新長田の複合商業施設「アスタくにづか3番」の地下1階で営業してきた同施設の中核テナントであった「ダイエーグルメシティ新長田店」が昨年末で撤退・退店後、その後継の行方が心配されていました。
しかし今年3月には東京の食品スーパー「ロピア」が進出する事が判明。神戸市内では西区岩岡に出店している同社が市内2号店の新長田に開く事になりました。
5月17日(火)にオープンした新長田店。迎えた最初の週末に訪れましたが、アスタくにづかの地下1階がこんなに混み合っているのは見た事がない程、活気に溢れていました。立体駐車場も3-4階は満車。まさにオープニングフィーバーに見舞われていました。
首都圏に多くの店舗を展開しているロピアは食品に特化した日本版コストコのような存在で、「メガ盛り」が名物。生鮮食料品売場は一方通行のような造りで蛇行しながら買いまわりをするようになっていました。生鮮食料品の値段は確かに安いですが、質を落としている訳でもありません。加工品の品揃えも多く、PB品も手掛けています。また店内のあちらこちらに試食コーナーを設けて(コロナ禍からの復帰も手伝って)、販促を行なっているのも特徴的です。今は人が多過ぎて、じっくり買い物を楽しむ雰囲気ではありませんが、宝物を見つける気分もあってなかなか楽しい店です。
ただ賑わいは地下1階に集中しており、他階はこれまで通り閑散感があります。地下1階の他店舗もこの賑わいを取り込もうと売り込みを掛けていました。
店の話題性は高く、オープン特需もあって現状の集客力は申し分ありませんが、オープニングセールが終わっても高い集客性を維持できるかが今後の成否のカギを握ります。先日も取り上げた須磨・高倉台のヤマダストアーのようにリピーターを掴む事ができれば、集客性は継続します。
そうなればアスタくにづか3番館の活性力も必然的に向上するでしょう。大正筋商店街の通行量も普段より多めに感じました。国道2号線よりも北側から人が流れてくるようでした。
アスタくにづか3番館の北側に位置する腕塚5丁目第3工区の県立総合衛生学院建設予定地。3月に着工予定でしたが、建築資材の高騰によって着工時期を延期しました。その敷地を使って、ロピア用に臨時の駐輪場や駐車場が設けられました。
県立総合衛生学院の建築計画のお知らせは着工時期を来年1月26日、竣工時期を2024年6月15日に訂正変更されていました。
まずは上々の滑り出しというところでしょうか。ロピアについてはオープニングの目玉商品のみに終わらず、質の高さを維持して営業を続けて欲しいと思います。開業当初は品揃えが良くても数ヵ月後には質が落ちて、それと比例して集客力を落とすスーパーをよく見掛けます。是非とも維持して欲しいと思います。次にロピアが高い集客力を保持できれば、次に周辺の店舗がこの良い流れをどううまく享受する事ができるか。良い循環ができると、空き店舗にもテナントが入るようにもなるでしょう。