一部施設が既に稼働を始めている神戸市立湊山小学校跡の複合商業文化施設「NATURE STUDIO」。兵庫区に本社を置く村上工務店が、公募プロポーザルで選定された廃校活用プロジェクトです。
既存の校舎の建物の一部を活用して、大規模なリノベーションを実施。校舎の形を保ちながらも、現代風にアレンジされた施設は、建築としても見応え充分な出来栄えです。
建物内には、クラフトビールの醸造所やハーブショップ、フードホール、そして水族館等の集客施設や保育所や学童保育等の子育て支援施設が入るコミュニティ型の複合機能を有します。
校舎を解体して生まれた広々とした空間は開放的で、都会の中で自然を満喫できる仕掛けが盛り込まれています。
リノベーションされているとは言え、校舎の建物がそのまま活用されているので、どこか懐かしい雰囲気を保ちながらも、お洒落な空間が演出されています。
案内表示もコントラストが高くビビットな色使いでワクワク感があります。
校舎の建物を2階レベルで接続する空中回廊もカーブを描いてデザイン性を高めています。
北棟の1階西側のフレームグリッドに覆われている部分は階段の吹き抜け空間です。
開放感のある吹き抜けが特徴ですが、バリアフリー設計ですので、エレベーターも完備しています。
2階のエレベーターと渡り廊下の結節点です。
2階から眺めた西側の広場です。
無骨な校舎も手を加えると、全く雰囲気が変わります。校舎をそのまま活用するという点では、トアロードの「北野工房のまち」が先駆者ですが、大きく手の入ったこちらの施設がより上手に活用されているという印象を受けます。
かつて校庭だった場所は緑の溢れる力広場に変貌を遂げました。今後更に緑が増えていくと共にせせらぎやビオトープによる都市の中の自然が生まれます。
この曲線を描く空中回廊も眺めが楽しめる気持ちの良い歩行者空間です。
この空中回廊がデザイン上におけるアクセントにもなって、単なる校舎活用施設とは一線を画す景観を生み出しています。
マーケットヤード、ピクニックガーデン、フードホール、フィッシュポンド、ハーブショップ、そしてみなとやま水族館と誰もが楽しめる施設が勢揃いしています。
校舎内体育館を活用したフードホールの入口です。
体育館の屋根をそのまま活かしつつ、開放的な無柱空間をフードホールとして活用。クラフトビール醸造所で造られた地ビールを提供するスタンド「open air」や「あら、りんご」の神戸ファクトリーショップ、クラフトカレーの「マンドリル」等が集います。
夕方にフードホールで購入したドリンクやフードを持ち寄って夕涼みと食事を楽しむオープンエアーガーデンとしても楽しめそうな広場です。ビアガーデンも開催されるかもしれません。
近所の人も遠方の人も気軽に楽しめる、立ち寄れる地域のにぎわい拠点として、エリアの活性化の起爆剤になる事が期待されています。
インスタ映えもする施設ですので、若者にもアピールできるのではないかと思います。
ピクニックガーデンは芝を植えて文字通りピクニックができる空間になりそうです。
夏休み期間にはテントを張ってキャンプもできるようなイベントも開催されるかもしれませんね。
そして東棟の1階にいよいよ明日、グランドオープンするのが中核施設の「みなとやま水族館」です。神戸にはアトアが昨秋に開業。須磨水族園も須磨シーワールドへのリニューアルを遂げる大工事が進められており、垂水にはさかなの学校もあります。
市内4つ目の水族館となりますが、他施設との差別化をどのように図っているのか。間もなくその内容が明らかになります。規模としてはそこまで大きな施設ではありません。入館料は大人1200円、子供600円という設定ですが、その金額に納得できる内容か、リピーターを集める事ができるか等、気になる点は多くありますが、まずは訪れてみての評価かと思います。
門構えは非常に立派です。数々の水族館が存在する中、更に新たな水族館を作ろうという意気込みと気概を感じます。
いよいよ本格的に稼働を迎えるNATURE STUDIO。運営を手掛ける村上工務店は、再整備中の東遊園地内にオープンするにぎわい拠点「URBAN PICNIC」の建設と運営を担う予定です。単なる地場建設企業の域に留まらず、デベロッパー・オペレーターとしての歩みを進み始めた同社。地元を盛り上げようとする姿勢と行動は称賛に値します。今後も様々なプロジェクトに参画して欲しいと思います。
「みなとやま水族館」が明日オープンするNATURE STUDIO 兵庫区北部の活性化起爆剤となるか
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村上工務店は地域再生プロジェクトなど手作り感のある開発事業をよく研究していますね。「URBAN PICNIC」も構想が面白く注目していましたが、限られている予算では中々難しいのか通りすがりに眺めていた感じでは身内の集まりの域から抜けていないように感じていました。しかし、ここには予算があり、核となる店舗や施設が入居しており建物にも工夫が随所に見受けられ期待大です。継続した活動がしっかりノウハウとなって活かされているようで好感が持てます。
この再生プロジェクトを成功させることで、もっと大きな仕事と予算が付けばもっと面白いことをやってくれるそんな期待を持たせてくれます。
頑張って欲しいですね。
暇を見つけて是非遊びにいきたいと思います。
こうした地域貢献型の地元デベロッパーが多数出てくると面白いと思います。またそうした会社が企業規模が拡大して福岡地所のようになって欲しいですね。
福岡地所はグループのエフ・ジェイホテルズが近畿では大阪と京都で展開しています。
最近OPENした『ハイアット プレイス 京都』は、ハイアットとの共同事業です。
九州以外では、ホテルフォルツァを道頓堀・北浜・四条河原町・名古屋栄・金沢・札幌駅前でも展開中です。
しかし、どのデベも何故神戸は通り過ぎちゃうんでしょうねぇ?新港町にハイアットを連れてきてくれませんかねぇ。
以前、ハイアットセントリックが日本進出を旺盛に進めるとした際には、神戸も出店候補地でした。横浜にも外気系ホテルは出ているので、神戸にも来て欲しいですね。今月の発表を待つ2号館跡に期待です。