JR三ノ宮新駅ビル

JR三ノ宮駅・新ターミナルビルに関するJR西と神戸市との交渉は大詰めに

jrtatekae02.jpg

神戸経済ニュースが7日に報じたところによると、「ネットモニターと市長との対話フォーラム」にて久元神戸市長がJR西日本が計画しているJR三ノ宮駅のターミナルビル建て替えについて「JR西日本との交渉は大詰め」と話したとの事です。

http://news.kobekeizai.jp/blog-entry-2480.html
久元神戸市長、三ノ宮駅ビル「JRとの交渉は大詰め」 ポートライナー8両対応

同フォーラムに参加された当ブログの読者の方からもこの件について同様の情報を頂けました。

市長が公表したJR新駅ビルの概要は以下です。

◇JR西日本との協議は大詰めを迎えている
◇ホテルと商業施設が核となる高層ビル
◇ポートライナーを8両化に対応した駅をビル内に組み込む

ホテルと商業施設を核とした高層ビルという内容はこれまでの数々の報道からも明らかになっており、施設概要は既定路線から大きな変更は無いようです。これにオフィスが加わるのかどうか、また鉄道駅との駅ビル内の接続、コンコース、駅前広場の再編等がどうなるのかも気になるところです。

ポートライナーを8両化に対応した駅をビル内に組み込むという事もすでに当ブログでお伝えしていたかと思います。

よって新情報は無いものの、これらの内容を同市長が裏付けした形となりました。

jrtatekae04.jpg

現ターミナルビルの建て替えに際し、JR西日本は南側に広がる自社保有地である駅前広場を新駅ビルの建設地として活用する方針を示しています。駅前広場は12,300平方メートルの敷地面積があり、この全てを駅ビルの建設地に充当する訳ではありません。南西側・現駅ビルの南前を建設地として使用するものと想定されます。これに伴い、駅前広場は現状より縮小されますが、将来的には三宮クロススクエア構想によって2号線が広場化されますので、この点についての心配はありません。

駅前広場は直角三角形型で西に向かって鋭角になる形状です。この広場と現駅ビルの立つ敷地を合わせた場合、敷地面積は4,500-5,000平方メートル程に拡大するものと思われます。どこまでを建築面積とするか次第ですが、基本的に駅ビルが建設される場合、鉄道駅舎・設備を含んだ全体を敷地とみなす為、建ぺい率がかなり抑えられる形になるので容積率には余裕が出てきます。

ちなみに神戸阪急ビルの場合、敷地面積は約7,100平方メートルと扱われています。しかし神戸阪急ビルはこれまでの東館の敷地のみで建て替えられている為、建築面積は約1,000平方メートル程度に抑えられています。対象地の容積率は700-800%と敷地を跨いで容積率が異なりますが、800%で計算した場合、駅舎を除いても約50,000平方メートルの建物が建設できる事になります。実際の神戸阪急ビルの延床面積は約28,500平方メートルなので、容積率は使い切られていない計算になります。ただ1,000平方メートルの建築面積ですので、安全面やデザイン面を鑑み、高さ120m程度が妥当だったと言えます。

さてJRの場合、駅前広場と鉄道施設を合わせた敷地面積は阪急を遥かに凌ぐ大きさになる事は間違いありません。駅前広場のみで12,000平方メートル以上ありますから、3万平方メートルはあるのではないかと推定します。800%の容積率でも24万平方メートルの建物が建設可能ですが、ここから駅舎や高架下施設を除いても15万平方メートルは新駅ビルに充当できるでしょう。容積率の緩和を受けなくても自前で十分に超高層駅ビルの建設が可能なのです。

従ってあとは需要と敷地の形状による制約を踏まえてどのような規模の建物を計画する次第かと思います。

jrtatekae08.jpg

総合的に考えて私が予想する新・三宮ターミナルビルの規模は上記となりました。

規模:地上40階 地下3階 塔屋2階
延床面積:約90,000平方メートル
最高高さ:160m
構造:鉄骨造 一部鉄骨鉄筋コンクリート造
用途:商業施設、宿泊施設、駅舎、駐車場

地下2階-地上12階:ルクア
地上13階-地上18階:オフィス
地上20階-地上40階:ホテルグランヴィア

低層部の商業施設には以前よりJR西日本の歴代社長がルクアの2号店出店に意欲を示してきました。そごう神戸店が阪急に譲渡された為、JR駅ビルに百貨店が進出する可能性はほとんど無いかと思われます。

神戸市が三宮クロススクエアの構想にて三宮交差点のコーナーに立つ建物低層部軒高を45mに統一したいという指針を出している為、新ターミナルビルもこれに合わせる事が求められてきたのではないかと推測します。そうなると地上部は11階程度のフロア数となり、12階以上はセットバックして高層化する必要があります。

中層部には立地の良さを考慮して中層部の6フロア程度をオフィス、そして20階以上をホテルとします。高層部についても景観条例にて高さ60m以上の建物の東西幅を40m以内に収める必要がある為、高層部の1フロア辺りの床面積を大きく確保する事はできません。よって延床面積は約9万平方メートル程で着地するのではないかと予測します。

