神戸市は兵庫区の市立湊山小学校跡地の再整備について、公募型プロポーザルを実施し、村上工務店とティーハウス建築設計事務所で構成するグループが開発事業者に選定されました。この2社は東遊園地の賑わい拠点施設「アーバンピクニック」の整備も手掛けています。
示された再整備プランは一部の既存校舎を活用し、複合機能を与える地域の賑わい拠点とし小学校を再生するという内容でしたが、一部校舎の解体や既存建物の改修工事が進められており、既に4月1日に一部の機能を稼働させたプレオープンを行なっています。施設名は「NATURE STUDIO」に決定しました。
プロポーザル時のイメージです。西側の校舎は解体し、北側と東側の体育館を改修して再活用する他、校庭は複数のテーマを与えた広場として再生、駐車場を整備しながら、新築建物も建設するという内容でした。
校庭だった場所を森のひろばとして改修し、新旧4棟の建物がそれを囲む構成です。
校庭内はまだ整備工事が進行しています。ピクニックガーデン、ニジマス釣りができるフィッシュポンド、マーケットヤード等が整備される予定です。
校舎や体育館の改修工事はほぼ完了しており、内部で開業を予定している施設の内装工事・開業準備が進められています。
最も注目度の高い施設は体育館だった建物です。
「EAST」と命名された建物には1階に「みなとやま水族館」、「Garden Kitchen」、2階にフードホールが開業する予定で、「マンドリルカレー」、「あら、りんご。神戸ファクトリーショップ」、「Open AIr(ビアカウンター)」の出店が決定しています。
フロアマップと施設レイアウトです。
施設のプレオープンに伴って、敷地西側の専用パーキングは既に開業しています。
開放的な空間が広がっています。駐車場は南側にも確保される予定です。
雪見御所跡地の石碑が駐車場入口にシンボリックに鎮座しています。
新築予定だった建物群はすぐには着工する事はないようです。プランが策定されたのはコロナ前なので、施設計画は大きく変更を余儀なくされたものと思われますが、将来的には敷地に余裕を持たせておいて、増築する事は可能かと思われます。
校舎の一部だった「NORTH」はファサードをフレームグリッドと呼ばれる多用途可変型のユニットで覆われています。NORTHとEASTの間は2階レベルでデッキが新設されて接続しています。NORTHの中にはハーブショップ、保育所、そしてビールの醸造所までもが備わります。
フレームグリッドはこのNATURE STUDIOのシンボル的なアクセントになっています。
村上工務店がこの湊山小学校の再生を手掛けているのには同社代表の村上豪英氏の母校という事で強い想い入れがあったようです。同氏はローカルデベロッパーの代表として、神戸市のプロジェクトへの参画を強める他、パブリックスペースの活用にも力を入れており、積極的に神戸のにぎわいづくりに貢献しています。
みなとやま水族館を含めた施設全体のグランドオープンは7月を予定しています。廃校になった小学校が地域の複合にぎわい拠点に変貌する事で、今後の廃校となる学校の跡地活用に一石を投じる事になりそうです。同様の前例として、旧北野小学校を活用した体験型観光スポット「北野工房のまち」がありますが、この施設はコト消費を中心とした複合施設としてファミリーの人気を集めるものと思われます。
NATURE STUDIOがプレオープン!市立湊山小学校跡地再開発プロジェクト 7月にグランドオープン予定
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