関西エアポートは同社が運営する関西3空港の2023年における利用者状況を発表しました。いずれの空港も航空需要の回復によって前年からのプラス成長を記録しましたが、神戸空港についてはコロナ前における過去最多だった2019年の336万人を上回る343.5万人に達し、記録を更新する形となりました。
国内線の航空需要は国際線よりもいち早く回復した事や神戸空港はビジネスだけでなく、観光需要の割合も高い為、円安等を背景に海外旅行が敬遠されて国内旅行に人気がシフトしている事も好調の要因かと思われます。
また2019年に前回の最高値に達した理由として、同年夏に神戸空港の離着陸回数上限が60回から80回に引き上げられた事が大きく貢献しています。昨年は19年度比で102%の成長であった為、今年は更なる上乗せも期待できそうです。少なくとも350万人は達成できるのではないでしょうか。
来年の春にはサブターミナルが完成し、更なる離着陸数上限の緩和が図られる予定です。現在の80回から120回へと大幅なアップが行われる為、この緩和によって次のステップである500万人突破の実現が射程に入ります。
既に神戸空港は国内トップ10に位置する主要空港の一つにまで上り詰めていますが、500万人にまで達すると、その地位は不動となるでしょう。国際定期便就航を予定する2030年以降には700万人が見据えられていますが、やはり最終的な目標は1,000万人クラスの仲間入りかと思います。ポテンシャルは十分にあるかと思いますが、そこまで増えるとやはり大量輸送を担う交通手段や新神戸駅との連携が不可欠になるでしょう。
2023年の神戸空港利用者数が2019年の記録を超えて過去最多に
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神戸空港は1000万人を超す1時間圏人口を持っていますが、日本の空港で1時間圏人口が1000万人を超えるのは羽田、伊丹、成田? 程度しかありません。現在の旅客数343万人
は旅客目線を無視した関空擁護の為だけの無益な規制の結果に過ぎません。
将来の旅客数は利用客利便が優先し立地条件が将来を決定するべきであれば神戸空港の目指すところは“関西圏の羽田空港”でしょうか。国際空港に舵を切った以上、国内有数の基幹空港に成長するでしょう。
関西3空港の最大活用が関西圏に最大利益をもたらすことは多くの識者が評価しており、国際化に反対し利権を独占したい関空地元自治体や地元協議会の異常な敵視反応が皮肉にも神戸空港の価値を証明しています。
国際定期便就航後、神戸空港には関西における
羽田空港的な役割を担い、発展を遂げる事を
望んでいる市民や財界人は多いと思われます。
そうなる為には、神戸空港の潜在的需要を
余すことなく創出し、
国際空港として独自の立場を築かねばなりません。
まだ先の話にはなりますが、当面40回の発着回数に
留まるとはいえ、国際線において関空との共食いを
避けるためには、
やはり競合路線を極力設定しないことに尽きます。
関空は従来通り、欧米・アジアを問わず
就航国への首都を主とした路線を維持し、
神戸空港には、それらの国々の第2の都市や、
関空から直通便が飛んでいない国々への就航を
主とした路線を構築すべきではと考えています。
欧米各国に飛ばすには、既存滑走路の延長もしくは、
少なくとも3,000m級の滑走路を新設する必要がありますが、
それには空港島の更なる埋立を伴いますので、
現時点ではRESAの確保ともども構想に留め、
まずは東南アジアやグアムなど、就航が現実的な国々からの
観光需要や日本からの渡航のニーズを余すことなく取り込む
ことが第一目標となるでしょうね。