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神戸はポートランド・シアトルを目指す!?米国西海岸北部の2都市は世界を魅了するオンリーワンのコンパクトシティ



10月下旬から約10日間の日程で、久元市長や神戸市会議長等が海外出張を行い、米国西海岸北部のポートランド市、シアトル市を訪問しました。

ポートランドはオレゴン州最大の都市であり、市域内の人口は約60万人、都市圏人口は約230万人。「バラの町」(The City of Roses)と呼ばれる程、バラの栽培が盛んな街です。近年、「全米一・世界一住みたい街」に選ばれている都市で、神戸が学ぶべき事が沢山あると言える街であり、同市とは「経済とまちづくりの交流促進に関する覚書」を締結しています。今回の出張は、この覚書の期限を迎えるにあたり、再締結も目的の一環でした。



過去40年に渡り、一環してコンパクトシティを目指してきたポートランド。神戸市の進めている現在の施策はこの都市の経営に大きく影響を受けているのではないかと思います。

ポートランドは車が重視される米国の都市において、車離れを主眼に置き、歩行者への配慮を都心部の再開発に色濃く反映しています。開発される建物はオフィスや商業施設に限定せず、店舗、オフィスやホテル、住宅等、複合機能を有し、街に昼夜を問わない賑わい創りを進めています。



新旧の建物が入り混じるダウンダウン。歴史建築はしっかりと保存し、モダンな建物も同時に促進するというメリハリをしっかりと付けています。再開発時の建物のテナント誘致については商工会議所が大きく関与し、行政も資金の投入を行う等、今の三宮の再開発にもかなり類似した点が多く見受けられます。行政が前に出る事で、景観コントロールを行おうとする姿勢も同様かと思います。



都心部には高層ビルが立ち並びますが、米国の主要都市と比較するとかなり控え目で、左程の高さもありません。

しかしながら、市内にエコディストリクトと呼ばれる環境先進地区を設けていたりと、かなり時代をリーディングしている面も多く、内外からも注目を集めている都市でもあります。



そして神戸が検討しつつも持ち合わせていない交通インフラ整備もポートランドは既に実現しています。エアリアルトラムは、サウスウォーターフロントから丘の病院までを結ぶロープウェイです。まるでメリケンパークから布引ハーブ園を連絡するようなイメージでしょうか。



そして市内にはMAXライトレールと呼ばれるLRTも導入されています。ダウンダウンでは道路を走り、郊外に出ると専用軌道を走るようで、ポートランド国際空港にも乗り入れています。ポートライナーよりも利便性が高く、住民や来街者にも利便性の高い交通手段と言えます。

因みに空港とダウンタウンを結ぶ公共交通機関は基本的にこのLRTもしくは空港シャトルバスのみとなりますが、空港年間利用者数は1400万人以上に達しています。



そのポートランド国際空港は現在、大規模なリニューアル改修計画を進めており、空港ターミナルビルは拡張工事を進めており、全体計画としては2025年までに改修の完了を目指しています。豊かな自然に囲まれたポートランドらしく、天井には木材をふんだんに活用したナチュラルでモダンなターミナルに生まれ変わります。



また同空港は「全米ベスト空港」の1位に選ばれる程、素晴らしい空港のようで、施設の充実さに加えて、空港スタッフが非常にフレンドリーで来街者に好印象を与えるようです。これは久元市長も今回の出張会見でも触れていました。

神戸空港も国際化に合わせて新ターミナルビルの建設を予定しており、ポートランドの計画には大きく感化されるものがあったようです。



シアトルは神戸と姉妹都市提携をしているワシントン州最大の都市で、アマゾン、ボーイング、マイクロソフト、スターバックス、コストコ等、世界を牽引するグローバル企業本社が集積しています。港湾都市でもあり、神戸との共通点も多い街です。しかし街の勢いには雲泥の差があります。20年以上前に訪れた事もありますが、非常に洗練された都市というイメージを持ちましたが、ポートランド同様にメガシティではなく、コンパクトに都心部を超高度利用しています。シアトル発祥のグローバル企業も元はスタートアップだった訳で、シアトルという街の環境が競争力の高い企業を育ててきたと言えます。今週にはシアトル市訪問団が来神する予定です。

これら米国西海岸2都市の良い所を存分に採り入れる事が出来れば、神戸もかつてそうであったように三大都市やブロック中枢都市にも引けを取らない先進都市に再び返り咲く事が出来るかもしれません。神戸と所縁の深いシアトル、ポートランドをベンチマークにしようとする着眼点は非常に良いと思います。

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POSTED COMMENT

  1. kkbb より:

    わたし個人はアメリカ西海岸の諸都市は以前から神戸市と似た雰囲気があり、神戸市と同様に19世紀末ぐらいから発達した過程にも似た感じだと思っていました。何より開放的で自由な雰囲気が好きです。
    なのに神戸市はヨーロッパの古典的な都市像を追求する手合いがおり、より過度で窮屈な規制を掛けることにより、本来の神戸の魅力を失いつつあります。
    自由で先進的でフレンドリーな市民像を掲げながら耳障りのいいスローガンは、実際は偏狭で粗野で排他的な一部の地元旧神戸市民に受け入れられることはなく、ことあるごとに反対の声を聴くことが多いです。

    京都、奈良、大阪、関西の他都市に比べて歴史が浅いことは弱点であるが、長所でもあり、魅力でもあります。ないものはないと潔く諦めることも肝要です。
    港湾だけでなく新幹線、空港とこれだけ交通拠点となりうるインフラを身近に持つ都市は日本中でもそれほど多くないのですから、神戸市行政にはここまでのマイナスを倍返しプラスに変えるべく強力な都市政策を推し進めてほしいものです。歴史はこれから作ればいいんですから。

  2. 神戸太郎 より:

    上の方に、同感です。
    六甲山が見えないとダメとかいう意味不明な建築規制に縛られず、良いものは残して守りつつも、むしろ未来を先取りする都市であってほしいです。

    かつての人工島政策が良かったかどうかは賛否あるでしょうが、ファッションタウンを作って、「感性」や「ソフト」を重視し、ライフスタイル型の産業を興そうとしたことは先端的でしたし、東京お台場のゆりかもめの遥か前からポートライナーが無人で走っていたのが神戸です。

    国際貿易港神戸港があり、昔からインターナショナルスクールがあり、いろんな国の人が共生していました。今、叫ばれている多様性や国際性も、神戸ではずっと昔からやっていることでした。本来の神戸の伝統と実力を思い起こして、他都市の真似ではない実力を発揮してもらいたいものです。

    その意味でも、ポートランドやシアトルは、良い見本になると思います。アジアでは、香港やシンガポールだと思います。

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