市庁舎建て替え計画

新中央区総合庁舎が完成・オープン 市役所本庁舎エリアの再編が開始される 旧庁舎解体で雲井通5丁目再開発本格始動

7月19日に旧居留地・東町筋にあった神戸市役所本庁舎3号館跡地に中央区総合庁舎・文化センターがオープンしました。地上13階 地下1階 延床面積19,341.98㎡の新庁舎は、閉館した雲井通5丁目の旧中央区総合庁舎と神戸市勤労会館の機能を集約した次世代の中央区の司令塔となる建物です。

街に開かれた次世代型 新庁舎



低層部は歩道と一体となった歩廊状のオープンスペースや1階ロビーの様子が見渡せるガラス張りの大開口、石貼り風の外壁仕上げなどにより、旧居留地の街並みに調和する開放的で上質なデザインが採用されました。



新庁舎の建設に伴い、庁舎の面する東町筋も道路改良工事が行われ、西側の歩道幅員が大幅に拡大され、ピロティ下から一体化された巨大な歩廊空間が出現し、まるでシティホールスクエアのようになりました。



自然の暖かみを感じられるよう建物の軒下や天井には木材のルーバーが数多く採用され、まさに今が「旬」の新庁舎といった斬新感があり、まるでホテルのようなファサードは道行く人を惹きつけます。



建物内の構成は、地下階が駐車場、1階はエントランスホールと多目的室、2-7階が中央区役所の行政機能、8-11階が中央文化センターです。

洗練された最新庁舎の高質インテリア空間



新庁舎内に一歩足を踏み入れると、最新庁舎の洗練性をすぐに肌で感じられる空間が広がっています。



まず総合案内の受付。黒を基調とした壁や天井にコントラストの高い白のテキストで視認性とデザイン性を高めて、木材の多用でインテリアがお洒落度を増しています。



フロアレイアウトと館内フロアガイドです。



通りに面して広がるエントランスホール。天井には外部軒下と同様に木製ルーバーが並びます。

コンクリート、ガラス、そして自然素材の組み合わせはまさに今、全国の行政庁舎や商業、業務施設でもトレンドになっています。



奥のホールと多目的室を隔てる壁には、筆でダイナミックに書かれた「Beyond KOBE」の作品が掲示されています。



フローリングにも木材を採用。開口部から自然光を取り込んで明るいエントランスホールを演出しています。



デザイン性の高さが際立つ空間ですが、多目的ルームが大きく床面積を占有している為、ホールの大きさは期待していた程ではありませんでした。



建物奥南側にはトイレが整備されています。南側にもエントランスが設置されており、北側のメインエントランスと合わせて2箇所体制となっています。



北側のレセプション横にエレベーターホールが配置されています。備えられたエレベーターは3基です。



週末は2-8階の区役所フロアは殆ど閉鎖されており、立ち入る事は出来ませんでした。スカイデッキの様子を拝めると思っていたので、残念でした。



3階の「おやこふらっとひろば」も平日は開所していません。



こちらも木材を多用した暖かみのある場所です。おやこふらっとひろばは、新築されている各区の区役所内に整備されている乳幼児の遊びや学びの場です。

しかしこの施設も平日のみの開所というのはどうなのでしょう。共働きファミリーは使用する事は出来ないというのは、時代錯誤ではないでしょうか。



基本的に東面の窓からは眼前に2号館跡での建設工事が広がります。



建設中の連絡ロビー・エネルギー施設を見下ろします。杭工事が終わって、掘削が開始されています。



8階の会議室フロアの様子です。



9~11階の3フロアは中央区文化センターです。料理教室用のキッチン、レッスン用の音楽スタジオ、工芸室等、文化センターの機能を網羅した様々な特殊用途の部屋が集積しています。

Before/After



市役所本庁舎3号館は築50年を越える古参の建物でした。この建物の上部にあった冷却塔機能をまず花時計のあった2号館北側に移設した上で、3号館の解体を進めました。



歩道が拡大して、建物も大型した新庁舎。



2号館とは渡り廊下で連結されていました。



中央区総合庁舎にも連絡ロビー・エネルギー施設と接続する為の開口部が用意されています。



東町筋の南側にはバイク専用の駐輪場が設けられました。道路の東側にも同様の設備がありますが、近い将来に閉鎖される為の代替施設でしょうか。



東町筋の改良工事もようやく井門ビル前までに達しました。交差点に到達して工事が完了する予定です。



雲井通5丁目の再開発を推進する為、中央区役所と勤労会館の機能の移転先として、開発が進められた新中央区総合庁舎。市庁舎4号館・危機管理センター、兵庫区、西区総合庁舎の場合もそうでしたが、あくまでも区役所は区役所なのか、平日、週末を問わずの賑わい創出という観点ついては、館内の開放スペースが限定されてしまっており、中央区文化センターは別としても、街の活性化には期待していた程、寄与しないような気もします。もう少し活用方法に工夫が必要ではないでしょうか。
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POSTED COMMENT

  1. sirokuma より:

    綺麗な建物が出来ましたね。新築ですが街並みに溶け込んでいます。
    区役所は、休日祝祭日に賑わいを欠きますね。いつも思うのですが区役所にこんなにも広い面積が必要でしょうか?
    区役所の延床面積の選定基準は他区と同等として整備しているようです。同じく勤労会館の構成も部屋数や規模は前建物と同数、体育館は新体育館も併せての評価のようですが、これも使用履歴等のデータを分析し必要数を割り振るなど行うべき時代でしょう。
    中央区には各種団体等の同様の会館・施設等が数多く存在しておりそれらも含めて必要な床面積を算出し、抵抗は大きいでしょうが、不要な分は解体し会館等を所管する外郭団体の統廃合することでタネ地を生み出し、次の再開発に備えるべきでしょう。
    また中央区では、民間開発者に低層階に賑わい施設誘致を指導しているのだから、率先して区役所も市役所もレストランや物販に賃貸すべきじゃないでしょうか?

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