三宮駅前及びウォーターフロントをはじめとした再開発機運が高まっている今日、都心最大の商業地区である三宮センター街を一体とした周辺地区の今後を見据えた議論もそろそろ開始されても良いと思います。中でもセンター街の半分を占めている巨大な再開発ビル「三宮さんセンタープラザ」の扱いについては誰もが現状のままで良いとは思っていないはずです。
さんセンタープラザはさんプラザ、センタープラザ東館、センタープラザ西館の三棟構成から成る複合ビルで、最初に竣工したさんプラザはすでに築後、43年を経過し、老朽化が否めない状態です。震災ではオフィス階が屈折倒壊し、建替の議論も展開されましたが、結局は上層階の撤去と補修という形で再開業しました。
これらの建物の改修や建て替えを困難にしているのが区分所有権です。元々この地で商売をされていた方々はこの再開発ビルの建設によって、建物内に地権者としてフロアを区分所有することになりました。分譲マンションと同様にこの建物のフロア内各店舗、オフィス区画は分譲所有されているのです。老朽化したマンション建替を困難にしているのも複数の所有者の賛同を取り付ける必要があるからですが、意見がまとまるのは至難の業です。国はマンションの建替に関してこれまで5分の4以上の同意を必要とする決議条件を3分の2にまで減らす区分所有法の規制緩和を図っています。
しかしながらさんセンタープラザのような非住宅系区分所有ビルの再生検討や法整備はマンションに比べて大きく遅れているのが現状です。今後はマンション建替え円滑化法のように老朽化した商業系再開発ビルの建て替えを促す法の整備が必要とされます。
所変わって、こちらはJR大阪駅前に聳える大阪駅前ビル。さんセンタープラザ同様に区分所有によって構成される再開発ビルです。第1~第4ビルまでの4棟から成り立っています。第3ビルと第4ビルは高さ100mを越える超高層ビルです。70~80年代に順次、建設されましたが、グランフロント大阪をはじめとして、駅北側の再開発によって人の流れが完全に逆転している状況により、これらの再開発ビルの改修や建て替えの議論が活発になっているようです。しかし区分所有の再開発ビルであるが所以に、建て替えや改修に対する考え方や事情は各地権者によって大きく異なり、容易に進むことはありません。
そんな膠着状態に一石を投じる可能性を秘めているのが、81年以前の旧耐震基準で建設された建物に対して耐震化を促進するための法改正です。改正法では「病院、店舗、ホテル等の不特定多数の者が利用する建築物及び学校、老人ホーム等の避難弱者が利用する建築物のうち大規模なもの※1の所有者は、当該建築物について耐震診断を行い、その結果を平成
27年12月31日までに所管行政庁に報告しなければならない。※1 地震に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に適合しない建築物で同法第3条第2項の規定の適用を受けているもので、原則として昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手したもの」と定められています。
大阪駅前ビルは第1~3ビルまでが旧耐震基準によって建てられています。もし耐震診断を受けて、改修が必要と判断されても現法では実際には改修を義務付ける程の強制力はありません。
さんセンタープラザも3棟の建物全てが旧耐震基準で建設されており、不特定多数の人の利用及び大規模であること踏まえると、この耐震診断を受けることは必須ではないかと思われます。しかも同ビルはすでに震災による被害が実証されており、次に大きな地震に見舞われた際にも大きな被害を受ける可能性は高いものと推測できます。
現状は老朽化に対して中長期修繕計画を元にした設備の改修・更新が主な議論となっているようですが、もし耐震診断で改修が必要と判断された場合、建替えという選択肢も再び議論されることを期待したいです。都心商業の活性を推進するには駅前だけの再開発に留めず、必ずセンター街の再開発も最重要視されるべきです。それには老朽化の進むこの巨大な再開発ビルの建替えは今後10-20年以内には避けては通れません。
神戸のグランフロントを目指して、ぜひとも議論を活発化させたいものです。
三宮さんセンタープラザの再開発について
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どうなんでしょうね。
神戸は人気の地方都市ということだけあって、全国的に景気が落ち込んだ時でも他の地方都市に比べると
それ程消費が落ち込まない傾向にありました。
