旧居留地・明石町筋の古参オフィスビルであるニッケ神戸ビル。その歴史を紐解くと、なんと1937年築というレトロで、重厚感たっぷりの建物です。設計は竹中工務店が担当。
地上6階 地下1階の構成・規模で、日本毛織株式会社の本店ビルとされています。新築時は本社ビルでしたが、現在は大阪に本社を移しています。主要事業は衣料繊維事業ですが多角化経営で、子会社に不動産事業を手掛けるニッケ不動産株式会社も設立。このビル内に本社を置いています。
ビル内には複数のテナントも入れた商業ビルの役割も果たしていますが、1階の路面店を占めていたのはGUCCI。しかし仮囲いが設置されて何らかの工事が開始されました。店舗を誘致している大丸神戸店によると、改装による工事で、GUCCIについて当面は同店本館1階で仮設営業を行うと発表されています。また改装工事の施工者はJ.フロント建装。大丸主導のリニューアル工事のようです。
このビルのテナントはニッケの関連会社のオフィスの他、フィットネスジム、ダンススタジオ、サロン等、ユニークな業種・業態が揃っています。
ニッケ神戸ビルの敷地で更に気になる出来事は建物東側で進行を開始しています。本体ビルの東側は反対側の播磨町筋にまでの一帯がニッケの保有地です。
敷地中央にある立体駐車場のニッケ播磨町モータープール。時間貸しパーキングとして94台の収容台数を誇っていました。
しかしこのパーキングはシャッターが下ろされ、パーキングを示していた看板や表示類は全てシート等で隠されて、営業を中止した模様です。
敷地の東側は平屋建ての店舗棟のニッケ播磨町ビルがあります。現在、JIMMY CHUやカミネがテナントとして入っています。
もしこれらてテナントの閉店が今後、確認される場合、少なくとも敷地の中央から東側について、何らかの開発計画が始動する準備が水面下で進行している可能性が高いでしょう。
パーキングとニッケ播磨町ビルを合わせた敷地面積は1,000平方メートル近くあると思われます。また万一、ニッケ神戸ビルの敷地も合わせると、2,000平方メートルに及ぶ事になります。新たなビル開発が行われる事が期待されます。
ただ懸念としては、南に隣接する商業ビルThe 45thは、ユニクロ、無印良品が抜けた後に中核となったBANANA REPUBLICが入りましたが、これも退店した後は長らくテナントが入らない状態が続きました。ようやくMONCLAIRが1-2階に入りましたが、未だ中層階の3-6階は空きテナントのままです。新たなビルへの需要がどこまで見込まれるのか。
ただ商業テナントとオフィステナントの需要は異なり、1階は物販店を入れて、残りのフロアはオフィスであれば、テナントが入る可能性は高まります。旧居留地の三宮寄りでは新たなオフィスビル建設が進んでいます。GUCCIの店舗リニューアル工事が行われている事を考慮すると、近代建築の1棟として認識されるニッケ神戸ビルを含めた開発にはならないものと思われますが、少なくとも立体駐車場とニッケ播磨町ビルの敷地をまとめて新たなビル建設が開始される可能性が高いのではないでしょうか。今後の動きに注視したいと思います。
旧居留地・ニッケ神戸ビル敷地内での動き 建て替えや再開発に向けた準備が進む?今後の展開に注視
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