特集・シリーズ

神戸市が令和5年度の予算案を発表 Part6 その他気になる項目特集



令和5年度の神戸市予算案特集 Part6はこれまで取り上げてきた主要項目以外で特筆すべき事項をまとめてみました。

ポートアイランド・六甲アイランドの活性化

ポートアイランド・リボーンプロジェクトの推進 18.62億円


  • 地域との連携による将来ビジョン検討の深度化
  • 青少年科学館のリニューアル(R5年度:第1・6展示室の展示更新等)
  • ポートアイランドスポーツセンターの再整備(R5年度PFI事業者選定)
  • ポートアイランド(第2期)の西緑地の活用に向けた整備未供用区間の整備・親水エリアの導入検討等)
  • 中公園の改修
  • 主要街路における街路樹の再整備
  • ポートピア大通りのライトアップ
都心エリアと神戸空港の中間に位置するポートアイランドは訪神客を迎え入れる際の玄関口にもあたる場所ですが、ポーアイI期地区は街開きから40年近くが経過し、全ての施設の老化化が進行しています。ポートアイランドスポーツセンターや青少年科学館等、島外から集客している主要施設の建て替えやリニューアルを図る他、主要道路の景観向上を進めます。

medical25.jpg

しかし神戸空港国際化の延長線には神戸国際展示場の建て替えも必然として生じてくるでしょう。国際空港とMICEはセットになって考えられるべきです。より規模の大きなイベントが行われるようになると、尚更今の公共交通機関では対応が難しくなります。国際展示場の建て替えはPIFを導入して民間資金の活用を進め、早期の実現に向けた取り組みが必要かと思います。



六甲アイランドの活性化 5.03億円
  • マリンパークの再整備(海釣り広場・親水空間等)
  • 日展・神戸展の開催
  • リバーモール周辺公共施設のライトアップ
六甲アイランドの活性化については今年度までにファッションプラザのアトリウムのリニューアルと足湯施設の整備を第一弾として進めましたが、次に照準を当てたのはマリンパーク。親水空間や海釣り公園の整備を行います。グランピング施設の開業も予定されており、島外からの集客を促す為の施策に注力する計画です。



大阪湾岸道路西伸部の事業促進 31.88億円
  • 大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北~駒栄)の事業促進
進行中のプロジェクトとして、阪神高速5号湾岸線を六甲アイランドから長田区駒栄まで延伸する工事を継続します。



生田川右岸線の機能強化
  • 新神戸トンネル南伸部の事業化に向けた検討
  • 車線数の増加(片側直進2車線→3車線化工事)
こちらも進行中の生田川右岸線の車線拡大によって都心〜ポーアイ〜神戸空港のアクセス強化を促進します。また新神戸トンネル南伸による



神戸未来医療構想の推進《1,067,400千円》
  • 神戸大学と連携した次世代医療機器の研究開発や専門人材の育成の推進
  • 医療機器開発プラットフォーム拠点の整備(R5年度末竣工予定)

観光客誘致関連のプロジェクト

観光誘客の推進15.66億円


  • 神戸登山プロジェクト
  • 登山道の整備推進(六甲山系、帝釈・丹生山)
  • 案内板の整備・老朽看板の撤去・デザインコードの作成
  • 登山道における老朽危険等家屋の調査・撤去等
  • 登山客向け施設の設置(JR新神戸駅舎内、登山道の休憩キャビン、登山サポート店
  • 新たなアウトドアスポーツの導入(つくはら湖の湖面利用の検討)
  • 自然歩道「太陽と緑の道」の安全対策総点検及び魅力発信
登山ブームが進む昨今、神戸の天然観光資源である山をもっと活用する動きは歓迎出来ます。街から至近距離で本格的な登山が楽しめる神戸のアドバンテージを活かす他、玄関口となる新神戸の活性化も図りたいところです欧米を中心にゴールデンルートに飽きた訪日客へのアピールも必須でしょう。



六甲山・摩耶山の賑わい創出 6.03億円
  • グリーンスローモビリティ運行等の交通社会実験
  • 掬星台駐車場の拡張及び山上全体の駐車場の満空情報等の提供に向けた検討
  • 摩耶ロッジの解体工事(R5~6年度)
六甲山と摩耶山間の連携を強化し、施設の充実化と訪日客へのアピール、シティリゾート地として魅力的な宿泊施設の誘致等も積極的に進めていくべきです。近年、メキメキと実力を付けている淡路島を手本とし、パソナのようにリゾート開発とオフィス開発を進めるような企業誘致も必要でしょう。



神戸の観光を支える公共交通の強化 0.92億円
  • 新神戸駅~布引ロープウェイ導線強化(布引ロープウェイ山麓駅の視認性向上、案内強化)
  • ポートループの利用環境整備
  • BRT・LRTの導入検討
ウォーターフロントを中心とした新ロープウェイ構想は立ち消えになってしまったのでしょうか。検討の文字すら見当たりません。



企業誘致の促進 1.65億円
  • BPO・コールセンター業務を行う企業の誘致促進(オフィス賃料等補助金の要件緩和)
  • 企業立地等の促進のため、固定資産税軽減等の支援措置を延長(R5~7年度)
再開発によって大型のオフィスビルが建設されますので、都心エリアへの企業誘致は今後、ますます重要になります。空港の国際化に伴い、外資系企業の誘致も強化されなければなりません。欧州に企業誘致拠点を新設するようですが、神戸空港に就航する海外都市との連携も模索されるべきでしょう。

これまで6回に渡って特集してきた来年度予算案ですが、2023年度も引き続き重要な変化の年が継続します。
関連記事
特集・シリーズ

2023年の神戸を振り返る 都心・ウォーターフロント再整備とリノベーション神戸の本格的なスタートイヤーだった年

2023年12月31日
こべるん ~変化していく神戸~
今年も残すところあと僅かになりました。2023年はコロナが終息し、訪日客受け入れの本格再開や行動制限やマスクの制約がなくなった街には活気 …

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です