解体撤去工事の進むJR三ノ宮駅の三宮ターミナルビルは現在、4階の躯体を解体しています。同時に南側に接続している歩行者デッキの撤去工事も開始しました。
デッキの解体はまず駅前広場中央にあるデッキ花壇を先行させています。下部は覆っていたパネルは全て剥がされて鉄骨が剥き出しになっています。
デッキ花壇に降りる為にあった二つの階段も解体されて無くなり、デッキの上もコンクリートが剥き出しになりました。
そして遂にデッキのコンクリートを一枚ずつ解体し始めました。このデッキは田の字に組まれた鉄骨フレームの間の部分にコンクリートの床を一枚一枚嵌め込んだ構造をしています。
コンクリートの床が撤去された部分は穴が空き、青空が見えています。こうして全ての床を抜いた後に鉄骨のフレームも外し、最後に外枠と柱を解体して撤去が完了となります。その次はビルに接している部分のデッキに取り掛かる事でしょう。
さて未だ判明しない新駅ビルの概要ですが、3月に発表された神戸市の今年度予算案資料にJR新駅ビルと駅前南側広場が並列された上で、今年度中の都市計画決定とスケジュール表に示されていました。この根拠が分からなかったのですが、直近3月17日に開催された「未来都市想像特別委員会」にて行われた答弁で明らかになった新事実があります。
委員会で河南市議がJR新駅ビルについての進捗の回答を求めたところ、神戸市の中原都市局都心再整備本部長が、「JR西日本と神戸市の間で2020年度中に新駅ビルの都市計画決定を目指す事に合意した」と明らかにしました。具体的に今年度のいつなのかは示されませんでしたが、市としても駅ビルと駅前広場を同時に都市計画決定する方針のようです。この決定が実行されれば、自ずと新駅ビルの概要も示される事が自然です。既存ビルの解体も来年5月には終わるので、解体前のタイミングとしては今年度しかありません。
しかしながら足元ではコロナショックによる鉄道乗客数減やホテル利用者減がJR西の経営基盤を揺るがしており、大規模な投資についても懸念が生じる可能性があります。今週の日経新聞に「JR西、コロナで揺らぐ軸 訪日客依存 戦略に不安」という記事が掲載されました。
JR西日本の成長モデルが揺らいでいる。訪日客の人気が高い地の利を生かした戦略を描いていたが、新型コロナウイルスの感染拡大でアジア客の懐が痛み、歯車が止まりかねない。
〜中略〜
関西の私鉄各社の売上高は不動産など運輸以外が占める比率が6割弱〜8割。JR西の非運輸部門の比率は約4割だ。23年3月期までの5年間の中期経営計画ではホテルや商業施設など非運輸部門を拡大。全体の売上高を1兆6300億円と9%伸ばす目標を掲げている。そこにコロナによる暗雲が漂う。倉坂昇治取締役は設備投資について「必要性やスケジュールを改めて検証する」と強調する。車両更新など安全に必要な投資は削れないこともあり「大幅な減収が秋以降も続けば、中期的な経営計画についても練り直す必要が出てくるだろう」と岩井コスモの有沢氏は指摘する。
〜中略〜
営業範囲の広いJR西は地方の不採算路線の維持に新幹線と京阪神地区で得た利益を使ってきた。インフラを守るためにも、コロナ後のライフスタイルに合わせた不動産やホテルの開発が求められている。
都市計画決定にようやく合意ができていたとしても、コロナによる影響が長引けば、この合意も絵に描いた餅にしかなりません。神戸市は根本的に民間企業の開発について求める姿勢を改めて考え直す必要があり、一部の有識者による考えに基づく景観規制の押し付けを一刻も止め、民間事業者がより自由に投資拡大に舵を切れるような制度を導入するべきです。
新型コロナウイルスの被害からどう立ち上がるかについては、かなり難しい問題ですね。神戸市としても、今年は中小事業者救済が主要な課題になるでしょう。停滞が長引けば全体的に計画が一年ほど遅れるのもやむを得ないかもしれませんね。
今後、神戸市や兵庫県はどうすれば良いのでしょうか。まず、兵庫県は変なプライドを捨てて、大阪のようなコロナ追跡システムを早い時期に導入してほしいところです。
新型コロナウイルスの影響で、都心ほど便利ではない郊外についても、拠点駅周辺についてはしっかり投資すべきという流れに変わっていくと思います。ある意味、神戸市にとって比較的有利な状況だとも言えます。ただ、成功の条件としてIT技術の活用があげられると思います。たとえ人の移動が減っても、情報技術によって都心部と郊外が連携できるような街づくりを神戸市にはしてほしいと思います。
今後1年程度の経済状況で判断すると、将来に禍根を残すことになると思います。
待ち望んでいた「都市計画決定か?」のニュースはうれしい限りですが、ビルの規模、内容の詳細決定は先送りにした方が良いでしょう。
府県を跨ぐ通勤は控えるということが「新しい生活様式」になれば関西の大阪(梅田)一極集中に少しは歯止めがかかるかもしれません。ただそれが関西の成長にブレーキをかかることになったら元も子も無くなります。
神戸がかつてのように関西経済の一翼を担えるようになれるのかが問われます。
コロナ追跡システムなんかに金をかける必要は全くないです。
なぜならインフルエンザも同列に扱う必要があるからです。
1自治体が全ての自治体のシステムを管理できるのでしょうか?
みんなやらないと意味がない話をするのはただの点数稼ぎです。
都市生活において、クラスターや同時発生場所の特定はできても、どこから媒介されたかを特定することはもはや不可能だからです。予算をそれで降ろすならご勝手にというところです。
予算よりも永続的に活動したいならなら時間と場所の確保です。
築き上げたモノを壊しかねることがあれば、
また社会が混乱します。
というより都市生活を営んでいる以上、
リスクを最小化出来ても
リスクは完全に無くなるわけがありません。
ですので、ただただ今は「忘れる」ことに
尽きます。秋が来たら準備をし始め
冬になればその時から「構え」をすればよいだけです。
風邪をひかないように
基礎体力を高めることに尽きます。
こべるんさんもご自愛下さいませ。
アフターコロナの社会の在り方として大都市都心への過度な集中がリスクであることが顕在化しました。またアメリカなどで1980年代から2000年代初頭の間に生まれた世代は「ミレニアル世代」と呼ばれていますが、彼らは旧来の都心ビジネス街で働く事を好まず、「職・遊・住」同時に満たされる場所を好むと言われています。
最近ニューヨークに完成した「ハドソンヤード」と呼ばれる最新鋭の巨大都市開発はオフィス・SC・劇場・コンドミニアムなどの複合開発ですが、「ミレニアル世代」を意識して開発したものでもあります。ウオール街やマジソン街・パーク街など旧来のビジネス街を好まない世代を意識した新ビジネス拠点です。
「ミレニアル世代」は日本でも将来を担う人口として注目されていますがまさに神戸の都市開発もこの世代を意識するべきです。「職・遊・住」のバランスは神戸の優位な部分ですから今後さらに選ばれる都市となるためにはAクラスの新築オフィスビルの供給が重要です。新駅ビルには最新のオフィス機能を導入していただきたいと思っています。東京丸の内や大手町のオフィス街あるいは大阪梅田や淀屋橋などに過度に集中して勤務することに比べ、海・山に近く都会で洗練された三宮の高層オフィスビル勤務は「ミレニアル世代」を中心にこれからの価値観に合うものと考えます。