兵庫

NATURE STUDIO・みなとやま水族館がグランドオープン 市内4番目の水族館は地域の賑わい拠点を活性化に導くか



兵庫区雪見御所跡近くで廃校となった神戸市立湊山小学校跡地を村上工務店が再開発し、新たな複合施設として生まれ変わらせた「NATURE STUDIO」。4月より施設一部はプレオープンしていましたが、7月1日に施設全体のグランドオープンを果たしました。



自然との触れ合いをコンセプトとした複合施設内の中核集客機能として期待されていた「みなとやま水族館」も同時に開業しました。



湊山小学校の旧校舎を活用した東棟・EASTの1階フロア全てを水族館に充てています。事前のウェブ予約については、アクセス集中によりシステム障害が起きるほどの人気ぶりでした。

山麓に誕生した小さな水族館

シンボリックな木の根オブジェ



館内に足を踏み入れると、天井から吊り下げられた巨大な木の根がお出迎え。照明演出によって強調されたシンボリックなオブジェです。



約200種類の生き物が展示されるフロア。照明の照度を落とし、水槽の位置も極力低い位置に設置した事で、子供もじっくりと生き物を観察する事ができるように設計されています。

フロアに座ってじっくりと生き物を観察



かつて図書室や理科室のあったフロアが展示室になっています。大型の水槽の中にも大きな魚は殆どいません。小さな生き物をつぶさに見る事に焦点が置かれています。



よってビーズの詰まったクッションが水槽前のフロアに幾つも置かれていて、腰掛けて水槽の中をゆっくりと眺めるようになっています。



皆、水槽の前に座って小さな生き物を時間を掛けて眺めていました。とても「ゆるい」水族館です。



規模の大きな水族館であれば、各水槽に人だかりが多く、派手さのない生き物は気にも留められずに素通りされてしまう事が殆どではないかと思います。この水族館ではそんな小さな生き物にスポットライトを当てています。

小さくても不思議な生き物たち



じっくりと観察する機会を与えられると、実は不思議な生き物の多さに驚きを覚えます。これまで見た事のない生き物も沢山展示されています。



こんな鮮やかに赤いエビは初めて見ました。足や触覚の白さが際立ちます。シロボシアカモエビはホワイトソックスシュリンプと呼ばれているそうです。



ユラユラフワフワと踊り続けるオドリカクレエビ。動きがとても可愛らしいエビでした。



比較的大きな水槽内にも身近な川魚が泳いでいます。この水族館の1番人気は2匹のカワウソ。ただ寝ている姿ばかりだったので今回は写真を撮るのを諦めました。

水族館内で靴を脱ぐ!?



館内にあるアーチの入口のある小部屋。ここでは靴を脱いで上がる事になります。



毛足の長いマットに覆われた隠れ家のような部屋。幾つかの水槽と共に天井にはネットが張られた不思議な空間です。



このネットの中央に同じくネットのハシゴがあり、子供はネットの天井に上がる事が出来ます。



部屋の反対側には水槽の下に階段があり、動物の巣穴のように潜り込む事ができます。子供が楽しめる秘密基地のような部屋です。



はしゃぐ子供の中でクラゲが悠々と泳いでいました。この部屋ではやはり子供は生き物そっちのけで遊びに夢中になっていました。

美しい和や面白い知の空間



メダカの泳ぐ水鉢の横に並ぶ壺。苔の壁を流れ落ちる水が滴って、壺に水滴が落ち、中で共鳴して不思議な音を奏ます。まるでオルゴールのようです。



人だかりができているのは、ドクターフィッシュのいる水槽。手の角質を食べて貰いたい放題です。



古い理科室や実験室のような空間も。館内には魚類の図鑑や本も置かれています。

熱帯雨林の空間



エアコンの効いたエリアから一歩足を踏み入れると、ムッとした暑さに覆われます。熱帯雨林の空間には、リクガメやナマケモノがいます。



まだ湊山に来たばかりなので、電気ケーブルを束ねる天井の器具に掴まって丸まっていました。



小鳥等のいる小部屋もありますが、まだ一般公開されていませんでした。



鎖には小さなカメレオンが張り付いていました。



この部屋に入れるにはもう少し時間が掛かりそうです。



錦鯉溢れる池ではエサやりができるようになる予定です。

アクアリウムショップ



退館前のスペースはグッズを購入できる小さなアクアリウムショップ。マスコットのカワウソのぬいぐるみも売っていました。

 

課題はリピーターを獲得できるか



NATURE STUDIOを代表する施設として開業したみなとのやま水族館。市内の他水族館との差別化を図る為、より身近な存在感を重要視し、学校の飼育室のような雰囲気も残すと共に、教育施設の面も併せます。この手のどの施設も直面する課題として、いかにリピーターを獲得するかが運営状況を左右する事になります。この施設の場合、学校や保育園の遠足先としての活用も考えられそうですが、問題はその料金。大人1,200円、子供600円の入館料は家族総出となると、軽い負担ではありません。年間パスも用意されているので、この獲得数を増やすべく営業努力が必要とされるでしょう。頑張って欲しいと思います。

https://minatoyama.jp/
みなとやま水族館 公式サイト
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POSTED COMMENT

  1. Shiro より:

    アトアが入館料2,400円で期間限定販売した年間パスポートが24,000円。それに比べると入館料1,200円で年間パスポート3,000円がとてもお得に感じます。
    もちろん、規模も違いますので比較にならないかもしれませんが、1年で3回行けば、モト取れるし、近くの公園に行くくらいなら、年パスあるから「みなとやま」行こうか!ってなりますね
    上手い値段設定です。
    飽きない工夫を期待したいです。

    • しん@こべるん より:

      内容的にはもうすこし値段を下げて欲しいとは思いました。垂水のさかなの学校は公営というのもありますが、無料です。やはり維持管理と最近のインフレ、燃料費高騰では致し方ないのかもしれませんが。

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