160mの高さについては2013年に朝日新聞が報じた規模です。恐らくすでに随分も前からJR西日本の社内にはある程度の計画概要は固まっていたのではないかと思われます。そこからは大きく変える必要はなく、神戸市との調整さえ終わればすぐにでも着手できる状態なのではないかと思っています。

jrtatekae06.jpg

大阪駅の大屋根、京都駅の大階段のようなシンボリックな構造が新生三ノ宮駅ビルにも与えられるのでしょうか。昔、私はこれについて壁面に滝を流す事を少し冗談を交えて提唱してみましたが、中国で高層ビルの壁面から滝を流す建物が実現しているそうです。

7年後の2025年頃には上記のように駅周辺に高層ビルが林立し、150万都市の玄関口に相応しい光景に近づいている事を大いに期待したいと思います。市長がJR駅ビルとの交渉が大詰めとこのタイミングで明らかにした事はいよいよ既存のターミナルビル解体開始と共にJR西日本からの公式発表が近い事を表しているのかもしれません。バスターミナルビルと共に年内にも動きがあるのではないでしょうか。

*尚、公表のあったバスターミナルビルについては明日の記事で特集を組みたいと思います!



関連記事
JR三ノ宮新駅ビル

三宮再整備・三宮北交差点改良工事 x 三ノ宮駅ビル新築他工事・仮交番新築工事 駅前は工事エリアが拡大してカオス状態に

2023年5月5日
こべるん ~変化していく神戸~
工期が6月末まで延長された三宮北交差点改良工事。同時に進行している三ノ宮駅ビル新築他工事・仮交番新築工事は5月末の完成を予定していま …

POSTED COMMENT

  1. 某京都府民 より:

    地元の人でもないのに最近暗いコメントばかりして申し訳ないなと思っていましたが、これだけ超高層ビルが建てば三宮は非常に魅力が増えると思います。広場のような脇役ばかり強調されるから過小評価されてしまうという部分もあるような気がしますが…。今後、そごうのビルも超高層ビルに建て替えられるなら、まさに三宮は「超高層ビル街」という雰囲気になると思います。

    シンボルについてですが、本当にただの冗談というか妄想で良いのなら、ロープウェーのような乗り物で線路の上空を跨げるようにすればどうでしょうか。まあ無理だと思いますが、とにもかくにも新しい駅ビルの完成はとても重要だと思います。三宮の再開発の遅れを心配する人々の声が、今回の発表に少しは影響を与えていたのかもしれないので、やはり今後も粘り強く見守るべきかと思います。

  2. kingi より:

    高層ビル大嫌いな市長がここまで認めたということは
    水面下ではかなり計画が進んでいると考えて良いんでしょうか・・

  3. sirokuma より:

    壁面じゃないけど滝が流れるビル、福岡でも建設中です。
    https://www.miyakohotels.ne.jp/file.jsp?id=124296
    天神の福岡地所が手掛ける再開発ビルは、建築デザインを海外で活躍する建築家、OMAの重松象平さんが担当しています。
    こんな自由な発想の建物が増えると街が楽しくなります。
    ホテルの事業主は、近鉄グループですが、何故神戸ではこんな計画がわいてこないんでしょうか?
    昔はメリケンのオリエンタルとかかなり面白い建物ができたのに…なぜ今そんな自由で面白いわくわくする計画が神戸では起こらないのか?考えてみる必要があると思うな。

  4. まっぷ より:

    JRからの詳細発表が待ち遠しいですね。
    新駅ビルの詳細案の中に、三ノ宮駅の新東口改札といった案も盛り込まれていることを期待したいですね。欲を言うと駅ビルだけでなく、ホームも一新してほしいです…

  5. 翔@KOBE より:

    三宮にあれだけの高層ビル、それもタワマンじゃない、とても楽しみで仕方ありません。本記事のイメージ写真見て「おおっ!」となりました。
    明日の記事も楽しみにしています。毎日まだかまだかとHP見ておりましたが、やっときましたね。

  6. hk より:

    完成はまだまだ先ですが三宮が激変しますね!
    SOGOやアイングパーキング、マルイ一帯、サンプラザなどの再開発にこの再開発が良い連鎖を起こしてくれるといいですね

  7. しん@こべるん より:

    三宮駅前は高層ビルの再開発構想はそれなりの規模や数量が揃いつつあるのですが、具体化していないので、それ以上に話題にできないという現実があります。それぞれが具体的に概要やスケジュールが固まれば、もっと盛り上がってくるはずです。

  8. しん@こべるん より:

    もうまもなくJRから発表がある事を期待しましょう。年内には出るかと。

  9. しん@こべるん より:

    近鉄博多ビルのプロジェクトも面白いですね。神戸に面白い建物が何故できないのか?面白い建物にはお金が掛かります。そのお金の投資に見合う見返りがなければ、やはり投資はできません。投資先としての神戸の魅力が欠けているのが一番の原因かと思います。

  10. しん@こべるん より:

    >三ノ宮駅の新東口改札といった案
    バスターミナルビルの進捗と合わせて進むかもしれませんね。

    >ホームも一新してほしいです…
    これは必須で進めて欲しいと思います。

  11. しん@こべるん より:

    これらのビル群にそごう建て替えと市役所2号館も加われば、全国有数の高層ビル群のある駅前空間となりますね。

  12. しん@こべるん より:

    > SOGOやアイングパーキング
    次は阪急の番ですね。早ければ今年度から検討を開始すると阪急の社長は言っていましたが・・・。

しん@こべるん へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です