元町

JR元町駅バリアフリー化改修は県庁再整備抜きに進める事は可能か?  



JR元町駅は一日の乗降客数が約9〜10万人で推移していましたが、2016年から下降トレンドに入り、コロナ前の2019年には7.1万人にまで減少していました。それでもJR西日本管内では尼崎駅に次ぐ18番目の順位に位置する規模の駅であり、快速電車も停車します。



しかしながら現状、バリアフリー化は西口のエレベーター1基のみに留まり、高架駅の長い階段の上り下りを強いられています。芦屋駅についても新快速停車駅にも関わらず、最近の駅舎リニューアルによってようやくホームにエスカレーターが設置されているところです。

元町駅のバリアフリー化については、兵庫県庁や元町駅北側エリアを含めた再整備の一環として検討されていましたが、兵庫県庁の建て替えが白紙撤回され、元町のまちづくり構想も不透明なままコロナ禍の中、時間が経過していました。

しかしながらようやく今年5月になって「元町周辺まちづくり研究会」が発足し、第一回研究会が開催されました。議事内容は以下です。

  • 県庁周辺県有地の土地利用について
  • JR元町駅西口周辺のバリアフリー化及び南北の回遊性向上について
県庁については、県庁1・2号館を撤去し、跡地を暫定的に緑地として活用する方針が既に報道されていました。

一方、元町駅西口のバリアフリー化や南北の回遊性向上についての言及は皆無でした。

バリアフリー化については、3つの検討案が示されていましたが、その中のB案と呼ばれる案を推進していく事が方針決定しています。この案では、2階に新たな床を構築した上で、新改札を設置。1-3階に連続したエスカレーターを新設し、更新される市道若菜神戸線を跨ぐ歩道橋に接続して、駅と元町駅北側との動線を強化するという改修内容です。



現在の元町駅西口北側の動線は土地の高低差によって生まれた阪急電車の通る壁と高架に挟まれた薄暗い通路を経て、階上へと続く階段へアクセスしています。



元町駅の高架下も目下、耐震改修工事が進めらており、高架下の店舗は撤去が行われたので、前述のB案によるバリアフリー化と商業施設の新設計画を進めるには絶好のタイミングです。



高架下の一部にはまだ幾つか店舗が残っています。



この場末の半地下のような通路が元町の新たな玄関口として、再整備されると、乗降客数に見合った機能と景観が付与される事になります。



県庁や県警本部へのアクセスアプローチである歩道橋。傾斜は緩やかではあるものの、老朽化は激しく、周辺の歩道も狭い為、とても都心駅の駅前という状況ではありません。



デッキの更新は必須ですが、この元町再整備の旗振り役は、県庁の建て替え計画がメインにあった為、これまで兵庫県が勤めてきました。



しかしながら、兵庫県庁舎跡地が緑地となると、元町エリアの再整備はどこまで集客性が高められるのかについては不透明性を増す上、リモートワークが進められると、通勤する職員数も減るので、元町駅利用者も減少する可能性があります。県庁という柱が抜けてしまったので、元町再整備も骨抜きになってしまいました。県庁として活用しないのであれば、民間事業者による有効利用促進策の立案を進めるべきかと思います。



現在、元町駅の高架下は耐震改修の為、完全にもぬけの殻状態になっており、今後、JR西日本が元町駅をどのように再整備していく方針なのかも現在は定かではありません。



また利用者数を考慮すると、東口の方が圧倒的に多くの人々が利用しており、どちらかと言えば、バリアフリー化はこちらの方が優先されるべきなのではないかと思われます。西口の改修はあくまでも県と市の研究会案であり、当事者のJR抜きには進める事は出来ません。改修費用についても公金注入が無ければ計画が進む事はないでしょう。
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POSTED COMMENT

  1. かく丸 より:

    斎藤知事は何を考えているのかわからない。県庁はシンボル的存在なのに、1号館、2号館取り壊し後、緑地化だと。せっかく元町活性化のチャンスなのに。元町周辺は昭和のまま。札仙広福のスピード感ある再開発や大阪のすさまじい民間投資を見るにつけ、神戸は何も進まない。人口も減り続けている。
    県政に何のビジョンも持たない斎藤知事には即刻辞めて頂きたい。
    県、神戸市、JR西日本が協力して、スピード感を持って元町周辺の活性化、再開発を進めて欲しい。

  2. kkbb より:

    久元神戸市長:景観眺望条例によるビル高さ規制、都心タワマン規制
    斎藤兵庫県知事:兵庫県庁舎建て替えによる元町再整備の凍結
    高島芦屋市長:JR芦屋駅前再整備の見直し
    この三人は東大出身者で頭がいいのは分かるんですが殿上人感覚で地域行政を取り仕切ろうと考えていることが問題なんじゃないかと思います。
    三人ともプライド高そうで融通利かなさそうです。
    理念や理想の高さで現実問題、兵庫神戸の衰退と斜陽ぶりが解決できないのは目に見えています。
    このままでは規制の緩和、撤廃で民間企業の投資を次々呼び込んだ大阪の一人勝ちが続くでしょう。
    このことに気づいた京都が規制緩和に動いていると言うのに、サヨク団塊世代の最期の牙城となった兵庫神戸を救うヒーローはいつ現れるのでしょうかね。

  3. 神戸太郎 より:

    上記の方々に同感です。
    県庁取り壊しの跡地が緑地とは…。
    どんどん勢いよく民間投資を呼び込み開発が進む大阪と目と鼻の先の神戸。本当なら、神戸空港国際化をゴールにいくらでも開発誘発のチャンスはありそうだし、大阪と双子のツインシティになれるはずなのに…。

    こうなったら、県庁→元町駅→元町商店街→メリケンパークまでをつなぐ「大開発」のための準備期間であることを祈るばかりです…。

  4. EYESTAR より:

    希望的観測をすれば、日本維新の会推薦で就任した
    斎藤知事が手掛けるプロジェクトとして、
    解体した兵庫県庁舎跡地には大阪維新の代表的な
    緑地化プロジェクト、天王寺公園の
    「てんしば」のような賑わい空間を整備するのではとの
    見方も出来ますね。
    行政の支出を減らし自治体運営を効率化し、不要な建物や
    土地を有効活用することが党是なのでしょうし、
    県職員のリモートワーク化もその一環ではないかなと。

    ただ、神戸市側が神戸空港の国際化を受け、今後の都市活用
    需要を見越した上で、これだけ急ピッチで再開発を進める
    現状と比して県対応の腰の重さを見るにつけ、
    歯がゆい思いがよぎることは確かではありますね。

  5. sirokuma より:

    コメントにイイねボタンが欲しいですね。

    神戸市兵庫県の再開発については皆様のおっしゃる通りですね。
    JR元町駅のバリアフリー化は、同時かそれが無理なら先ず東口でしょう。観光客等の来神者が利用するのもここがメインでしょう。それなのに、エスカレーターどころかEVも無いノンバリアフリーの大都市の駅舎としては全く酷い仕様です。
    現計画だと県庁や県警等の官庁職員が自らの利便性を優先させているような計画に思えますね。

  6. カン より:

    斎藤知事にビジョンは見えない?とんでもない
    兵庫県の弱体化と解体という明確なビジョンがありますよ。
    最初に維新知事が登場したときはどうなるかと思っていましたが、想像以上に赤裸々に兵庫県解体を進めていますね。
    早速小野市が県庁移転を求めて名乗りを上げました。維新にとって目の上のたんこぶだった兵庫県と神戸市の弱体化は着実に進んでいます。
    危機感のない方々が多そうで逆に驚いています。

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