神戸市中央卸市場本場跡地の再開発によって昨年9月に開業したイオンモール神戸南がオープン1周年を迎えました。土地の譲渡から幾度とない着工延期と、テナント誘致の苦戦から開業を2段階に分ける等、オープンまでの船出は順風満帆ではありませんでした。しかしいざ開業すると、集客は好調でオープン直後の繁忙期を過ぎた後も一定の集客を維持し、地域密着型のショッピングモールとして定着した感があります。
「ハッピーをめしあがれ」をキャッチフレーズに食のモールというコンセプトを強調し、隣接する中央卸市場から仕入れた新鮮な魚介や野菜を取り扱う等、地域の台所的な役割も担っています。
1階の神戸うまいちやイオンフードスタイルはいつも盛況です。
開業時は1階のレストラン街も空き区画がありましたが、新店が相次いでオープンしました。
しかしながら、集客は単純にテナント売上へは結びつかないようで、2-3階のテナント退店が目立ち始めました。
開業時からこれは心配な点ではありました。テナント構成はナショナルチェーンも準大手が多く、大手も主力ブランドではなく傍系ブランドを出店。また個人事業者による出店もちらほら見られました。こうしたテナント構成の弱さがやはり形になって現れ始めたのが現状です。特にアパレル系テナントや体力のない個人事業主テナントの退店が多く、ショッピングモールで服が売れないという全国的な傾向も如実に表れているようです。テナント構成の弱さの1番の要因は直線で2kmの距離にある神戸ハーバーランドumieの存在です。こちらに既に主だったブランドは出店済で、至近距離にあるイオンモールに出店するメリットがありません。
1階のレストラン街ではイタリアンとタイ料理レストランが閉店しました。イタリアンは運河テラス沿いの眺望と雰囲気を売りにお洒落感を出そうとしましたが、客足は鈍く広い店内が仇となりました。またタイ料理も子連れファミリーには不向きでした。案の定、心配だったこの2店は退店。
しかし新たに出店した回転寿司やパンケーキ店には人は入っています。いきなりステーキも週末には未だに列が出来ますし、やはりこのモールを訪れる来店客の求めるニーズをいかに捉える事ができるか次第で運命の分かれ目があるようです。
モールの規模に対して小ぶりなキッズスペースはいつも混み合っています。
専門店は開業時130店が出店していましたが、およそ1割が退店した印象です。ただイオンモール側も一定の退店は折り込み済ではないかと思います。ただこれ以上の退店が増えると、空きを埋められなくなる可能性が高まります。空きテナントの後継をいかにうまく見つけられるか。
一部のテナントはumieと重複しています。umie出店中の人気店にこちらへの出店を要請し、インセンティブとして合算の賃料でサービスを与えるというような方法もあるのではないでしょうか。1年経って見えてきた課題も多いかと思います。やはり今はコト消費を意識したテナントが強いです。人は多く来ますが、財布の紐は固いというのが、ショッピングモールの抱える実情です。
まだ軌道修正は可能だと思います。このモールには運河や食という他には無い特徴があります。集客性を活用してどうテナント売上を伸ばすか。もっと今以上に特徴の活用にも工夫が必要です。流通最大手の腕の見せ所かと思います。やはりテナントはもっとファミリー向けの色を強めなければならないでしょうね。2年目のテコ入れに期待したいですね。
イオンモール神戸南が開業1周年記念 見えてきた課題
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個人的にはやはり食のモールだけだと寂しいので、マルイから撤退したメンズ服ブランドが入ってくれないかなあ、と。
たしかマルイに入ってたメンズブランドはあまりumieにもなかったと思いますし。
私も素人目に見てここは続かないだろうなあと思ったテナントが
案の定撤退していました。
たumieを見ている限り、イオンはどんどん投資をしてくれると思いますので
あまり心配はしていません。
京都の場合、西大路駅の近くにイオン洛南ショッピングセンターという大型のイオンの店舗があるのですが、その店舗から4kmの範囲内に、イオンモール京都、イオンモール京都桂川、、イオンモール京都五条と、3つのイオンモールがあります。
ときどき大丈夫なのかな?と心配になることもあります。ビジネスの言葉で「カニバる」というのがあるそうで、こういうシチュエーションで使えるのか分かりませんが…。もちろん、間違いなく多少は「カニバって」いると思われ、まだ店舗が少なかった昔に比べれば多少空いているところもありますが、それでもそれなりに集客できていると見えます。
これに比べると、umieとイオンモール神戸南の二店舗程度ならば、そんなに心配する必要はないと思われます。
amazon等の通販系実験店舗などが入れば面白いでしょうが、賃料的に無理でしょうね。
大家はumieで立ち行かなくなった店の都落ち先、とか考えていそうですが、どうでしょう?
夏に初めて行きましたが、少し垢抜けない店舗が多い印象を持ちました。
リニューアルなどに期待です!
ニッチな線を攻める方向は有りかと思います。しかしマルイもメンズを切ったのはあまり儲からなかったからかも。。。
あとはどういう方向でのテコ入れを行うか次第ですね。
umieとイオンモールだけを見ているとそうなのですが、範囲を3kmに広がると、神戸の都心商業地区が入ってきます。まあでも集客は問題ないので、あとはテナントの力次第かと思います。物が売れないのはどこも同じなので。
umieで難しくなったテナントの受け入れ先は面白い案ですね。
そこがテナント集めに苦労して点かと思います。
連休とかに、神戸市・地元が協力して、ここと中央市場でイベントやってたり中々頑張っているとは思いますが、店内のマルシェとイオンの食品売り場で商品が重なってめんどくさいかな。せっかく市場があるのに思い切った安値が付かないのは大都市圏の市場は、明石の魚棚もそうであるように、常に大量消費されていくので別に安売りする必要もないからでしょうね。
地方の話ですが、長崎県佐世保市の港で戦前から開催されている朝市は北部九州では有名で面白いですよ。早朝というより真夜中3時~朝9時頃まで、毎日開催されていて、日によっては一般人がセリに参加できることもある。海の幸と山の幸が破格で提供されるので地元民や観光客で大人気です。会場には開始後もしばらくは次々に横付けされる漁船から水揚げされたばかりの魚貝類が店頭を賑わしてくれます。市場には花や手作りの加工食品も大量に並びます。その他、朝一食堂とかもあったりワクワク楽しいですよ。9時前にはほとんど完売です。安くて楽しかったら財布のひもも緩くなりますね。
今のモールや店舗にはそんなわくわく感やお得感が無いし楽しむ要素が無いですね。難しいなぁ。