しかし西宮のガ-デンズ等、近隣都市も開発が進んで市場が食い合いになってますし、
地方都市である以上はそう簡単に市場のパイは膨らみませんしね。
ホテルやショッピングモ-ルではなく、テ-マパーク等の観光施設の色合いが濃い内容の開発が必要なのかもしれません。
素人の発想ですがそんな気がしてます。
さすがこべるんさんです。
サンセンタープラザの建て替えは、避けては通れない問題なのは間違いありません。
しかも、何と言っても区分所有ですから、これをなんとかするのは
行政の音頭取りなくしてあり得ない話なのです。
ところで、サンチカの株式の17%をJR西が取得すると発表したようです。
もちろん、JR三ノ宮駅ビルの大規模建て替えをにらんだ動きなのは
言うまでもありません。
かつての新開地が三ノ宮にその座を取って代わられたように、
いつまでも変わらないサンセンタープラザを擁する三宮センター街が、
JR駅ビルとハーバーランドに、その座を明け渡す日も
意外と近いのかも知れません。
耐震基準不適合で建替えを促すとしても、訴訟やら仮処分申請やらで決定後20年くらいは掛かるでしょう。
それよりも、不適合物件の賃借禁止・不特定多数の出入禁止にして兵糧攻めにするのがよいかと。
さんプラザ、センタープラザの昭和の匂いが個人的には好きです。
都心の駅前にあのような空間が残って居るのは有る意味貴重ですね。
グランフロントには何度か行きましたが、オシャレですがちょっと敷居が高いような。そういう開発はJR三ノ宮や阪急に任せて、地元庶民や中高生が気軽に散策できるような開発を期待したいですね。再開発によって個性的な店の出店が難しくなり、全国何処にでもあるようなチェーン店ばかりではつまらないですよね。
夢想家さん
私もグランフロントには何回か行きましたが、同じような印象です。ビルが来場者を選別しているような冷やかさがありますね。
ここを歩くより来る者拒まずの道頓堀・新世界界隈の雑踏に紛れている方がはるかに楽しい。
ただ、神戸のビルは建替えたほうが良いと思います。理由は単純です、駅前の一等地にも拘らず、非常に歪な使われ方をしており、立地の持つポテンシャルを消化しきれていないからです。
でも、現実的か?と考えると、1階・地階、2~3階、4階~の店舗・事務所の間の、収益力・集客力にはあまりにも差があり利害の調整には、それこそ天災地変など外的要因が不可欠に思えます。
現在のままで、2F~の有効活用・優良テナントの誘致を考えてみると、バカ高い管理コストの削減に鍵があるように思えます。
パリにあるようなアンティークでかっこいいアケードに架け替える事
あとは綺麗なクリスタルタワーの超高層トリプルタワーぐらいに建てるべきだな
是非再開発で上階にレジをもってきて欲しいですね。
絶対買いたいです。
いづれにしても10年以上先のことでしょうが。。。
ゼンパンコウさん
観光要素を含んだ複合施設であるというのは方向性としては正解だと思います。単なる都心商業だけでなく立地を活かして広域から人を呼び込める施設であるべきかと思います。
カンさん
センター街はその立地性にあぐらを掻いてしまっている感はありますね。駅前再開発、ハーバーの復権でその優位性が揺るげば自ずと議論が開始されるかもしれませんね。
焼け跡さん
区分所有の建物だけに時間が掛かってしまうのは致し方ありません。ただ時間が解決してくれる事もあるかもしれません。
夢想家さん
そういうディープな場所があることも都市としての魅力だと思います。ただsirokumaさんが仰るように場所が問題です。県内でも最も地価の高い場所の有効活用は別の形で図られるべきかと思います。
sirokumaさん
上層階の集客性にしても建物の構造にも起因しているのではないかと思われます。大規模リニューアルもひとつの手ですが、やはり老朽化が大きく進みすぎた感があるかと・・・。
ようさん
敢えてアーケードを取り払うというのも一つ思案しても良いかもしれません。次回からのコメントは敬語を心掛けて下さいね。某掲示板ではありませんので。
とまさん
ツインの高層タワーとなれば1棟の上層階はレジデンスでも良いかと思います。
はじめまして、渡辺文吾 兵庫県在住42です。記事拝見いたしました。
三宮センタープラザ周辺の再開発について 、コメントされているようでうね。
私、週1で三ノ宮に、プラッとしているんですが・・・。かれこれもう10数年になります、三ノ宮変わるのごっつい早い!パッパカパッパカ新しい建造物ができ、そして同じ数の古いものが消滅していく・・・・。なにか、人生のよいうな、はかない、ものを感じます・・・。なにはともあれ、三ノ宮おもしろい!なので、放浪(うろうろ)する自分なのでした。