JR三ノ宮新駅ビル

JR三ノ宮新駅ビルは高さ160m・延床面積10万平方メートルの超高層複合ビルへ!! 2029年度の開業予定



5日午後2時にJR西日本、神戸市、都市再生機構が共同の臨時会見を開き、JR三ノ宮駅の駅ビルを中心とした周辺再整備について三者協定を締結した事を発表し、構想されている新駅ビルの規模や構成についての概略を示しました。

JR西日本最高層の160m x 10万平方㎡の超高層複合駅ビル



計画によると、新駅ビルの高さは160mで、JR西日本が開発する建物としては最高層となり、延床面積も10万平方メートルを想定。雲井通5丁目に計画されているバスターミナルI期ビルとほぼ同規模の建物になる予定です。



建物は低層部を「多様な文化に触れらられる等神戸の魅力を体感できる空間を備えた商業施設」、中層部に「多様な働き方を提案する快適な空間を提供するオフィス」、高層部を「豊かな自然等神戸ならではの魅力を体感する滞在を約束するホテル」をコンセプトとした構成です。



新駅ビルは現在の南側駅前広場約12,300平方メートルの南西半分を使って建設し、残りの北東半分に待ち合い・イベント機能を付与した新たな駅前広場の整備も検討しています。

駅ビル内外に周辺施設やエリアとの接続・乗り換え動線の整備を図り、回遊性を高めて、三宮再開発の「要」として、シンボリックな機能と景観を兼ね揃えたランドマークタワーとなります。新駅ビルには「神戸らしさ」を感じられる外観デザインを備えた建物を想定しています。

新駅ビルと共に整備される駅周辺施設を繋ぐ新たな歩行者デッキネットワークについても既にコンペによって中央復建コンサルタンツ/安井建築設計事務所/ジェイアール西日本コンサルタンツのデザイン設計案が選定されており、ビルの建設と歩調を合わせて建設が進行する予定です。

駅ビルの開発が進むと更に三宮クロススクエアの初期段階として計画されている駅前の中央幹線の車線縮小と歩道拡大・広場化も同時に整備が行われます。



新駅ビルの今後のスケジュールですが、来年度に設計に着手し、23年度に着工。6年の工期を経て、8年後の29年度に完成する予定となります。今年度の都市計画決定は更に延期される見込みで来年を目途にするものと予想されます。

設計の進む来年中頃には更に具体的な計画が発表されるとの事で、本当のXデーは来年に持ち越しされる見込みです。この時点で完成予想パースや各施設の面積や内容の詳細が判明してくるものと思われます。

 

完成時期は8年後の2029年は長い?

まずはJR新駅ビルを巡ってのこれまでの経過・動きをまとめました。

 

2011年1月: 神戸新聞が「JR西日本が市の要請を受けて、JR三ノ宮駅の改修と三宮ターミナルビルの建替えを検討」と報じる。
2011年4月: JR西日本が17億円を投じて主に東改札付近を対象とした三ノ宮駅構内の改良工事実施を発表。
2011年10月: 三ノ宮駅構内改良工事着手。
2012年5月: JR西日本真鍋前社長が就任会見で「JR三ノ宮駅ビルについて「具体的なプランはない」と述べる。
2013年2月: 産経新聞が「三宮ターミナルビルについて、隣接地を活用した増床・建て替えする案がある」と報じる。
2013年3月: 朝日新聞が「新駅ビルは高さ160メートル前後の複合商業ビル、事業費は約400億円、2021年度の完成」を報じる。
2013年3月: JR西日本の中期経営計画に「三ノ宮駅の開発の検討」が盛り込まれる。
2014年2月: JR西日本が兵庫県に温泉掘削許可を申請。
2014年3月: JR西日本が神戸地下街の株式約18%を神戸市から取得。
2014年5月: 三ノ宮駅構内改良工事完了。
2015年2月: ジェイアール西日本ホテル開発が南側駅前広場で温泉掘削工事を開始。
2015年8月: 温泉掘削に成功。
2016年5月: JR西日本来島新社長が就任会見にて「2018年までに(新駅ビルの)絵姿をお見せできれば」と意欲を示す。真鍋前社長は退任会見にて「何を作るか我々の中では(イメージは)できている」と述べる。
2017年3月: JR西日本が三宮ターミナルビルの閉館時期を2018年3月と発表。
2018年3月: 三宮ターミナルビル閉館。
JR西日本中期経営計画に大阪西・広島・三ノ宮の駅ビルが三大プロジェクトに指定される。
2019年11月: 三宮ターミナルビルの解体着手。
2020年9月: JR西日本がコロナ禍を受けて、新駅ビルの計画見直しを発表。
2021年5月: 三宮ターミナルビルの解体完了。
2021年10月: JR西日本・神戸市・都市再生機構がJR三ノ宮新駅ビルと周辺整備の協定を発表。

