雲井通5丁目再開発を推進する為、勤労会館は6月30日を以て閉館。内部の機能の一部は市役所3号館跡に建設された新中央区総合庁舎・中央区文化センターに移転しましたが、三宮図書館については、小野浜町のKIITO デザイン・クリエティブセンター神戸内に仮移転し、再開発ビルが完成し次第、再び雲井通へと戻る予定になっています。
移転準備が進めされていましたが、遂に7月26日に「KIITO三宮図書館」が開館しました。
KIITO デザイン・クリエティブセンター神戸は一般にも広く開放されている文化・業務施設で、市民を交えたセミナーや講習等も頻繁に開かれています。しかしそれでもこれまであまり足を踏み入れる機会は多い訳ではなく、特定の目的を持った人しか訪れない場所といった印象がありました。
しかしKIITO三宮図書館が開館した事もあり、今後、これまで以上の市民がこの施設の存在を知り、興味を持つキッカケになる可能性が高まってきました。
三宮図書館へは西側のエントランスを入って館内1階中央部のエレベーター・階段で2階へとアクセスする事になります。
装いと場所を新たにした三宮図書館。5年間限定のウォーターフロントに存在する唯一の図書館となりますが、将来的に大倉山の中央図書館もウォーターフロントエリアに移転するのもエリア活性化の一案かと思います。
エントランスには「KOBE SANNOMIYA LIBRARY」のデザイン壁がお出迎え。やはりKIITO内に開館しただけあって、そのデザインには拘りを随所に散りばめているようです。
雲井通に再開館する際には「世界一美しい図書館」を標榜する事を目標としています。この暫定図書館はそれに向けた実証実験的な意味合いも持つのではないでしょうか。
全面板張りのフローリングでフラットな1フロアは床面積1,000平方メートル。勤労会館内の旧図書館は660平方メートルだったので、大幅に拡大し、余裕のある造りとなっています。
館内で最もシンボリックなエリア。まるでオブジェのような球体本棚を中心として、背の低い本棚を配置したキッズスペースです。
シックにアッシュブラックで統一した本棚を入り組ませて配置したフロアは迷路感覚で遊び心があります。奈良県立文化センター内の蔦屋書店を思い起こさせました。
大丸須磨店内にオープンした名谷図書館は暖かみのある雰囲気でしたが、三宮図書館はスタイリッシュなインテリア・家具店のような雰囲気があります。
天井は剥き出しでレールや配管を見せるデザインです。
主役はあくまでも本ですが、この内装を楽しむ事だけでも訪れる楽しみがあると言えます。
広めに床をとった新聞閲覧コーナー。
「Co Readingルーム」と名付けられた事典類やビジネス関連書など、本を参照しながらの調べものや読書ができるスペース。
個人でもグループでも読書や学習に利用できるスペースは24席。
ニッチと呼ばれる壁に造り付けらた読書ブースのあるコーナーも面白いです。
「NEST」と名付けられた少人数で読書に集中できる小さな閲覧スペースもあります。全体的にプライベート性を重視して、読書に没頭できる空間造りに重きを置いた仕掛けがふんだんに盛り込まれている印象です。
この仮図書館で培われた経験や実績は、新三宮図書館のみならず、これから整備される新しい全ての図書館に活かされる事でしょう。
図書館前のスペースはKIITOにまつわる資料やイベントなどのちらし等、レトロ感のあるギャラリースペースになっています。
ユネスコデザイン都市に指定された神戸市。このセンターがデザインアクティビティの先端拠点になって、様々な活動が行われています。建築や商業デザイン等の設計会社も多く入居しています。
1階のイベントスペースであるKIITOホール前の休憩スペース。
自動販売機前のベンチも遊び心に溢れたKIITOの文字。
クリエイティブラウンジは読書や休憩にご利用いただけるテーブルスペース、リモートワークなどにご利用いただけるデスクスペース(16席)、カーテンで仕切られたミーティングスペース(3室)があり、企業交流によるイノベーションの創生も期待できる場です。
KIITO前にはポートループも停車します。三宮図書館をここに移転させたのは、ポートループの利用者増も目的の一つと考えられます。
KIITO前では大型倉庫の解体工事が進行しています。既に倉庫自体の姿は無く、撤去工事は間もなく完了を迎える事になります。
この土地をどう活用するのか。新港町東地区の再開発に備えて先行して、土地の確保に動いています。前述の中央図書館の再整備・移転先候補として検討してみるというのはどうでしょうか。
KIITO デザイン・クリエティブセンターに神戸三宮図書館が仮移転 KIITO三宮図書館が開館
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