先週、タワークレーンの登場によって解体撤去工事の本格化をお伝えしていたJR三ノ宮駅の駅ビルである三宮ターミナルビル。このまま建物全体が足場に覆われるものと思われていましたが、なんと東側にも更にもう1機のタワークレーン設置が始まりました!
設置済みの西側の1号機で東側の2号機の組み立てを進めています。
2機のタワークレーンは建物南側低層部を貫く形で立ち上がっています。
まるで再開発が本格化したような錯覚を覚えるかのような光景です。まさかこんなに早く三ノ宮駅にタワークレーンが聳えるとは思いませんでした。これが解体でなくて新駅ビルの建設だったらとしみじみ思います。またどこかで見た光景だと思っていたら・・・。
三宮ターミナルビルが建設途上だった1978~80年には全く同じ場所にタワークレーン2機が設置されていたのです!従って同じ場所にタワークレーンが設置されたのは決して偶然ではないのかもしれません。いずれは訪れる解体(実際には竣工から39年後)を見越した設計になっていたという事なのでしょう。
今週の作業予定です。3、5、6、R階の解体工事とありますが、現状は内部の躯体には無関係の壁を主にした解体でしょう。タワークレーン2号機の組立も今週いっぱいの作業を予定しています。また北面の仮設工事が予定されています。先週の土曜日は工事を行っていましたが、今週は2連休となる模様です。建設工事現場でも働き方改革が浸透し始めているのでしょうか。
北面はまだ足場が設置されていません。JR三ノ宮駅に接するこちらは夜間に徐々に足場を手作業で組むのかと思っていましたが、南面にタワークレーンを設置した上でこれらを使って北面の足場設置を行うようです。なるほどこの方法は安全でより効率的です。
来年早々には交通センタービルの背後に神戸阪急ビルのタワークレーンも登場するでしょう。三ノ宮駅周辺にタワークレーンが複数林立する様子が眺められる事になります。その頃には新しい駅ビルの概要が発表されているとその光景をより楽しむ事ができるでしょうね。
JR三ノ宮駅の計画概要は普通ならとっくに発表されるべきところですが、ここまで解体が始まっている現在も一切発表されないまさかの展開が続いています。昨年の9月ごろ「現在JR西日本と大詰め…」と市長のコメントがあってからもすでに8カ月経過していますので大きな見直しがあった事が想像できます。
神戸市自身の上位計画が曖昧で指導力を欠いていそうな事は何度コメントしましたが、ここまで来たら反対にこの先多少遅れても納得できるものを発表してほしいと思います。
都市・交通インフラを大胆に整備強化し、都心の整備と神戸空港の将来にセットで大きく絡むプロジェクトですからなおさらの事です。
ポートライナー三宮駅舎との整合については神戸空港の旅客輸送の在り方を大局的に見据え神戸市得意?の姑息な手段に終わらないように願いたいものです。ポートライナー8両化などの対応をしても近い将来再び輸送能力不足になるでしょうから根本的な輸送増強策が必要です。
大都市圏の南端に位置する関空と比較しても優れた潜在能力を持つ神戸空港は規制緩和・国際化に伴い将来数千万人の旅客を扱う大空港に育つことが関西圏再浮上の鍵でもありますからいずれ地下鉄の新線もしくはポートライナーの再編(空港新線)が必要になってきます。現駅舎の位置ではいずれにしても限界が来そうです。
このように考えるとJR三ノ宮駅を含む再開発は姑息な短期完結型よりもむしろ段階的整備であっても今後の大胆な都市戦略を神戸市がしっかり描けるなら、大型化する神戸空港の将来像にマッチする内容であることが最も重要です。
そうであれば「JR三ノ宮駅改造計画 第1期工事」という位置付けでも構わないと思えてきました。
仰る通り、ポートライナーは8両化してもスピードが速くなるわけではないので、三宮から神戸空港への交通手段としては不適切です。
毎回申し上げて恐縮ですが、ポートライナーはポートアイランド内と三宮を接続するための交通機関であり、空港と都心を結ぶべき交通手段ではありません。
前に、しん@こべるんさんがご提案なさっていたロープウェーの路線に準ずる形で、生田川沿いを中心に新神戸―三宮東(雲井通の新バスタミナール下)ー神戸空港の地下鉄を作るのはどうでしょうか。
こうすれば、新幹線ー長距離バスターミナルー空港が至近距離で1本の地下鉄で接続される日本でも有数の街になるのではないでしょうか。
さらに阪急と神戸市営地下鉄との乗り入れを新神戸で接続し、阪急が西神山手線方面と神戸空港方面に分岐するようにすれば大阪と鉄道での直接接続も可能になります。
ここまで来ると、神戸空港が伊丹空港の国内線基幹空港の地位の継承が現実的になります。
ちょっと飛躍しますが、新神戸ー三宮-神戸空港に次いで、以前コメントした際に言及した「ひょうご基幹道路ネットワーク」にもある神戸空港―関空の地下鉄として延長できれば、近畿圏における神戸の重要性は飛躍的に上がるものと考えます(大阪よりも関空から近くなります)。
姫路城、城崎温泉、有馬温泉などの兵庫県の観光地を目指す海外からの観光客だけでなく、最近ミシュランでも取り上げられた瀬戸内の島々への観光にも神戸が窓口になれるかもしれません。