非常に紆余曲折の11年の末に辿り着いた今回の発表でした。これから新駅ビルの完成までには更にまだ8年の歳月を経なければならないと考えると、まだ完全に計画に現実味を感じている訳ではありませんが、遂に正式な発表が行われた事は大きな前進である事は間違いありません。

今春に完成した神戸三宮阪急ビルの完成には2016年夏の既存建物の解体から5年を費やしました。旧駅ビルの三宮ターミナルビルの解体にも1年半が必要でした。神戸三宮阪急ビルの4~5倍の規模となるJR新駅ビルの建設にはやはり6年の工期が必要とされるのは必然です。ただ着工時期をできればもう少し早めて欲しいと思うのは私も含めての読者の皆さんの共通の願いかと思います。

何はともあれ当ブログの最大テーマであるJR新駅ビルについて規模やスケジュールが公式化された事は最大の喜びであり、来年中頃のイメージを含めた概要発表を心待ちにしたいところです。小結(神戸三宮阪急ビル)、前頭(神戸市庁舎2号館跡)、大関(雲井通再開発ビル)が出揃いつつも、横綱(JR駅ビル)不在の状況は三宮再開発の芯が抜けた状態と言っても過言ではありませんでした。今回の発表で周辺エリアの開発にも弾みがつく可能性もあります。
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POSTED COMMENT

  1. khm民 より:

    こべるんさんのおっしゃる通り、この発表は神戸にとって大変大きな前進であると思います。確かに工事期間は長いですが、こればかりは仕方のないことだと思います。2029年までの間に再開発も多く計画されていますので、そちらの方にも注目しながらJRの方も見守っておくのが良いと思います、

  2. Uターン より:

    11年の月日が流れるのはあっという間ですね。
    正式発表までに11年。再開発完了に後8年。
    約20年の歳月がかかるのは残念です。
    ともあれ、動き始めたので今後の進展に期待します。

  3. Sannomiya Worker より:

    神戸市とJR西とのチキンレースの結果、放置プレイも有るのかと思われましたが、コロナ禍で鉄道事業が苦境に陥ったJR西と、神戸市長選前にアドバルーンを上げたかった市長の思惑が一致して一気に前に進みましたね。
    8年後と聞くとまだ絵に描いた餅のようにも見えますが、8年後の三宮は今の面影は全く無くなっている事でしょう。今後50年はこれが神戸の顔になると思うとわくわくします。
    規模は十分です。贅沢は言いません。問題は意匠。後出しですから神戸阪急ビルを超えるデザイン、機能美を期待しちゃいますね。

  4. shiro より:

    所業ゾーンはルクア(専門店形態)だけなのか?伊勢丹が梅田のリベンジするのか?(しないでしょうね)
    興味が尽きません。
    これで、阪急百貨店(旧そごう)の建替えも早まるといいですね
    あとは、新神戸と神戸空港や海の交通とのアクセスが便利になれば、いいですけれど。。。
    ポートライナー 新神戸まで延伸ないでしょうか?

  5. より:

    長生きしないと

  6. トライ より:

    昨日はがっかり失望と書きましたが地下の接合に通常ビルより+2年かかると聞き納得しました。 まずはバスターミナルビル楽しみにします。阪急百貨店も改修やめて建てかえてほしい。

  7. 名も無き市民 より:

    もしも景観規制がなければどれくらいの駅ビル規模になっていたのでしょうかね?
    土台が太くて高層部が華奢なビルはあまり好きではないのでせめて外観は拘って欲しい。

  8. HAT より:

    こういう記者発表って具体的な建物の絵姿まで出るのが普通では無いのでしょうか。
    神戸はあまりに遅すぎて、もう一喜一憂するのに疲れました。

  9. tengdong より:

    ポートライナー駅もそろそろ建て替える必要があると思うのですが、こちらはそのままの予定なのでしょうか…一体的な整備を期待したいものです。

  10. 枝豆とビール より:

