各工区で基礎工事が進む三宮新港町計画。工事の進捗に伴って一時、減少していた杭打機の三点式パイルドライバの稼働数ですが、ここに来て再び数が増えてきました。
杭工事が本格化した文化施設棟の工区では2機の三点式パイルドライバが投入されています。
この施設の基礎は場所打コンクリート杭でしょうか。超高層住宅棟を除き、他施設は基本的に鉄骨造に対して、この施設は鉄筋コンクリート造の構造です。
文化施設棟の東側立面のパースです。水族館という施設の性質上、壁面が多くなる事は避けられないようです。魚類の生態を鑑みると、計画のイメージパースで描かれていた全面ガラス張りで外からも水槽が見えるような構造は現実的ではなかったようです。
住友不動産によるベイシティタワーズ神戸ウェストの工区にも三点式パイルドライバが2機稼動しています。1機は山留工事、1機は杭工事の為に投入されているようです。写真には見えていませんが、クローラークレーン1機も現場内にあります。
もう1機の三点式パイルドライバは駐車場棟の工区です。こちらもそろそろ基礎の構築を始める頃かと思います。
駐車場棟工区の背後にはGLION本社の工区がありますが、こちらには殆ど重機の存在を認めません。少なくとも油圧ショベルやラフテレーンクレーンはあるでしょう。工区内全体に鉄筋コンクリートの基礎が構築されている真っ最中です。
そして同じく鉄筋コンクリートの基礎を構築しているフェリシモ本社ビルの工区です。簡易的な乗入構台が完成しています。
掘削された内部から鉄骨のフレームのようなものが出来ています。
鉄骨部分の工事も始まったのかと思いましたが、建物の1階床面よりも高い位置に梁のような部分があるので、建物の躯体ではないようです。
本設置する乗入構台の一部でしょうか。
新港町の開発が進む中、今年はいよいよ第2突堤周辺でも計画の具体化が進行しそうです。こうなってくると、都心からエリアへのアクセスや既存のウォーターフロント地区との回遊性の改善が必須になってきます。
横浜では全国の大都市に先駆けて、みなとみらいエリアに都市型ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」が民間事業社によって整備されます。運行区間はJR桜木町駅前から運河パークまでの約630m。乗車時間は2分半から3分の空の旅になります。開業事業は21年春を予定しており、既に着工しています。
以前にも生田川を使って三宮-ウォーターフロント間のロープウェイ構想を当ブログで提唱した事がありますが、神戸のウォーターフロントにもロープウェイの導入を検討するには起点駅の設定を熟慮しなければなりません。横浜のロープウェイは桜木町駅前が起点ですし、臨港ロードと呼ばれる貨物線跡地を利用した観光客に人気の歩行者道路と同じルートを辿る為、元々、人の往来は多く需要が見込めます。
ルートの長さやウォーターフロントとの距離を考慮すると三ノ宮駅よりも神戸駅の方が起点駅を設置しやすいかもしれません。メリケンパーク、新港町に中間駅を設け、終着駅をみなとの森公園に置きます。
もう一つの案はポートライナーをみなとの森公園から分岐して、臨港道路を西伸し、新港町に駅を設け、更にメリケンパークの北側を通ってかもめりあ北側に終着駅を整備します。この案であれば三宮とウォーターフロントが公共交通で連絡します。課題はポートアイランド・神戸空港線の運行本数を減らさずにこの支線へどう車両を回す事が出来るか。三宮駅の改造も必要になります。
徒歩での動線確保には第1突堤とメリケンパーク間の連絡橋の整備も必須でしょう。
三宮新港町計画 再び三点式パイルドライバ祭が始まる ウォーターフロントエリアの回遊性をどう高める?
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ロープウェイは遅いのと、三宮への接続が難しいのに加えて、仮に実現した場合でも「横浜の二番煎じ」との誹りは免れないと思います。
ただでさえ関東の方からは「神戸?ああ、小さい横浜みたな街だよね」と言われているので、個人的には「横浜の二番煎じ」は避けたいです(笑)
それと、新港町の住民が通勤・通学などの日常交通にロープウェイを使うのかが疑問で、実現してもただの観光専用路線になってしまうでしょう。
横浜の場合、汽車道の東側の新港(何の因果か同じ「新港」なんですね)にはあまり居住者もいないはずなので観光用のロープウェイで十分という状況の違いもあると思います。
上述の文章では「ロープウェイ全否定」のように受け取る方もいらっしゃるかもしれませんが、私にそんなつもりはなく、費用的に地下鉄の1/10~1/8で済むのは魅力的です。
予算の事情もあるかもしれませんので、その場合はロープウェイという選択肢もあり得るかもしれません(横浜の場合、施設費用は事業者の泉陽興行が全学負担するようです。泉陽興行は新港の遊園地のよこはまコスモワールドの運営会社でもあるので、やはり「観光専用路線」なのでしょうね)。
ポートライナーは空港への交通機関としては遅すぎるのですが、ポートピア’81の交通機関であったという出自ゆえか、駅の多い短距離の交通には適度な速度を有しているように感じます。
過去のことですが世界初の自動無人運転方式の新交通という神戸のオリジナリティも活かせる上に、観光路線としてだけでなく新港町のマンションに居住する住民の通勤・通学など日常的な交通にも使えます。
最初にしん@こべるんさまのポートライナーのご提案を拝見したときは目から鱗が落ちるように感じたものです。
課題の本数ですが、実は私はポートライナーの本数が減っても問題ないと考えています。
ポートアイランドの1期工事部分循環は良しにしても、2期工事部分と神戸空港へのアクセスを想定して作られたものではありません。
2期工事部分と神戸空港へは最初からバスを大量に出すという対応をすべきで、ポートライナー延伸でその場しのぎの姑息な戦法を取ってしまったことにそもそもの問題があります。
そしてバスのキャパシティが足りないのであれば、それこそ神戸空港への鉄道を建設すべき時期なのではないでしょうか。
> 徒歩での動線確保には第1突堤とメリケンパーク間の連絡橋の整備も必須でしょう。
まさしくおっしゃる通りです。
神戸は新港町の以前にもポートアイランドや六甲アイランドを建設してきましたが、いずれも南北の交通は重要視されたのに対し、東西の交通は阪神高速5号湾岸線を除き検討されていません(新港町に至っては北の三宮との接続も不十分かと思います)。
このため、2号線以南のウォーターフロントの東西南3方向はほぼ閉ざされており、「袋小路のどん詰まり」になっています。
せっかくWalkable Cityを目指すのであれば回遊性は都市の命であり、回遊性を改善することなしにウォーターフロントの発展はあり得ないと考えます。
それと、そろそろ水族館の入場料を含めた詳細も知りたいですね。