ザ・パークハウス神戸タワー竣工特集　

昨年11月に建物は竣工し、3月から入居が開始された三菱地所レジデンス他が販売し、大林組が施工した「ザ・パークハウス神戸タワー」。ファミリア本社屋及び旧三菱銀行神戸支店/ファミリアホール跡地に建設された超高層マンションです。特筆すべきは基壇部の東南2面に残されたファミリアホールの保存外壁。これがこのタワーマンションを他マンションから際立たせています。



メインエントランスは南角に設けられています。



2層吹き抜けのゴージャスでホテルライクなエントランスです。



エントランス前にはファミリアホールの装飾がオブジェとして植栽の中に展示されています。



保存外壁のみでなく、近代建築だった同ホールの柱頭の装飾を残し、「記憶の継承」としています。



上下に新旧のコントラストが調和しています。



建設前にはかなりの反対運動が繰り広げられていたようです。二面だけでなく四面全面の保存という選択肢についても要望されたようですが、建築面積が狭められてしまう事もあり、二面のみとなりました。



ファミリアホールの入口を活用した東面のサブエントランスです。



ファミリアホール解体後に保存外壁は汚れを落とした為、以前よりもかなり白く見えますが、非常に美しく復元されました。



北面には建物中央部に内包されているタワーパーキングへの車道のアプローチや植栽が設けられています。



西角には公開空地が設けられました。



西側には木々の並ぶ広々とした歩道が整備されました。



周囲は電柱も地中化された美しい景観地区なので一帯の再開発によって更に風格を増しました。



旧居留地地区ではありませんが、ハーバーロードは異国情緒ある非常に趣のある大通りです。



タワーの造形は美しい基壇部に対してシンプルに仕上げられた為、主張は弱められていますが、色調と新旧のコントラスト、石とガラスのプリズムの対比によって絶妙なバランスが成り立っています。



神戸市の消防条例によってこのタワーも全周バルコニーの呪縛からは逃れられませんでしたが、コーナーには柱を配さず、天井まで開口にしてガラスサッシで覆う今のタワーマンションの主流デザインを採用した為、非常に洗練されたタワーになりました。



頂部周りの意匠も含め、先行して大阪・中之島に完成したザ・パークハウス中之島タワーとデザインを共通としています。



このタワーの完成によってハーバーロードと栄町通の交差点周辺の再開発がひと通り完成しました。ホテルシェレナ跡地に2棟のタワーマンションが建設され、金融事務センター跡にパークホームズ、そしてファミリア跡地に今回のタワー。まさか交差点の四つの角地の内、三つが開発されるとは思ってもみませんでした。