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地域探訪: 東京・虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業 日本一の超高層ビルを含む8.1ヘクタールに及ぶ巨大プロジェクト



「虎ノ門・麻布台プロジェクト」は森ビルが進める巨大再開発プロジェクトです。虎ノ門や麻布台を含めた約8.1ヘクタールを施工面積とし、超高層ビル3棟を含む再開発ビルや商業施設、緑地から構成される森ビル史上最大級の開発計画です。建設される建物の合計延床面積は861,500平方メートルに及びます。



A街区にはメインとなる地上64階建てのタワーを配します。高さはなんと約330m。日本一のノッポビルとなる他、至近距離にある東京タワーとほぼ肉薄する高さです。建物用途はオフィスと最高層部(54-64階)にアマンレジデンス東京を誘致。B街区には64階・高さ約270mの日本一となる住宅棟(一部オフィス)と53階,高さ約240mの住宅棟(一部ホテル)のツインタワーが建設されます。C街区には複数の大小様々な低層棟が配置される予定です。



再開発地区の全体配置図です。2.4ヘクタールは緑地という東京都心のど真ん中においては非常に贅沢で緑豊かな空間が生まれる事になります。建物の超高層化によって周囲の土地を開放的な空間に転換して、ゆとりのある都市を作り出す森ビルの真骨頂とも言えるプロジェクトになっています。



超高層棟は主に清水建設が施工を担い、三井住友建設や大林組等の大手ゼネコンも加わり、更に準ゼネコン他複数の建設会社が参加する巨大複合開発プロジェクト。



桜田通りから眺めた施工地区。南側のC街区が広がります。特には森ビルのアークヒルズ、城山ヒルズ等が聳えます。周囲一帯は森ビル村です。



開発面積が巨大過ぎです。よくもまあこんな巨大な敷地内の地権者をまとめ上げたと思います。森ビルは六本木ヒルズをはじめ、長年に渡って交渉を重ねて、街を作り変える取り組みを続けています。



森ビルのようなデベロッパーが神戸に存在していたなら、三宮の再開発は更に活気に溢れる事でしょう。雲井通・バスターミナルビルの再開発は森ビルグループと三菱地所グループの一騎打ちとなりましたが、市役所2号館や将来的に必ずやってくるサンセンタープラザとセンター街を含めた再開発には森ビルに是非とも事業協力者を担って欲しいと個人的に思っています。



A街区で建設の進む高さ330mのメインタワー。80mx80mという巨大な基準フロアを持つ建物ですが、高さがあるのでスリムな佇まいです。この1棟のみで46万平方メートル以上の床面積を生み出します。



高層階に向かって徐々に細くなっていく形状は、同じく森ビルの保有する愛宕グリーンヒルズやアークヒルズ千石山森タワーとも共通するデザインです。これはこれらのタワーの外観デザイン設計を米国PCPA(ペリ・クラーク・ペリ・アーキテクツ)が手掛けているからです。創設者のシザー・ペリ氏は一昨年前に亡くなりましたが、世界中の著名な高層建築の多くが同氏の作品です。関西でもあべのハルカスや中之島三井ビルが有名です。



複雑な形状の敷地は高低差のある丘陵地に跨っています。メインタワーの建設が先行していますが、足元ではB街区のタワーも地上躯体工事が進行している様子が確認出来ます。



現在、50階・250m付近の高さにまで達している模様ですが、更にまだ80mも成長すると思うと、日本のビルとしては未知の領域に入る事になります。



横浜ランドマークタワーはあべのハルカスの誕生までの24年間、日本一の座を守り続けてきましたが、あべのハルカスは10年を待たずして、トップの座を明け渡します。しかしこのメインタワーもその座を譲る事が既に決定しています。

東京の再開発ではもう200m級の高層ビルでさえも主役を張る事は出来なくなりました。このような巨大プロジェクトを取材できる事はビルブロガーにとってはこの上ない至高です。

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