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今年10月にJR西日本、神戸市、都市再生機構の三者による共同会見が開かれ、JR三ノ宮駅の駅ビルを中心とした周辺再整備について三者協定を締結した事を発表しました。新駅ビルの概要は高さ160m、延床面積10万平方メートルの規模となり、商業施設、オフィス、ホテルという構成である事が明らかにされていますが、神戸新聞とのインタビューにてJR西の長谷川社長が、新駅ビルについての意気込みを語りました。
最上部に位置するホテルについては、宿泊特化型を想定しているようです。JR西日本グループが運営しているホテルブランドはJR西日本ホテルズのホテルグランヴィア、ホテルヴィスキオやJR西日本ヴィアインがあります。グランヴィアはバンケットやその他付帯施設が整う総合ホテルなので、宿泊特化型の場合はヴィスキオの可能性が高まります。現在、建設中の広島駅ビルの中核施設もヴィスキオを予定しています。
ただ長谷川社長は「基本的には宿泊型のホテルになる。その中で程度の高いものをつくっていく」と述べている事から、三ノ宮にはヴィスキオの上位となるような新ブランドを投入する可能性もありそうです。
また低層部の商業施設については、「それなりの規模にし、地域の一番店を目指す」と強調しました。地域一番店となると、現状は大丸神戸店を指します。同店の売上規模は2020年で774億円。売場面積は約5万平方メートル。これを越える売上を上げるには少なくとも4〜5万平方メートル以上の規模を想定していると言えるでしょう。こうなると、大丸以上に戦々恐々となるのは、JR新駅ビルの目の前に位置し、来年に50億円以上の投資による改装を実施予定の神戸阪急です。JR新駅ビルの計画に伴って、建て替えを含めた本格的な対抗措置を取る戦略転換を迫られる可能性があります。
大阪で繰り広げられた百貨店建て替えによる群雄割拠の発端はJR駅ビルに出店したジェイアール三越伊勢丹でした。JR新駅ビルが地域一番店を目指す場合、大丸、阪急が対抗戦略による投資を図る事態に発展すれば、神戸の都心商業地図は大きく書き換わる可能性があります。この変化のうねりは三宮センター街や元町をも巻き込み、最終的には広域圏における神戸の商業力の底上げに繋がるかもしせれません。しかしコロナや流通構造の変化が進み、各鉄道事業者や百貨店の資金力が大きく細っている中で、仕掛けるJR西の大胆な野望に対してライバル他社がどう動くのか。来年には発表されるであろう新駅ビルの具体的な内容判明以降、目が離せない状況が待ち受けていると言えます。
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個人的にはもっと高さがあって渋谷スクランブルスクエアのように高層部に展望台やカフェ、ワーキングスペースがあったり、堀当てた温泉やサウナなど高層からの眺望と楽しめたら最高なのにと夢見ていました。
10万㎡の床面積を物販店舗、オフィス、ホテルに按分するわけですが、フルラインの都市型ホテルを組み込まないのであれば、寧ろ宿泊型ホテルの面積は最小限にして、物販店舗床やオフィス床を充実して欲しいところです。このエリアで地域一番店を目指すためには駅ビルのメリットを考慮しても3万㎡~4万㎡の売場面積は欲しいところです。物販店舗床をグロスで6万㎡近く確保出来れば3万㎡以上の売場面積を確保出来ます。
またオフィスについては新ビル足元から将来国際空港となる神戸空港にアクセス20分程度の好立地ですのでオフィス床を最大限確保するためにはホテルは敢えて組み込まなくてもいいと思います。宿泊型ホテルはエリア内に充分ストックされています。あとは分りやすいアクセスの半屋外展望フロアが中層部や高層部に組み込まれれば理想的です。
三ノ宮駅周辺にはビジネスホテルこそ多数あれ、シティーホテルは皆無なので、館内の回遊を期待する意味でも部屋数が少なくてもそこそこのクオリティのホテルも必要かと思われます。ただ新設バスターミナルのホテルと競合の可能性もありますが、立地は神戸随一になりますので勝算はあるかと。温泉も湧いたので、高級スパのある都市型リゾートホテルも面白いでしょう。
地域一番店とは三宮地区だけでなく元町も含んでいるんでしょうか?
大丸も含んでの一番店なら百貨店業態を入れないと難しいかもしれませんね。家電量販をテナントに入れて売り上げを稼ぐ手もあるかもしれません。
どちらにしても発表が楽しみです。