六甲アイランド

六甲アイランド・神戸ファッションマートの巨大な国内最大級ドーム型屋内空間「アトリウムプラザ」を愛でる



六甲アイランドの「神戸ファッションマート」。敷地面積21,325㎡に地上10階 地下2階 延床面積120,260㎡の大型複合商業施設が開業したのはバブル崩壊直後の1991年7月。床面積のみで言えば、現在、三宮で計画されている雲井通5丁目のバスターミナルI期ビルやJR三ノ宮新駅ビルの規模を大きく上回る規模です。



建物の設計を担当した昭和設計は同時期に近隣で開業した大型複合商業施設「神戸ファッションプラザ」の設計も手掛けました。



この施設の最大の特徴は建物中央に陣取り1-10階に達する吹き抜けの国内最大級ドーム型屋内空間「アトリウムプラザ」。今更ながらその巨大さは圧巻です。



アトリウムを見上げます。30年前の建物とは思えない未だ近未来感が半端ありません。まるで母船が迎えに来たようです。

この施設を見ていると、本当に神戸の当時の勢いとバブルの威力は凄かった事を思い知らされます。



もしまだ神戸にこの頃の勢いがあれば、新港町の再開発地区にもこの規模の建物が建築されていた事になります。



六甲アイランドシティには同時期にこの建物の他、同様の巨大アトリウムを擁する神戸ファッションプラザ、神戸ベイ・シェラトンホテルが建設されました。



現在、この建物のショッピングゾーンは家具やホームインテリア・ファッション関連のテナントが多く集積し、設計や施工会社も集い、東のHDC化が顕著です。物販よりもショールーム的な役割を担う事がテナントを定着させる秘訣となっています。



オフィスについても様々な企業の拠点となっている他、最近ではベンチャー企業の拠点としての支援制度も拡充しています。かつて名を馳せたIT企業のクインランドもこの神戸ファッションマートに本社を置いていました。



六甲ライナー・アイランドセンター駅と直結し、アクセスは容易です。



神戸市はこれまでポーアイ、六アイ、HAT神戸等、都心部以外での副都心の拠点拡大を図ってきました。今は都心回帰を図っています。六甲アイランドの今後の活用方法は検討の余地を残していますが、大阪湾岸道路の西伸プロジェクトによって物流拠点としての地位や価値は向上し、これに伴うこれまでとは異なる需要が生じるのではないかと思われます。

 


建物名称 神戸ファッションマート
所在地 神戸市東灘区向洋町中6-9
敷地面積 21,325㎡
延床面積 120,260㎡
階数 地下2階 地上10階
構造 鉄骨鉄筋コンクリート造
用途  オフィス 店舗 ホール 会議室
設計  昭和設計
施工
竣工 1991年7月(開業:1991年10月)竣工

https://www.kfm.or.jp/
公式サイト

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POSTED COMMENT

  1. めがねのおやじ より:

    六甲アイランドのファッションプラザやファッションマートと聞くと、何か忘れ物をしたようなもの悲しさを感じます。ターミナル駅の住吉駅や魚崎駅は、学生さんや社会人の乗降が多く賑わいを感じますが、アイランドに降り立つと、目的が無ければ寂しいですね。数年前に家族でホテルに宿泊し、バイキング料理を食べたのが直近の訪問です。阪神高速の西伸により、メーカー、ホールセールのデポや集散地になれば、ヒトの行き来は少ないものの、実利とすれば良い方法と思います。

    • しん@こべるん より:

      商業施設は場合によっては民間デベロッパーに売却し、跡地にタワーマンションの建設を認めるべきかと。

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