8月に神戸製鋼所が本社ビルをHAT神戸に建設するという発表があって以来早3ヵ月。まだ同社の公式ホームページには着工の運びとなったようなニュースリリースは出ていません。現在、現場がどうなっているか確認してみました。
敷地はすでに仮囲いが設置されており、何らかの準備工事が開始されているようです。しかし設置されている仮囲いは建設工事用としては簡易過ぎますので、前段階の措置のようです。
敷地内です。何か掘削をしたような跡が所々に見受けられます。建物は写真奥の北側に建設され、南側はパーキングや広場等になる予定です。
現場に掲示されている道路占用許可標識です。許可期限は来年1月までと短い期間です。これまでに建物建設用の仮囲いが整備されるのでしょうか。施工者は大林組のようです。またしてもといった所でしょうか。昨今の神戸の大型開発案件を一手に請け負っている感があります。
最近の神戸は都心部にオフィスビルは建ちませんが、周辺エリアや郊外には企業ビルの建設が目白押しです。
ここ数年で都心域外に建設された企業ビルを例に挙げると
-川崎重工業神戸工場新総合事務棟 中央区東川崎町 地上14階 延床面積 38,570平米 2011年竣工
-川崎重工業兵庫工場新総合事務棟 中央区東川崎町 地上12階 延床面積 17,613平米 2005年竣工
-シスメックステクノパーク 西区高塚台 地上10階 延床面積 24,402平米 2008年竣工
-アシックス本社東館 中央区港島中町 地上6階 延床面積 4,087平米 2009年竣工
-バンドー化学本社屋 中央区港島南町 地上6階 延床面積 9,674平米 2007年竣工
-鹿島リース神戸研究所(アスビオファーマ本社屋) 中央区港島南町 地上6階 延床面積 16,397平米 2010年竣工
-フジッコFFセンター 中央区港島中町 地上3階 延床面積 10,201平米 2009年竣工
-宮野医療器 MSCポートアイランド60 中央区港島南町 地上4階 延床面積 12,688平米 2009年竣工
-住友ゴム工業 本社新技研棟 中央区筒井町 地上6階 延床面積 10,521平米 2009年竣工
-日本ベーリンガーインゲルハイム神戸新研究所 地上6階 延床面積 7,396平米 2008年竣工
やはりポーアイに企業投資が集中していますね。
神戸には大手企業の本社が多く存在しますが、製造業が中心となっているせいかそれらのほとんどが都心域外に存在し、都心部はどちらかど言えばテナントビルによる企業の支店・営業所の集積エリアです。縮小する経済の中で大阪を間近に控える神戸では、この立地構造が都心のテナントビルに供給過剰感に拍車を掛けているので、新たなオフィスビルの需要が生まれていません。
神戸は企業にとってはまだまだ魅力ある都市ですが、残念ながら不動産デベロッパーにとっては住宅開発でしか旨みを見出すことができない状況です。ポーアイの企業集積を目と鼻の先にある都心エリアに還元できるような具体的な措置を講じれば、三宮駅周辺を中心にオフィス需要はもっと活性化されてもおかしくはありません。
神戸製鋼所新本社ビル建設状況
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三宮周辺にオフィス需要が少ないのはほんと残念ですね。マンションも横浜の「横浜都心機能誘導地区建築条例」のようなものを三宮でも取り入れてほしいです。旧居留地はそういうのをやっているような感じですが。
でもまあポートアイランドの集積が進んで広範囲にわたって都心(まあポーアイは都心ちゃいますけど)が続いたらそれはそれで面白いかなと思います。三宮はとりあえずJRと阪急の駅ビル改修とセンタープラザの再開発が急務ですね。
翔@KOBEさん
いつもコメントありがとうございます。居留地内では低層部には必ず店舗を入居させて賑わい創出を義務付けていますね。大通りに面したエリアでは他の地区もこの条例を義務付けるべきかと思います。ポーアイに集積する企業の関連や下請け企業が神戸の都心に集まってくれば、状況は変わってくるでしょうね。ポーアイ二期の企業集積を市の目標の500社に到達させるだけでなく、それらの企業間での連携やビジネスが生まれれば必然的に良い循環が生まれてくると思います。