長崎

地域探訪: 長崎・長崎市役所新庁舎 19階展望ロビーとそこから見渡す長崎の新ランドマーク群

長崎市の新司令塔となった長崎市役所新庁舎。今年1月より稼働しており、多くの市民や観光客が訪れる集客施設としても認知度が高まっています。



新庁舎内はこれまでよりも開かれた庁舎をコンセプトとしている為、エントランスから中央の吹き抜けに掛けて、非常に開放的な造りとなっています。1階の階高も大きく取られており、ハイサイドからも自然光が降り注ぎます。



中央部は3層の吹き抜け構造となっており、美しい待合空間が形成されています。デジタルサインによって分かりやすさも重視されているようです。

低層部には商業施設のように、エスカレーターでの垂直動線が設けられています。



この新庁舎における市民や来庁者のハイライトは何と言っても高層化によって実現した展望ロビーとテラスです。



19階に設置された展望ロビーは、高さ90mから長崎市を一望します。これまで長崎で眺望を望むには稲佐山の山頂が一般的でしたが、この新市庁舎誕生によって、もっと気軽に身近に眺望を楽しむ事が出来るようになりました。



建物北側は外郭ワッフル構造になっている為、眺望ド共に、太い鉄筋コンクリートの柱と梁のグリッドフレームに窓が嵌め込まれた状態を内側から見る事が出来ます。



南側は展望ロビーに加えて屋外の展望テラスが整備されています。ウッドデッキやテーブルベンチ、植栽も整う天空庭園です。



テラスから見渡す長崎市中心部。山に囲まれた市街地の真ん中に長崎湾へと繋がる長崎港が入り組んだ独特の地形を確認すると共に、長崎の主要エリアの位置関係を把握する事が出来ます。よって観光を開始する前にまずこの展望ロビーに立ち寄って、市街の地理を頭に入れると以降の観光はスムーズです。



市内中心部を流れる中島川に沿って、中華街や眼鏡橋、浜町アーケード等、数々の観光スポットが点在しています。古くから栄えた貿易港という観点や山が市街地に迫っている点等、神戸と共通点の多い街でもあります。



長崎湾の中央に位置する女神大橋。夜間にはライトアップされる長崎ベイエリアのランドマークです。



東側の眺めです。正面には、坂本龍馬が設立した日本で最初の貿易商社「亀山社中跡」があり、風頭公園の展望台には龍馬像も設置されています。



眼下には新庁舎の建設と共に美しく再整備された魚の町公園と市民会館。



北側の眺めです。最も目立つタワーマンションは竣工して間もないライオンズタワー新大工町(後日レポート予定)です。



西側に不思議な建物を発見。お寺や武家屋敷ようにも見えますが、後方にはモダンな建築も備わる巨大な建造物です。調べてみると、長崎歴史家文化博物館という公共施設でした。



そして西側の眺望です。こちらの方角には、長崎駅や稲佐山があります。



山の手前に見える白い大きな建物は長崎初の高層ホテルでリブランドを繰り返している「THE GLOBAL VIEW 長崎」。その背後に見える複数のクレーンは、ジャパネットホールディングスが取り組む大プロジェクト「長崎スタジアムシティ」(後日レポート予定)。



再開発で建設中の新駅ビルやホテル等が誕生して大きく変貌中のJR長崎駅周辺。



長崎港に面して新しい庁舎群やマンションが林立し、長崎の勢いを表しているウォーターフロントエリアです。



夜間も21時まで開場しており、夜景の新名所としても人気を集め始めているようです。電停前でアクセスも良く気軽に景色を楽しめる点が嬉しいですね。

兵庫県庁舎の建て替えは解体は決まったものの、先行きは全く不透明になってしまいました。職員の大半を在宅勤務にして、庁舎面積を縮小するというのは一見、大胆に見えますが、新入職員も含めて永遠に在宅勤務を継続させる事はできません。

長崎市や県は庁舎を建設したばかりです。両行政共に市民や県民に開かれた新庁舎を整えました。

長崎市役所新庁舎



所在地 長崎県長崎市魚の町4番の1
事業者 長崎市
敷地面積 6,710.30㎡
建築面積 4,022.69㎡
延床面積 51,747.66㎡
階数 地上19階 地下1階
高さ 90.86m
構造 鉄骨造・鉄筋コンクリート造(一部鉄骨鉄筋コンクリート)
用途 事務所
設計 山下設計・建友社設計・有馬建築設計事務所JV
施工 清水建設・西海・長崎土建JV
竣工 2022年11月末
事業費 258億円

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