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「県庁舎等再整備基本構想」の具体化に向けて、「県庁舎等再整備基本計画』の検討を行うための県庁舎等再整備基本計画検討委員会の第3回会合が11月5日に行われました。本来であれば、前回の3月に行われた第2回以来、約7ヶ月を空けての開催となりました。コロナによる大幅な遅延によって基本計画の策定スケジュールにも遅れが生じています。
議事次第は新庁舎の行政棟と議会棟における建築施設性能の整備方針が話し合われた模様です。庁舎の災害時の業務継続性、感染症対策、環境性能、セキュリティ計画、ユニバーサルデザインの設計等が確認されました。
加えて周辺地域整備の基本方向として、「山手グリーンフロント」の創出をコンセプトに、現2号館や議会棟、県民会館跡地に建設する賑わい交流施設について、付与する機能を具体的に選定。2号館跡地には商業、業務、長期滞在型も含めたホテル、芸術文化の複合機能を配し、ホテルについては15,000-25,000平方メートル(200室)の規模を想定。県民会館跡地については商業、サテライトキャンパスや専門学校等の研究教育、オフィス機能を盛り込む事に言及。
また周辺地域の整備については道路配置の再編も含めた3案を検討。現状維持案の他、人工地盤による施設の融合や廃道によって区画の一体化案が挙げられています。
更に山手グリーンフロントに接続する鯉川筋や生田北136号線や鯉川筋等のシンボル軸となる各主要道路の空間整備も検討されています。
特筆すべきは最寄駅となるJR元町駅の改修案です。同駅西口から山手グリーンフロントへのアクセスをバリアフリー動線化する為、3つの案を提示しつつ、元町駅高架下2階に商業施設を新設し、ここを経由する事で高低差によって生じている段差を最小化し、エレベーターとエスカレーターを駆使して、バリアフリー化を実現。駅前の歩道橋や階段も更新し、これにより市道生田北136号線の斜面の歩行は緩和されるようです。
これらの計画には前置いて、県庁舎の建設が先行する事になり、その後、段階的に周辺整備へと拡大・波及していく事になります。山手グリーンフロントによって元町駅北側は飛躍的に発展を遂げ、元町駅周辺の賑わいも大きく向上する可能性も秘めています。
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県庁前から元町への回遊性を向上させなければならない最大の理由は、地下鉄沿線の人口ボリュームゾーンを元町ーウォーターフロントに誘導することにあります。
地下鉄は神戸市内で人口が最も多い西区を沿線人口として擁していますが、先の北神急行の市営地下鉄化に伴い、人口第2位の北区からの動線も谷上を介して地下鉄に集約されつつあります。
しかしながら、ウォーターフロントへのアクセスに最も近い元町駅と県庁前駅が分断されており、神戸市内で人口が多い西区と北区からの元町へのアクセスが不良です(皮肉なことに元町の場合、むしろ市外からの方がアクセスが良好かもしれません。以前、京都に住んでいた時、京都から新快速で三ノ宮で降りると、ちょうど向かいのプラットホームに普通電車が待機していて元町にアクセスしやすかった例があります)。
県庁前駅から兵庫県公館と神戸生田中学の西を通り、JR元町駅西口に至る回遊性を改善することは、上記西区、北区からウォーターフロントへのアクセス向上に大きく寄与するでしょう。
なんなら県庁前駅の駅名を「元町山手」などに改名してもいいんじゃないでしょうか。
県庁の最寄り駅であることをどうしても示したいなら「新長田 鉄人28号前」みたいに「元町山手 県庁前」とすればいいでしょう。
かつて県庁前駅が山手駅として開業した歴史もありますから、地下鉄沿線で元町への最寄り駅であることを広く示す手段として駅の改名も有効と考えた次第です。
兵庫県公館は近代建築でこの辺りを歩くだけでも楽しいので、動線の整備に加え、オープンカフェなどがあるとさらにオシャレな感じになるでしょうね。
加えて、現行で若菜神戸駅線を跨いでJR元町駅西口に至る際、元町駅への入り口が暗く、「心理的に行きたくなくなる構造」をしているので、今回の再整備でこの点が改善されるのは評価に値すると考えています。
今後は、元町駅の北側南側の再開発を希望します。
特に南側は古い小さな雑居ビルが群立しており、居留地のオシャレさを見るまでに、「神戸は小汚い街」との印象を与えてしまうことを危惧しています。
難を挙げるとすれば、この整備が遅れていることで、とにかく急いで欲しいです。
ご承知の通り、JR三ノ宮駅ビル、三宮バスターミナルビルを含め三宮の再開発が遅れています。
このまま元町の再開発まで遅れてしまうと、市外からは「神戸はもう詰んだ」と判断されてしまう可能性があります(既に詰んだかもしれませんが)。
そう思われてしまうと民間の投資も滞るので、本当に詰みます。
ここでなんらかのアクションを急いで起こして「神戸はまだまだやる気ですよ」と内外に示しておく必要があります。
戦力の逐次投入はあまりしたくないのですが、いままさに「轍鮒の急」にあることを県知事から県民まで意識してほしいと願っています。
兵庫県はこのコロナ禍の中、ぜひ県庁再開発で旧態依然の元町駅周辺を含め、行き詰まりつつある三宮再整備の代わりに、神戸市の代わりに神戸再生のイニシアチブを取って欲しいですね。
それなりにパースや図面を提示することは分かりやすく県民に安心感を与え事業の説得力を与えます。
さて、こべるんさん、ブログ読者のみなさんがご存知かどうかは分からないのですが、神戸では三宮再整備、この元町山手再整備のほかにJR神戸駅前再整備という都心再開発の話が最近あるんです。
これは現久元市長がブログで言い出したことが発端なんですが、もし神戸都心のJR沿線三駅がリニューアルされれば大変結構なことですよね。
ですが、市長はネットモニターなので意見を募ったりしていますが、どうもその未来予想図が想像できない。なんとなくやりたいのが、駅北バスターミナルの面的整備と駅前の照明ライトアップの強化みたいな感じなんです…。
このあいだ雲井通の事業者決定が報じられましたが、再開発ビルの完成予想パースや、いまだ神戸市役所新庁舎の完成パースさえキチンと提示されていません。
結局この市長は絵図を描くことができない。きちんと目に見える絵図が市民に提示できないことがどれだけ市民の心に響かないことなのか分からないのでしょうね…。
久元市長は理想主義というか、本人の中に理想とする絵図自体はあるけど他人に見える形の絵図やその道筋を描けない人なのでしょう。
問題を先読みする能力だけはあるようですから、安倍元総理における菅官房長官のような代弁しつつ外部の意見を取捨選択して、なおかつ迅速に行動に移してくれる女房役の人が居れば化けたのかもしれません。