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先週末の奈良遠征の際に宿泊先として選んだのが、奈良県生駒郡三郷町の信貴山にある柿本屋です。創業110年の老舗旅館で、「和のオーベルジュ」を名乗っています。
奈良市内から車で約1時間走りましたが、生駒連山の中に立つ建物外観は歴史を感じさせますが、内部はリノベーションされています。
エントランスからコリドーを抜けると広々としたラウンジ空間があります。
信貴山を望む明るい開口窓。新緑が眩しく開放感に溢れています。大阪府内からも近距離にありながら自然を満喫できる立地です。
風景を楽しみながらチェックインとウェルカムドリンクを頂きました。梅のスパークリングワインが美味でした。
このラウンジでは朝食の後にコーヒーのサービスが準備されており、ネスプレッソを自由に飲む事ができます。
チェックアウト前に朝の優雅なひとときを過ごす事が出来ました。
館内には虎の置物が飾られていたり、虎グッズや茶菓子がお土産として販売されています。信貴山では虎が名物になっています。あの聖徳太子にまつわる逸話から虎の信仰が始まったとの事です。
ウェルカムドリンクの後にエレベーターで宿泊階へ。全10室の小規模な旅館の為、殆ど他の宿泊客と会う事はありませんでした。
今回、宿泊したのはコーナー和洋室。1室限定のお部屋です。7.5畳の和室とツインベッドのある洋室で構成。
ハリウッドツインベッドが備わります。テレビも和室と洋室の双方に1台ずつありました。
寝具は少し硬めのマットレスが畳ベッドの上に置かれています。
暖簾の先には洗面シンクと脱衣所。
そしてウッドデッキテラスには浅めの寝湯が楽しめる露天風呂が備わります。
火照った体を涼む為の大きなベンチも置かれています。
テラスから望む景色です。高台にあってとても開放感に溢れています。新緑が眩しく新鮮な空気に癒されました。
その大自然の中での入浴は最高です。昼間はウグイスの鳴き声に耳を傾けながら。夜はこの季節は虫の音も聞こえず、静寂に包まれながら。唯一、湯が温泉ではない事が残念ですが、柔らかいお湯です。また部屋の露天風呂には洗い場が無いので、一旦、大浴場で体を洗い流す必要がありました。
入室すると茶葉の香が立てられていました。さりげない演出が嬉しいです。
部屋にもネスプレッソを完備。室内の電話がクラシックです。
そしてお待ちかねの夕食です。コーナー和洋室では部屋食となります。食事処に移動しなくても良いので、個人的にも部屋食は旅館を決める際の大きなポイントになっています。
食前酒はじゃばらジュースの梅酒割。じゃばらは和歌山県北山村にしか生えていない柑橘類で独特の酸味が美味しい果物です。朱の盆に料理が映えます。
続いて前菜のホタルイカの白ワインビネガーマリネ。控え目の酸味がさっぱりとホタルイカによく合います。
椀物は海老たたき新薯の玉露清汁仕立て。海老のぷりぷり感と淡い出汁がハーモニーを奏でます。
お造りは勘八、平目、鰹、烏賊でした。
八寸は色とりどりの小さな玉手箱。食べるのが勿体ない気がしました。海外からの訪日客は日本食のこういった繊細でカラフルで手の込んだ料理に大感銘を受けるようです。
蒸物は桜鯛の蓮蒸し~桜花餡かけ~。上に鯛の白子やトリュフ等の珍味が乗っています。餡が絡んで絶妙です。
焼物にはなんと和牛ヒウチカツ。マスタードソースやアボカドのディップで味を変えながら堪能しました。
台物には油目(アイナメ)と地野菜の大和芋鍋。
このスープが煮え立つと前述の具を入れて頂きます。不覚にも食を急いで出来上がりを撮影するのを忘れました・・・。魚と野菜のうま味が出汁に染みわたって最高です。
油物は貝柱と生ウニとベーコンのパイ包み上げ。非常に手の込んだ料理です。貝柱にウニの甘味が加わって、あっさりと食べられました。
食事も凝っていて、桜海老と新生姜ご飯を桜の葉で巻いたおにぎりに吉野葛の入った小さなきつねうどん。非常に小粋です。
デザートは抹茶プリンとフルーツ桜餅。記事を書いていて思い出してよだれが出てきました。美食に舌鼓を打った後は、再び露天風呂につかって汗を流し、床に着きました。昼間の取材や観光での心地良い疲れですぐに眠りに入りました。
翌朝はまた露天風呂で朝風呂を堪能した後に食事処での朝食。これまた視覚にも味覚にも訴える美味しさのパレードが繰り広げられました。
お重の下の段は鯵の干物焼きでした。
朝食での一番のお気に入りはこの鳥鍋。うま味が凝縮されて最高でした。
本当に温泉でないことが惜しいですが、食事には大満足の美食の宿でした。今回は予約できませんでしたが、今春にリノベーションされたばかりのピカピカの部屋も複数あるようです。
近場へのお籠り小旅行にピッタリの老舗旅館でした。
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