神戸三宮阪急ビル

神戸阪急ビル建替プロジェクト

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地上25階建以上、高さ100m越え、商業施設、オフィス、ホテルから成る複合ビルへと生まれ変わる予定の神戸阪急ビル東館。「この計画が一体どのように進められるのか」。現状、我々の最大の関心のひとつです。

旧ビルと違い、暫定ビルは高架とサンセット通りに挟まれた細長い敷地に建設されており、これを超高層ビルに建替えるという計画案に若干の戸惑いを感じている方も多いのではないかと思います。

計画では低層部は旧ビルをモチーフとした丸みを帯びたデザインとし、その上に箱型の高層部を載せるという形状になるようで、この三角形の細長い敷地をどう使って計画を進めるのでしょうか。

また今回の計画が西館も含めた再開発になるのかどうかも課題のひとつです。

東館は建物東側半分が3階建、西側半分が2階建で構成されています。

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もしこの細長い形状の敷地にそれなりのフロア面積を備えるオフィスやホテルを整備する場合、最も効率的な箱型の躯体形状はやはり敷地に沿って東西に平べったい建物となります。上記写真は東京・渋谷にある渋谷マークシティです。この建物は京王電鉄の線路軌道上の細長い敷地に建設された再開発ビルです。実際には2棟の超高層棟で構成されていますが、この渋谷マークシティイーストは奇しくも商業施設とホテルで構成されており、階層も地上25階(高さ99.67m)です。細長い敷地にフラットな高層ビルという計画であればイメージ的にはかなり近いのではないでしょうか。

新ビルはオフィスも備える予定です。同様にフラットなオフィスビルと言えば、神戸には国際会館がその代表格かもしれませんね。同会館の地上10-22階の高層部は東西に細長いオフィスフロアとなっています。


阪急が1999年に発表した神戸阪急ビル東館の建替計画では東館の先端部のみを高層化したようなパースが公表されました。頂部は旧ビルをモチーフにしたようなデザインでしたが、22階建のかなりスリムな建物が計画されていました。もし今回の建替計画も基本的にこれを踏襲した場合は高層部の1フロア辺りの面積はかなり小さくなると予想されます。

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神戸でスリムなオフィスタワーと言えばやはり神戸朝日ビルですね。地上25階 高さ113mの超高層オフィスビルです。クラシカルな低層部の上に箱型のクラシックモダンなガラスカーテンウォールの高層部を載せるという形式は新阪急ビルの共通します。こんな建物でもランドマーク性は十分ですね。

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全く流れ的には別方向ですが、1フロア辺りの面積が少なく高層部は宿泊施設となっているプロメナ神戸を阪急ビルの敷地に建ててみました。地上18階 高さ105mの高層ビルです。ここに超高層ビルが建つとかなり良い感じですね。本日の神戸新聞にJR西日本真鍋社長のインタビューが掲載されており、JR新駅ビルに関しても触れられていました。阪急の新駅ビルとデッキで結び駅周辺の回遊性を向上させる案があるようです。

スリムなタワーかフラットなタワーか。想像は尽きることがありませんね。



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POSTED COMMENT

  1. 夢想家 より:

    ランドマークとするならば、まさしく神戸朝日ビルのような、低層部は石造りにコリドール、上層部はガラスカーテンウォールのスリムタワーが良いと思いますね。
    ところでJRのビルと阪急のビルを直接デッキで繫ぐとすれば、線路の北と南ですので、線路の上を跨ぐことになり、もしそれに屋根を付けるとすれば、かなり大規模な物になります。
    またJR西の社長の言うとおり、新神戸方面への街歩きを楽しめる環境整備に協力するのであれば、駅北側も何らかの再開発が行われる予感もします。
    理想とすれが、JR駅南北両側にビル建て、線路上をデッキで結び、北側のビルと阪急を繫ぐのが一番スムーズな導線になるのでは無いかと思いますが、ちょっと予算オーバーでしょうか?
    それにしてもJRさん、17年度までに構想をまとめるって、ちょっと遅すぎやしませんか?

