9月より本格着工と発表されていたJR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業。その発表通り敷地の9割に仮囲いが設置され、建設工事が遂に開始されました!

設計管理は大建設計、施工は清水建設が受注。事業形態は「第二種市街地再開発事業」であり、施行者(芦屋市)のもとで東急不動産が「特定建築者」として参画しています。
一般的に多く見られる「第一種(権利変換方式)」とは異なり、第二種は公共性の高さから敷地を一度用地買収(管理処分方式)した上で整地する手法です。
この事業で特定建築者に選定された東急不動産は、保留床の取得および施設建築物の建築主として事業の採算性と品質を担保する役割を担っています。

東急不動産といえば、フラッグシップマンション「BRANZ」をはじめ、環境配慮型開発(GX/脱炭素)に強みを持つデベロッパーです。本プロジェクトでも、芦屋という全国有数の高級住宅街の景観・格式に調和させつつ、最先端の環境性能や防災機能を備えたランドマークを計画しています。
再開発ビルの4-11階を占める51戸の分譲マンションは「BRANZ」になる事は間違いないでしょう。JR西ノ宮駅前の再開発や三宮・加納町4丁目にも東急不動産が絡んでおり、ここ最近、兵庫県内における同社の攻勢が強まっています。

建設が開始された建物の概要です。
| 事業名称 | 阪神間都市計画事業 JR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業 |
|---|---|
| 項目名 | 兵庫県芦屋市業平町、上宮川町、船戸町、大原町の各一部 |
| 施工者 | 芦屋市 |
| 特定建築者 | 東急不動産株式会社 |
| 設計 | 大建設計株式会社 |
| 施工 | 清水建設株式会社 |
| 項目名 | 鉄筋コンクリート造(一部S造)、地下2階・地上11階 |
| 最高高さ | 46.78m |
| 敷地面積 | 2,747.50㎡ |
| 建築面積 | 2,155.10㎡(建蔽率:約78.4%) |
| 延床面積 | 16,363.60 ㎡ (容積対象 10,979.98 ㎡ 容積率:約399.6%) |
| 主要用途 | 共同住宅(約51戸)、商業・業務施設、公益施設、駐車場 |
芦屋の景観条例や高さ制限(高さ約46.78mに設定)を遵守しつつ、2,700㎡強という限られた敷地ポテンシャルの中で建蔽率約78.4%、容積率約400%を限界まで活用した高度利用計画です。

現場には三点式パイルドライバとクローラークレーンが登場。最高高さ約46.78m・延床面積16,000㎡オーバーの重量級RC造建築物を支えるための場所打ちコンクリート杭のの造成工事が進められています。

芦屋エリアの地盤特性に応じ、アースドリル工法を採用。安定液で孔壁を保護しながら強固な支持層まで掘進し、高精度の鉄筋カゴを挿入後、コンクリートを打設して軸組杭を構築していきます。

しかしながら再開発事業エリアのほぼ中央にはまだ解体の進んでいない建物が2棟存在します。これが再開発の難しいところですね。事業の遅れをカバーする為、まずは周辺工事を先行して進めています。立地的にも新たな駅前広場に位置するので、建物の建築工事に支障はありません。

再開発対象エリアにはぐるりと外周に仮囲が設置されましたが、南側には道路を挟んで更に新たな仮囲いが設置されています。

再開発エリアに隣接してロングライフ芦屋という高齢者住宅が解体されています。

(仮称)芦屋市業平町PJに伴う解体工事が進行しています。

敷地面積としても1,000平方メートル近くありそうな開発用地です。駅前再開発に呼応して進む波及効果による建て替えでしょうか。芦屋駅前立地ですので、非常に不動産価値は高く、再開発の始動を受けて路線価も急騰しています。マンション開発であれば、間違いなく高級物件でしょう。

そして同じく近隣地区でも仮囲いが設置されている土地があります。

鉄筋コンクリート造地上5階 地下2階建のテナントビルが計画されています。用途としては、医療モールを想定したメディカルビルで、開業時期は2027年夏~2027年秋の予定です。計画工期から着工タイミングは遅れているようです。

その他、芦屋駅の南側にはある程度のまとまった土地が存在し、今回の駅前再開発と共に民間主導の開発プロジェクトが複数動き出す可能性を秘めています。

国道2号線と駅前を結ぶ兵庫県道45号芦屋停車場線については駅前広場の再整備と共に拡幅と整備が行われる予定です。幅員は約8.5m→15mと大きく拡大し、無電柱化・歩道整備が進むほか、周辺の駐輪場が地下へ集約・立体化されるため、駅周辺の通行が円滑になります。駅前通りとしてシンボリックなメイン通りに生まれ変わるでしょう。

JR芦屋駅南地区の再開発事業は、長年「北口に比べて安全性や利便性の課題が目立っていた駅南側」を抜本的に再編し、街全体の価値と暮らしやすさを高める大きなポテンシャルを秘めています。

再開発でデッキと駅舎を介して南北が2階レベルでシームレスに繋がる為、北口との往来も頻繁となり、街全体の融合感が高められるでしょう。また駅南側の整備が進むことで、国道2号沿いを含めた周辺エリアへの回遊性も高まり、沿道商業の活性化や地価・街のブランド価値の底上げにつながります。

