遂にこの時がやってきました!JR西日本がJR三ノ宮駅ビルである三宮ターミナルビルの営業を来春となる2018年3月に終了する方向で調整に入ったと複数のメディアが報じました。来年の4月以降はいよいよターミナルビルの解体に着手し、新駅ビルの建設が開始されることになります。新駅ビルの概要や規模はまだ明らかではありませんが、神戸阪急ビルの事例を考えれば、すでにJRと神戸市の間では一定案は協議されているものと推測できます。
思えばここまでの道のりは本当に長いものでした。これまでのJR駅ビル建て替えや三ノ宮駅をめぐる一連の動きを時系列にまとめてみました。
2011年1月: 神戸新聞が「JR西日本が市の要請を受けて、JR三ノ宮駅の改修と三宮ターミナルビルの建替えを検討」と報じる。
2011年4月: JR西日本が17億円を投じて主に東改札付近を対象とした三ノ宮駅構内の改良工事実施を発表。
2011年10月: 三ノ宮駅構内改良工事着手。
2012年5月: JR西日本真鍋前社長が就任会見で「JR三ノ宮駅ビルについて「具体的なプランはない」と述べる。
2013年2月: 産経新聞が「三宮ターミナルビルについて、隣接地を活用した増床・建て替えする案がある」と報じる。
2013年3月: 朝日新聞が「新駅ビルは高さ160メートル前後の複合商業ビル、事業費は約400億円、2021年度の完成」を報じる。
2013年3月: JR西日本の中期経営計画に「三ノ宮駅の開発の検討」が盛り込まれる。
2014年2月: JR西日本が兵庫県に温泉掘削許可を申請。
2014年3月: JR西日本が神戸地下街の株式約18%を神戸市から取得。
2014年5月: 三ノ宮駅構内改良工事完了。
2015年2月: ジェイアール西日本ホテル開発が南側駅前広場で温泉掘削工事を開始。
2015年8月: 温泉掘削に成功。
2016年5月: JR西日本来島新社長が就任会見にて「2018年までに(新駅ビルの)絵姿をお見せできれば」と意欲を示す。真鍋前社長は退任会見にて「何を作るか我々の中では(イメージは)できている」と述べる。
2011年初頭の特報が紙面を踊ってから現時点で実に6年が経過していました。その間、様々な出来事があり、その度に一喜一憂をさせられてきました。
想定される新駅ビルの構成としては、低層部にはJR西日本の運営するファションビル「ルクア」、中・高層部にホテルとしてJRの最高級ホテルブランド「グランヴィア」というパターンが有力です。場合によっては、中層部にオフィス床の供給もあり得ることでしょう。建物の高さは150m以上は目指すべきラインかと思います。ホテルは可能であれば、有力な外資系ホテルの誘致も選択肢として検討されて欲しいですね。
JR駅ビルの建て替えは三宮再開発の真打プロジェクトとなり、完成した暁には「えき=まち」構想の中軸として機能します。よって神戸阪急ビルの建て替え以上に神戸市との協議と調整は困難を極めるものと推測されます。この駅ビル開発ではボイドとなる空間が非常に重要となります。駅ビル内だけに人を留めずに街との回遊性を高める強力なポンプ機能としての役割を担う事が求められます。特にフラワーロード及び県道21号線の交差する南角+さんちか/地下通路へのエスカレーター/大階段を中心とした回遊空間の創出は必須と考えます。また今後進む三宮東地区再開発とセンター街や旧居留地・元町等の既存中心街を結節する役目も果たします。ポートライナー三宮駅や駅前広場を含めてどういった動線を構築するべきか。京都や大阪以上に駅ビルが街の中に占める重要性が高い再開発となることでしょう。
またJRはこれまで京都駅では「大階段」、大阪駅では「大屋根」といった各駅にシンボル性のある構造物を基本とした駅ビル開発を行ってきました。三ノ宮駅にもこうした基本となるテーマが与えられるものと思われます。三ノ宮駅の開発は遅れをとりましたが、後発だからこそ、これまで培われた経験や実績が活かされた駅ビル開発になることが期待できます。
遂、先日、JR九州がJR熊本駅の駅ビル建て替え計画概要を発表しました。地上14階建ての複合ビルは1-7階が商業施設、8-14階がホテルとなる構想で、規模は違えど用途は三ノ宮駅ビルと同様となります。この新たな駅ビルは「水」と「緑」をコンセプトとし、最大の見せ場は駅ビルの外側に高さ最大20-30メートルの滝が流れる巨大な緑化施設を併設します。
私も三ノ宮駅ビルの建て替え時には布引の滝をモチーフとした「三宮の滝」をコンセプトとしてはどうかというアイディアを当ブログで述べたことがありますが、熊本ではこれが具現化されます。