    いつも愉しみにして、読ませていただいてます。JR三ノ宮新駅ビル&ランドマーク計画発表、なかなか思った以上に良いですね。今のJ西の苦境や久元市長のやる気の無さでは、もっとショボイ箱物、大阪駅や広島駅、博多駅は言うに及ばず、姫路駅にも負けそうな嫌な予感がしていました。
    高さ制限ギリギリの160mは仕方無いとして、それでも高層部は55階クラスは行けそうです。
    こうなると三宮地区の集積に留まらず、神戸市の交通インフラのキモになって欲しいです。やはり阪急+神戸市地下鉄乗り入れを蹴っ飛ばした久元市長には辞めて貰い、まだ間に合うだろうし、乗り入れ推進派の人を選べないでしょうか?(そんな事を主張している候補がいるかどうか、知りませんが笑)。私は新神戸駅からでも三宮〜花隈駅からでも新長田駅からでも構いません。
    神戸空港もLCC乗り入れで良くなって来たのに、コロナ禍で勢いを戻すのは何年もかかります。是非、市長選では市民の利益に与する人を選びたいです。失礼します。

  11. S.Y. Kobe より:

    水面下で延々と調整が続いていたJR三ノ宮新駅ビルの概要が輪郭だけとはいえやっと表舞台で発表された事は長年の鬱積が晴れる気分です。JR西日本と神戸市の両トップと調整役ともいえる都市再生機構西日本トップが揃っての記者会見ですので発表された内容は骨子が変わる事は無いでしょう。

    160mの建物高さは以前から言われていましたが床面積10万㎡は今回初めて目にした数字です。正直言えば15万㎡に近づいて欲しいところですが地方によくある大規模駐車場を含んだ数字では無く、商業施設面積にしてもフルラインの百貨店が出店する時代ではないのでこの程度で充分でしょうか。寧ろ今後都心に最も集積すべきオフィス床を中間層に含んでいますので大変評価できます。このオフィスは将来国際空港となる神戸空港にアクセス20分程度の抜群の立地ですのでなるべく大規模なものを期待しています。

    工期は既存地下街や既存5駅と絡み、連絡動線を切り替えながら工事を行うため長期化は避けられません。2029年度の開業は待ち遠しいですが、それでも先の読めない国内IR施設の開業時期に比べると少しは早そうです。IR開業は2020年代後半目標と言われていますが遅れる事が濃厚です。

    2029年度といえば同規模の三宮バスターミナルビル1期工事完成の1~2年後というところでしょうか。そのころには市役所2号館建替えのタワービルも竣工しているはずですし、並行して神戸阪急や三宮センター街再開発も着手しているかもしれません。神戸復権に向けて期待が膨らんできます。

  12. 神戸太郎 より:

    震災から実に34年目に誕生するJR三ノ宮駅ビル。この発表がなされたことは素直に喜ばしいです。あれこれネガティブなことをネットに書き込んでいる人もいるようですが、震災で阪急三宮のようには壊れなかったJR三ノ宮駅とはいえ、あれほどの被害を受けた神戸都心の復活にはこれだけの時間が掛かった、ということだと思います。他の都市より後れを取ったことは仕方ない。よくここまで来れたものだと思います。
     このJR三ノ宮駅ビルに続いて、阪急百貨店の建て替えや、東急ハンズのビルの復活、交通網の充実(特に神戸空港の国際化)などがどんどんと進むことを期待します(新港町、市役所再開発、バスターミナルビルなどはもちろんのこと)。
     記者会見でも触れられていたことですが、阪急新ビルと新しい広場の完成で、都心が再開発されたらどうなるかが多くの人に実感されたと思います。是非、弾みをつけてほしい。
     そして、「神戸らしさ」を過去の異人館風のレトロなものだけに見出すのではなく、山・海(港)・国際性の3つで未来に向かう最先端のものを作り出してほしいと思います。
     頑張れKOBE!

  13. mz より:

    駅ビル計画の公式発表&大まかな全体スケジュール公開で、三ノ宮駅の再開発が具体的なプロジェクトとして進む一歩を踏み出しましたね。本当に良かったです。

    今回の発表で一番気になったのは、ロータリー上に整備される待合空間です。
    こべるんさんも前々から指摘されていましたが、三宮周辺には人が集まれる「広場」が無いんですよね。
    クロススクエア構想やプラッツ計画は、「広場」の創出を目指しているのでしょうが、前者は実際どこまで広場化されるか謎ですし、後者は小粒過ぎました。
    ロータリー上の待合空間は、ポンチ絵を見る限りかなり広々としていそうで期待が持てます!
    将来的には、大阪駅北側のグランフロントに面した広場みたいに、ちょっとしたイベントを開きやすい空間になってほしいですね。
    (もちろん今回の発表内容がどこまで実際に反映されるかわかりませんが……)

  14. 一神戸市民 より:

    上の方がおっしゃるように広場がないのは三宮の弱点ですね。
    どうもせせこましく、余裕がない。

    やはり北側の再開発でうめきたばりの巨大空間を生み出してほしいものですが、夢のまた夢ですかね

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