阪急阪神百貨店や阪急オアシス、イズミヤ、関西スーパー等を傘下に抱えるエイチ・ツー・オー リテイリングが2024年度(2025年3月期)の業績を発表しました。阪急阪神百貨店各店の売上高もこの発表により明らかになりました。
不動のダントツ1位はやはり梅田の阪急本店です。売上高は3,653.5億円で前年比16.3%増と2年連続の二桁成長と躍進しました。訪日客需要を旺盛に取り込み大健闘している西日本一の百貨店ですが、ライバルである伊勢丹新宿本店は既に4,000億円を突破しており、まだ差があります。
第2位に躍り出たのはなんと博多阪急。売上高は693.6億円で前年比11.3%増となりました。福岡もインバウンド需要が高い都市且つ再開発によって勢いづく街です。更なる売上増を目指して、42.5億円を投じるリモデルを実施し、27年秋に全面改装を完了する予定です。福岡・九州においても、大丸博多店を抜き、三越岩田屋に次ぐ2位のデパートになった博多阪急。まだ伸び代がありそうです。
第4位は阪神梅田本店。大阪梅田ツインタワーズ・サウスとして建て替えられ、大幅増床が図られた同店ですが、年商目標は1,000億円に対し、売上高は647.6億円と博多阪急に抜かれ、且つ前年比2%減と振いません。巻き返しを図るため、25億円を投じてフロアの改装を行い、梅田ロフトを誘致する等のテコ入れを図ります。
そして第4位が神戸阪急で売上高は429.8億円で前年比6.3%増。昨年度は404.29億円で前年比21.7%増と大幅増額となったのと比較すると、小幅な成長となりました。前年は80億円を投じたリモデルの改装効果が数字に表れましたが、減速感が否めません。リモデル後の目標であった440億円もまだ達成できていません。
神戸阪急の建て替えには少なくとも600億円の売上達成が必要なのではないかと推測していますが、建て替え期間中に顧客を失い回復できていない阪神梅田本店の実例が、建て替えの道を険しくしかねないと危惧しています。ライバルの大丸神戸店は1,000億円が射程に入っています。建て替えに踏み切ると、大丸へ顧客が流失する事は明らかです。ただ神戸阪急の伸び悩みはハード面の魅力に欠ける点も要因なのではないかと思います。
三宮駅周辺の再開発で人の流れが大きく変わる可能性があります。この変化は神戸阪急には追い風がもたらすかもしれません。神戸空港国際化も訪日客増を促進します。今後、売上の成長を更なる軌道に乗せられるかは、再開発との連携が鍵を握るのではないかと思われます。
阪急阪神百貨店の昨年度売上高発表 神戸阪急の状況は?
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阪急三宮店の2024年度売上高はJR三ノ宮駅建替えに伴う周辺道路通行制限など負の影響も有りますが、やはり現店舗のままでは大きな飛躍は望めないという結果ですね。
長期的には現店舗の建替えが不可避である事を考慮すれば、プロセスとしてJR三ノ宮駅ビル商業床に増床するのがベストと思います。駅ビルはポートライナーを介して国際化した神戸空港と直結、インバウンドも見込める他、現店舗再開発時にも一定の売場面積とブランドショップを維持できます。
阪急としても博多阪急でJR駅ビルの威力を認識していますので、2029年三ノ宮駅ビル進出を果たし2030年以降は現店舗再開発を進めて欲しいですね。駅ビルに売場を確保出来れば現店舗再開発の自由度が大きく広がります。
他都市(札幌、京都、名古屋、博多等)のJRの新ターミナルビルに進出した百貨店が、既存の繁華街の一番店を猛追あるいは凌駕したのは実証済みです。
三ノ宮の駅ビルには大規模な百貨店の進出がないようなのは阪急にとってはもっけの幸いです。大丸もホッと胸を撫でおろしている事でしょう。
そごうがああいう事にならなかったら、ひょっとしてJR三ノ宮駅にキーテナントととして神戸阪急が出ていたら面白かったかもしれません。(駅ビルの商業施設面積がもっと増えたでしょう)
ただ阪神との関係で難しかったかもしれませんが・・。
以前も書きましたが
せめてそごう然丸残りの
外観の化粧パネルだけでも
貼り替えてもらいませんかね