもあったため、期待したJR西日本にしても元町駅リニューアルを慎重に進めていましたが、リモート化では県職員の乗降客も減少してJR側も憤慨して事業を簡素化してしまうでしょう。
斎藤県知事、久元市長とも悪魔のツー・トップが君臨する以上、神戸の復興は遠いでしょう。