神戸空港

神戸空港サブターミナル整備基本計画改定案が発表され、新ターミナルの位置変更や規模拡大及び施設の充実性向上を提示



年内の着工及び来春の完成を目指している神戸空港の新ターミナルビルについて、神戸市は基本計画案の改定を受けて、この内容を発表すると共に市民からの意見公募を開始しました。



この発表内容で最も大きな変更は、新ターミナルビルの計画地です。当初計画では、現在、進められているエプロン(駐機場)拡大エリアの真北に位置していましたが、これをより既存ターミナルに近接した東側に変更するというものです。



確かに当初の計画では、サブターミナルを既存ターミナルと同様に、拡張エプロンの北側の東西に長い敷地に配置する予定でした。



ただサブターミナルを設計・整備する事業者の公募プロポーザルにてこれに選定された竹中工務店を代表企業とし、湊建設工業、TC神鋼不動産建設、梓設計を構成員とする企業グループによって示された案は既にターミナルの位置を東側に配置する計画になっていました。

今回の変更はこの提案に示されていた東側のランドスケープという緑地を廃して、既存ターミナルに最も近い場所に新ターミナルを建設するという内容へと変えられたものと思われます。



また位置変更以外に、事業投資対象の配分についても変更を行います。当初、サブターミナルの建設には90億円を見込んでいましたが、これを150億円への大幅増額。代わりにエプロン拡張整備や付帯工事費用を圧縮して、総事業費に変更はありません。



事業費が大幅にアップしたターミナルビルは、コンペ案での延床面積は約14,600平方メートルだったのに対し、18,700平方メートルに拡大されます。1階部分の機能や配置については、ほぼこれまで示された計画と同様ですが、床面積の拡大は2階部分の拡張に現れています。



にぎわい空間や機能は1階出発・到着ロビー、国内・国際線待合室のそれぞれ、そして新たに2階にも設けられる他、1階出発・到着ロビーには2層吹き抜けによって、より開放感の高い空間整備が行われます。



今回の計画地変更によって既存ターミナルと新ターミナル間のアクセスは大きく改善され、将来的には歩行者デッキの整備も予定されているようです。ターミナルビルとエプロンが接していない状況が生まれる事で、駐機場との距離が広がり、バスハンドリングとなる搭乗に多少の時間が掛かる事が見込まれますが、空港運営に大きな支障はないでしょう。ターミナルビルの利便性や快適性をより重視した変更案と言えそうです。ビルの建設着工は今春と推測されます。

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  1. kingi より:

    駅から徒歩10秒というのが神戸空港のメリットだったはずで
    新ターミナルで一番懸念していたのが
    空港駅からの距離でした

    間の緑地なんて必要ないやろと思っていましたが
    やはり皆さんそう思っていたみたいですね

  2. S.Y. Kobe より:

    サブターミナル新築工事の内容が供用開始を1年3カ月後に控えた今、取付け道路変更を含め敷地・建物配置・延床面積とも大幅に変更された事に少し驚きました。

    改定案は必要な施設面積を確保した上で無用な緑地を無くし、現ターミナルにも近く合理性があって好ましい内容だと思いますが、これからパブコメなど行って工期は大丈夫でしょうか。

    水面下では勿論先行作業していたと思いますが、配置や規模変更に伴い意匠・構造・設備などの各変更設計や再積算など期間が必要です。神戸市が建築主なら確認申請は不要ですがそれでも本着工は可成り遅れそうです。

  3. EYESTAR より:

    サブターミナルの配置もそうですが、
    気になるのは総事業費の予算配分です。
    2階エリア増床の煽りを受け、
    エプロン拡張工事と付帯工事の費用が
    減額されたとの事ですが、
    どのように賄う予定なのでしょうかね。

    また将来的に整備するとされる歩行者デッキには
    ムービングウォークは併設されるのか?
    2030年前後の国際定期便就航と同時に
    整備される予定の新メインターミナルの概要は?
    国際化に合わせて、市内各地再開発事業に
    先行投資されている、変わりゆく神戸の
    大本丸だけに今後も目が離せません。

  4. こまったちゃん より:

    近くなったのは良いことですが、デッキや動く歩道の計画や、駐車場の立体化も同時に検討してないといけません。それらの計画や費用が今の計画には含まれていませんが、ちゃんと内部で考えられていることを期待します。

    個人的には、どうせ動かすなら今の第2駐車場の位置(メインターミナルとベイシャトル船着き場との間)に持ってくれば最高だと考えていました。GSE車やバスを2階発着とすれば一般車両との交錯はなくなります。もちろん工費がかさみますが、、、、

    なおターミナル工費の増加(場所が変わるだけなのに、なぜ面積広げる必要があり、かつ費用も6割増しになるのかよくわからないが)に伴うエプロン工費の減額ですが、東側へのエプロンの拡張を後回し(いったん中止?)にしたのではないかと推測しています。

    真偽のほどは定かではありませんが、現ターミナルができるとき、有力市議?から眺望が悪いとの横やりが入り、急遽4階の展望レストラン等が積み増しになって工費が膨らんだと言う噂を聞いたことがあります。結局展望レストラン等はゴミと化しましたが、面積拡大の過程で同じような愚を犯していないか、気を付ける必要があるでしょうね。

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