  2. 匿名 より:

    三宮駅周辺は洗練された雰囲気があまりないのでどうなるか楽しみです。

  3. masa より:

    フラットのタワーの方がインパクトがありますが、スリムなタワーの可能性が高いような気もします。ホテルからは海側が見えるのはベストですから。※フラット、スリムの意味間違ってなければ。
    いずれにしろ、超高層でも3万㎡の中型ビルで、新大阪にできたビジネスホテルが中心と思えます。商業施設は小さいのでちょっと期待外れですが、景観としては大歓迎です。
    JR三ノ宮駅こちらはホテル中心と行かず、商業施設が相当スペースを取るが、保守的な経営のJR西日本としてはグラン開業後のルクアの低迷、伊勢丹三越のさらなる不振が慎重にさせていると推測している。グラン開業で導線上にある両店は恩恵を受けて売り上げが伸びると期待していたはずが、意外とグランへはヨドバシ裏から茶屋町への導線ができ、茶屋町界隈が復活して阪急百貨梅田店が大幅に恩恵を受けている。来年の両店の大改装後の結果次第ということではないか。今のままなら再度伊勢丹三越は債務超過で完全にお荷物になっている。三年でお荷物解消の見通しをつけて三ノ宮ではと思うが遅すぎる。もっと早くしてほしいものだ。

  4. JUNK より:

    ルクアって低迷してるんですか??
    三越伊勢丹は確かに低迷してると思いますけど。
    神戸新聞の取材でも百貨店は厳しいとJR西の社長は答えていたし、阪急も百貨店を入居させるほどの商業スペースは取らないので、三宮の百貨店は未来永劫そごうだけになるのでしょうか?

  5. masa より:

    すみません、低迷を前年割れに言い換えます。7%~5%です。

  6. pbl より:

    たしかに三宮は駅から離れるほどきれいな感じ。各社の駅周辺がきれいになるとうれしい

  7. MSA より:

    ホテルも入るということは、ここでよく話題にされてるバルコニーの問題が出てきますね。
    オフィスフロアはガラスカーテンウォールで、ホテルフロアはバルコニー付きというのも変な感じですよね。
    なにか新しいチャレンジが見てみたいです。

  8. カン より:

    たしかに、消防法周りの市当局からの歩み寄りは絶対に必要ですね。
    これがないと神戸に新規投資する意義も半減してしまいかねません。

    それはさておき、渋谷マークシティは敷地面積的にもあまり参考にはならないかもしれません。渋谷マークシティと比べれば、阪急三宮駅跡は面積的には1/5程度と思われます。あの狭小地に、どうやって100m超の複合ビルを建設するのか、疑問はつきません。
    具体的には、神戸市の用途地域の告示によると、該当地は建蔽率80%容積率800%の商業地となっていす。商業地は問題有りませんが、建蔽率が80%の容積率800%では、延べ床面積であの土地のさらに半分の面積で、ビルを建てたとしても20階建てがせいぜいかと思われます。
    建蔽率の緩和措置を受けるかもしれませんが、とてつもない電波搭のようなペンシルビル
    の可能性もあります。それはそれで面白くは有りますが・・・

  9. bj より:

    確かに細長い敷地という意味で渋谷マークシティが参考になるかもしれませんね。
    敷地は狭いですが100m以上の建物は建てれますが
    渋谷マークシティのような形になるのか、低層は建蔽率いっぱい
    使って上の階は細長くする策もあります。

  10. ひで より:

    ホテルクローネ神戸の鉄骨が隣のみなと銀行の高さまで上がっていましたよ。(2スパンだけですが)

  11. 須磨っ子 より:

    JRと阪急という三宮の行く末を大きく左右するであろう両社が相次いで、新駅ビルについて触れたというのは何か偶然ではないものを感じます。
    今回の発表を見ていると“1期”という感じが強い気がします。神戸阪急の復活を願っていましたけど、あのスペースを考えたら不可能なんでしょうね。あの高層階にホテルが建つとなればトレインビューには最適で、ファミリー向けの需要も見込めるかも知れません。いずれにせよ早期の実現を願いたいものです。

  12. しん@こべるん より:

    夢想家さん

    スリムなクラシックモダンなタワー。やはりこの路線が景観的にもベストでしょうか。JRと阪急を接続するデッキですが、場合によってはJR駅が大阪のように橋上駅も建設する可能性もあるかもしれません。そこから接続っていうのも有りかと思います。私的にはこの橋上駅にポートライナー駅を併設してJRのホーム上空でライナーへの乗り換えができるようにするとスムーズな動線になるかと思っています。そうすればターミナルビルの敷地も拡大できますし。ここまでを含めた構想になるのであればその調査に17年まで待っても良いかな?