熊本ではすでに既存のバスターミナルや百貨店跡を含んだ広大な敷地で巨大な再開発計画が進められています。当ブログでも以前、三宮のバスターミナル新設について考えを示した際にこの再開発ビルについてご紹介した事がありますが、福岡に一極集中しているかに見えた九州において、熊本が反転攻勢を開始しました。
神戸も大阪や京都に負けずとも劣らない玄関口の再整備がようやく実現に向かって走り始めました。
仮に2018年8月位から現三宮ターミナルビルの解体工事が始まった場合、これに要する期間はどれ位でしょうか。1日約24万人の乗降客に加えて、地下、地上、空中デッキを中心に駅周辺を通行する人の数を考慮すると40-50万人が行き交う過密地帯での難工事です。阪急の規模でさえ1年以上を要しています。更にそこから本体ビルの建設工事に4年掛かります。新JR駅ビルの完成は早くとも7年後の2024年辺りかと推測します。2024年は雲井通5丁目の新バスターミナルビルの完成予定時期でもありますし、6丁目の着工時期でもあります。市庁舎2号館やそごう神戸店の建て替え計画も始動しているかもしれません。さんセンタープラザや点在する大型駐車場の高度利用計画の行方も要注目です。
これからの三宮はこれまでJR大阪駅や名古屋駅周辺で起きていた大型再開発の連鎖が起きてくる事が期待できます。4~5年後には駅周辺に無数のタワークレーンが林立している光景が見られるかもしれません。
三宮ターミナルビルが2018年3月で営業終了
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やっとJR三ノ宮駅の建替えが水面に顔を出してきましたね。次は、そごう神戸店の建替の発表でしょうかね! また神戸市役所もありますね。神戸市の復権になることを期待しています
200m、300mクラスのビルがほしいですね
お疲れ様です 今年 初コメです なるほど 早く阪急との ツインタワー見たかー
新しいターミナルビルの高さ150m以上ということは、階数で言うと40階以上になりそうですね。今建設中の阪急神戸ビルが高さ120mですから、それ以上の高さですね!
個人的にはポートライナーの駅をどのように処理するのかが気になります。その部分をそのままでは開発が中途半端になってしまいそうで懸念します。現在のポートライナーの駅はJRの土地に間借りなんでしょうかね。
新神戸への延伸に含みを残すなら、移設も検討されますが、市長からポートライナーについて言及された記憶が無いので望み薄でしょうか?
莫大な費用のかかるポートライナーの延伸より、市長の頭の中はベイエリアの活性化にも期待が持てるLRTしかないようにも思えます。
2015年の神戸市の定例会見で、市長は以下のように答えてます。
「ポートライナーを新神戸に延伸することは、現時点では極めて困難だと考えています。1つは大変な工事になること、それから工事費が相当多額に上ること、それから西神山手線と競合すること、そういうことで現時点では極めて困難だと思います。できるだけ、-せっかく地下鉄も走っているわけですから、-先ほど申し上げたような方法で、6つの駅を一体化して、できるだけ移動しやすくして、そこでポートライナーから地下鉄に乗りかえていただくことを考えることが現実的ではないかなと思います。」
OPA2から見た景色には、ポートライナーの路線が眩しく輝いていました。
ミントにポートライナー三ノ宮駅を移設できるような話もありましたが、とんと聞きませんね。
やはり都市伝説だったのでしょうか。
移設には時間がかかりすぎるというのなら、この6年間は何をしてきたのでしょうね。
本当に神戸市の無能ぶりと頭の悪さは破壊的です。自治体は住民サービスに徹して都市開発は行政から専門のデベロッパーに委譲した方がマシかも知れません。
そうでないと言うのなら、このJR三ノ宮ターミナルビルの建て替えで答えを見せて欲しいと思います。
ポートライナー三ノ宮駅をどう処理するか、神戸市のお手並み拝見と行きましょう。
maruさん
有難うございます。そうだったんですか。
ただ地下鉄からポートライナーへの乗り換えは、初めて神戸に来た人にはかなり難易度が高く、骨の折れる作業に思えますね。改善される事を期待します。
カンさん
ほんと、ポートライナーの駅の処理が今回の建替の肝ですね。
後50年間は手を付けられなくなりますから。
ビッグニュースだと思うのですが、いかんせん進捗が遅すぎて
素直に喜べないです。
早くても竣工が7年後とかそんな感じになりそうで・・
これが10年前とは言いませんが、せめて3年前なら嬉しかったんですが・・
200m位のをドカーンとお願いします
センタープラザもさっさとお願いします
20代の内に新しい三宮を見たい