クリスマスイブの24日に大阪市内のホテルにて8年ぶりとなる関西3空港懇談会が非公開で開催されました。
会合後のインタビューにて松本関経連会長、井戸兵庫県知事、久元神戸市長が議論の内容の一部について言及。松本会長は「神戸空港の発着枠と運用時間の拡大、国際チャーター便の受け入れに兵庫、神戸側から期待感が示された」と述べたそうですが、示すのは当然でそれに対して懇談会が肯定的にとったのか、どこまで具体的な協議だったのかを知りたいのですが、初回ではこの程度に留めざるを得なかったのでしょう。
井戸知事は具体的に神戸空港の運用時間を現在の7:00~22:00から朝1時間、夜2時間の延長と就航便数を現60発着便を倍の120発着便に増加する事を提案したようです。国際化についてはよりハードルが高く、初期段階としては国際チャーター便やビジネスジェット枠から徐々に受け入れ開始を主張。
また関西エアポートに至っては関空の防災対策強化に専念したいとしました。同社にとっては懇談会での議論によって方向が決まらなければどうもこうもしようがないので、今できる事に集中したいというのが本音でしょう。全体的な合意としては関空が関西の基幹空港である事を再確認。
8年ぶりの初回会合としてはやはりあまり具体的な議論に踏み込む事は難しかったようですが、懇談会の開催が決まる前には一部の自治体首長から「時期尚早」という意見も出ていたので、神戸空港の活用に真っ向から反対するような意見が出るような事態にはならなかったのにはまず安堵といったところでしょうか。松井知事の事前のコメントが大きく牽制しているのではないでしょうか。
次回の懇談会は来春の開催が調整されるとの事です。3ヶ月以上先の話で、少し先になります。事務方レベルの議論は別途行われていくのでしょう。
神戸の全面国際化のタイミングについてはやはり万博を目指す事が一つの目安となりますが、7年の歳月がありますので、焦るべきではないと思います。まずは空港の利便性向上が第一優先です。すでに枠いっぱいになってしまっている発着便数の増加を早期に実現する事が肝要です。60発着便が120発着便に増えれば単純計算で搭乗者数は600万人に達します。この数字は現在、国内9位の鹿児島空港(561万人)を抜いて、中部空港に次いでトップ10入りを果たす事を意味します(現在は14位)。また発着枠の増加によって、一度は撤退したJALの神戸再就航の可能性も出てくるかもしれません。
伊丹については周辺自治体が一枚岩でない事が足枷となり、少なくとも直近において今後の更なる活用について大幅な変更が生じる可能性は低いものと思われます。
再来年はオリンピック、その後はワールドマスターズ、そして更には万博とIRが控えます。大きな国際的政変等が無い限り、関空のキャパはこれから確実に逼迫していく事でしょう。神戸空港国際化の必要性は焦らなくとも確実に高まっていきます。何はともあれまずは懇談会が年内に開かれた事は大きな前進です。
関西3空港懇談会が非公開で開催 神戸の規制緩和具体化については来春以降に持ち越し
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分かりにくいと思いますが神戸空港の現在の発着枠制限は 1日30往復便(60発着便)です。
それを2倍の1日60往復便(120発着便)に緩和する要望を出したということです。
今回の懇談会で即具体化はなかったですが、命題として取り上げられ3か月後の懇談会も開かれることは一定の成果があったと思います。
ご指摘ありがとうございます。往復便を発着便に訂正しました。
井戸知事もおっしゃってましたが2021年のワールドマスターズゲームまでには国際化(チャーター便)を実現してほしいですね。
発着枠の拡大はもっと早くしてほしいですけど