    名無しさん

    雰囲気は大きく変わることでしょう。駅周辺の再開発の起爆剤としても。

    masaさん

    好調だったルクアがグランフロントのオープン後、その相乗効果を見出せていないようですね。前JR社長はルクアの二号店を三宮にと意気込んでいましたが真鍋社長はレストランにのみ言及しました。まだ社内でも大阪駅ビルの不振によって戦略が流動的なのかもしれません。だからこそ第二の矢としての三宮があるのだと思います。

    JUNKさん

    やはり三越伊勢丹の不振が駅ビル+百貨店の勝利神話を崩してしまいましたのでデパート誘致には慎重にならざるを得ないのでしょう。ただ神戸と大阪では状況は異なります。いっそのこと、そごうをJR駅ビルに誘致し、そごう跡の再開発を促すほうが三宮には良い結果をもたらすかもしれません。

    pbl さん

    阪神はすでに完了していますが、その上のそごうもどうにかしないといけませんね。

    MSAさん

    そうですね。JR駅ビルもホテルを検討しているので双方ともにデザインが気になるところです。これを機に消防法の緩和を市が進めるべきです。

    カンさん

    マークシティを引き合いに出したのはあくまでも形状という意味です。阪急は恐らくあの狭い敷地単体としての高層ビル建設を目指しているのではなく駅舎を含めた敷地全体として建蔽率と容積率を計算しているはずです。でなければ仰られる通り、東館跡地に25階以上は不可能ですね。

    bjさん

    どちらにせよ早くパースが見たいですね。

    ひでさん

    また取材してきます。情報ありがとうございました。

    須磨っ子さん

    JRも阪急もほぼ同時に三宮にというのはやはり梅田開発が終わって次の投資先を探す余裕が出たのと、梅田一極集中がむしろ弊害となって期待ほどの結果が出せていないこと、そして神戸が独立商圏であることが明確になったこと等の複合要因があるかと思います。阪急に関しては1期という意味合いが強いでしょうね。

  13. 夢想家 より:

    こべるんさん
    やはりJR駅ビルの一番の関心事は、ポートライナーの駅をどう処理するかでしょうね。
    あのまま放置しての駅ビルの建て替えは後々禍根を残すことになるので、かなり神戸市との調整に時間が掛かるのでしょうね。
    私の意見としては、神戸空港から来た場合、国道2号線三宮東の交差点で、進路を西に45度傾け、ミントの西側を通過し新しいJR駅ビルに正面から突っ込み、JR駅ビルの中または、そのまま突き抜け、こべるんさんおっしゃる通りJR線路の橋上でポートラーナーの駅を新設するのがベストだと思います。
    これでしたら他社線との乗り継ぎも問題ありませんし、今後課題となる新神戸方面への延伸にも対応できます。
    イメージとしては北九州市のJR小倉駅です。こちらはモノレールがJR駅ビルに真正面から突っ込んでいます。
    これが実現したら鉄チャンならずとも、神戸空港からの観光客が感動すること請け合いです。

  14. masa より:

    しんこべるん様
    そうですね、梅田百貨店戦争で分かったことは神戸だけでなく、ミナミも阿倍野も独立商圏で、梅田商圏内の競争に終わったということですね。
    そして梅田全体では阪急で700億増、新規の伊勢丹、ルクア、グラン、マルシェで約1100億増で併せて1800億増、
    大丸改装前と後横ばい、阪神2年で25%減でマイナス200億、ヘップ、デイアモール、プリーゼ等の専門店ビル、地下街で20~30%減 マイナス500億、併せてマイナス700億、 差し引き1100億増で他地域からとっている。まず梅田商圏としては大成功でした。梅田はヨドバシ新館5万、ヤンマー本社1万と売場拡大は今後も続くので閉鎖の専門店ビルも出ると思われる。
    ハルカスは1ケ月で100億と好調、ミナミには影響なし。フルオープンとなれば年間1450億は可能という近鉄側の見方で全国ベスト5位、阪急1900億で2位という二つの巨大百貨店が大阪に誕生する。百貨店は、チェーン経営でなく、完全独立経営の相当工夫をした店づくりのうえ、面積一番店で取引先とのパイプの強い百貨店のみ勝ち上がる、勝ち上がった百貨店はやはり小売りの王者という結果がでた。そして専門店ビルは新規のみ繁盛する。
    三ノ宮駅で神戸大丸以上の百貨店は取引先の関係で難しく、仮に二番手の店でも良いと出店しても、そごうが大幅減で撤退の可能性があり、駅にそごうを入れるのがベストと考えられる。
    専門店ビルとしてもリーシングでウミエやセンター街とダブり、特に近くのセンター街が相当厳しくなり、相乗効果どころでない。
    そういったことを考えるとそごう移転が一番ベストで、そごう跡は超高層のオフィス棟かホテルが良いのではと考えざるを得ない。
    真鍋社長はハルカスを見学して盛況に驚いていたという報道もある。JR西日本としてはもう失敗は許されず、梅田でいろいろトライしてからでしょう。

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