神戸市役所本庁舎1号館の1階市民ロビーは設計コンペを経て2017年10月にリニューアルが行われました。それから3年の時を経てこの改修されたロビーに栄誉ある賞が授与されました。
与えられた賞はグッドデザイン賞のベスト100です。リニューアルでは六甲山系の樹木を中心に、さまざまな種類の木材を使用した角が無く平らで大きさも様々な45個のベンチとしてもテーブルとしても使える家具を配置。
市民に開かれたロビーの改修計画。建築の劣化が進んでいなかったため家具を中心とした改修計画となったが、そこに導入された家具のデザインがユニークな作品。通常は、並べ変えや収納のために、テーブルの形状は矩形となりモジュール設計されることが多い。均等均質の座席配置を実現できるため、効率が重視される空間では疑われることないありがちなデザインである。ただし、均質であるがゆえに、部屋の空間の方向性(上座や下座)により強いヒエラルキーが生まれてしまいがちでもあるのだが、これに対するデザイナーのカウンターアクションは少なかった。ここでは、楕円と長方形の中間的な形状をもつ、通常であればスタンドアロンでつかわれるかたちをもったテーブルが、大きさも材質も異なる複数のものが配置されることで、これまでに見たことがない個性的で多様な個人の居場所が生みだされている。その結果、座席の一つづつはオンリーワンの居場所を持ちながらもヒエラルキーが消えて、市民のための空間にふさわしい新しい平等性が生まれている点がユニーク。
角のない丸いベンチテーブルの家具。自由にレイアウトや用途が変えられるのが特徴です。ただ以前はもっと種類があったのですが、コロナの影響で撤去されたのか数がめっきり減りました。
室内にはカフェも営業しているので市庁舎を訪れる人々の束の間の憩いの場としても機能しています。
週末はあまり利用されている感はありません。平日は庁舎を訪問する人々で賑わっているものと思われます。入口から一歩入った奥にあるので市民利用があまり進んでいないようです。コロナ禍の中ではありますが、利用促進策も必要なのではないかと思われます。
これね。私は喫茶スペースでヒエラルキーを意識したことは一度もないので以前の喫茶スペースと休憩・待合スペースの方が断然使いやすかった(笑)。
落ち着いたし、ミーティングにも使いやすかった。
まあ、長く居座る人もいたので、こちらの方が回転は速いと思うけど結構利用していたので馴染めないや。
木材は好きだしデザインは斬新だと思いますが、利用者にとり斬新なものが寛げるかと言ったらそうじゃない。背もたれがあるだけでも全く違うから、全てをベンチテーブルにしてしまい逆に多様性を失ってしまったんじゃないかな。