JR三ノ宮駅改修構想

概要が全て明らかになったJR西日本中期経営計画・3大プロジェクトを比較検証

JR西日本が2018年4月に発表した5ヵ年中期経営計画には、3大プロジェクトとして「大阪西」、「広島」、「三ノ宮」の各ターミナル駅における新たな駅ビル開発が盛り込まれました。その後、いち早く三ノ宮は既存駅ビルの閉館とその解体に着手しましたが、その後、大阪西と広島については計画概要の発表を行い、既存施設の解体を開始。三ノ宮は解体が終わっても計画概要の発表には至らず、コロナの煽りを受けて21年には見直しまでに及んだものの、22年3月にようやくプランの発表に漕ぎ着けました。3大プロジェクトの位置付け公表から4年を経て、各プロジェクトの骨子が出揃った形です。

大阪駅西高架エリア開発



最も早く計画が明らかになったのが大阪西。「大阪西高架エリア開発」と命名され、2019年11月にその計画概要とパースイメージが示されました。そして翌年20年より準備工事に着手し、21年春からは新駅ビル本体工事が開始されました。現在は既にビル本体の地上躯体が姿を現し始めています。

25年の大阪万博の開催を見据え、計画地の北側一帯に広がるウメキタ2期計画の進捗に合わせて同時期の完成を目指す必要があった為、優先的に計画に着手したものと思われます。

 

JR広島駅ビル開発



広島の計画概要とイメージパースの発表は19年3月。14年には広島市とJR西日本、広島電鉄の3者がJR広島駅の駅ビルを建て替え及び路面電車の駅2階への乗り入れ等を盛り込んだ「広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針」の合意を発表し、検討を進めていました。よって広島も5年以上に渡って新駅ビルの概要が固まるのを待っていた事になります。既存駅ビルは20年3月に閉館、4月より解体工事に転じ、現在は本体工事が行われています。

 

JR三ノ宮新駅ビル開発



三ノ宮は既存駅ビルを閉館したのが、17年3月。その後、19年11月より解体準備に入り、20年5月から本格的な解体工事を開始。21年5月には撤去作業を完了しました。21年10月にJR西日本、UR都市機構、神戸市の3者が新駅ビルと周辺開発に関する合意を発表。そして22年3月に概要とイメージパースの公表に至りました。開発着手は23年6月以降を予定しています。

何れの開発も低層部に商業施設を入れ、中高層部にホテルやオフィスを配置する複合高層ビルになります。また低層部は駅ビルとして、交通公共動線・コンコース機能を有しています。

 
大阪西 広島 三ノ宮
地上23階 地下1階 地上20階 地下1階 地上32階 地下2階
高さ120m 高さ100m 高さ160m
延床面積5.9万㎡ 延床面積11.1万㎡ 延床面積10万㎡
商業施設 オフィス 商業施設 ホテル 商業施設 オフィス ホテル
事業費1,000億円(周辺開発を含む) 事業費600億円 事業費500億円
2024年開業 2025年開業 2029年開業
大阪西はうめきた2期や同エリアに開業する新駅へのゲートウェイと大阪駅西側に開設される新改札・コンコースの中央に位置する新しいゲートタワーの役割を果たします。

広島はビル中央部内に巨大なアトリウム空間を設け、JR駅と広島電鉄駅の乗り換えコンコースを構築し、広島の玄関口に相応しく、利便性を追求したゲートウェイシティを誕生させます。

三ノ宮は「えき=まち」空間コンセプトの実現の為に6駅を結ぶ動線をビル内に構築し、駅前広場にも人工地盤を設けて待合空間を創出します。また高層部はJR西日本の駅ビルで最高層の建物になります。

今年になってJR西日本は中期経営計画の見直しを発表しました。ダイヤ改正による減便や運賃値上げも実施される予定で、経営状況の厳しさを物語っていますが、三ノ宮の計画が固まった事により、3大プロジェクトは同社にとって欠かす事の出来ない重要事項である事が明確となりました。コロナによって鉄道事業依存からの脱却の必要性が加速度的に高まった事で、数少ないターミナル拠点駅の再開発は以前よりも重要性を増したと言えます。どのプロジェクトも完成が楽しみな計画ばかりです。

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POSTED COMMENT

  1. sirmountbatten より:

    いつもというか毎日拝見しております。私もJR駅ビルの最初情報が気になっておりますが、毎日仕事帰りに通りすがりの神戸阪急の低層階の改装状況がどうなっているか大変気になります。こちらはJR三ノ宮駅ビルとは決して無縁であるとはないと、閲覧の皆様ご周知の通りと考えます。どなたか情報をお持ちの方がいらっしゃればお願いしたいところです。どうぞどうぞよろしくお願いいたします。

    • しん@こべるん より:

      いつもありがとうございます。また阪急については記事を書こうと思います。

  2. Credo より:

    10年程前から楽しみに拝読していますが、初めてコメントさせいただきます。連日の丁寧な取材と更新、ありがとうございます。

    JR三ノ宮駅は予想以上のすばらしい計画で、こべるんさんの誇らしい気分がオーラのように行間から立ち昇ってくるようです。私も、三ノ宮駅と市庁舎2号館、バスターミナルの再開発が終わらない限り、真の震災復興とは呼べないと思っていますので、あとはつつがなく、この計画通りに竣工してくれることを祈ります。

    もしよろしければ、王子公園再整備計画などについても、こべるんさんのご意見をお聴きできれば、と思います。

    • しん@こべるん より:

      いつもありがとうございます。王子動物園については一度記事を書いているので確認してみて下さい。

  3. 文京移民 より:

    主要都市のターミナルビルとしてはお世辞にも広いとは言えない敷地で、10万平米を確保する計画と、ゲートウェイ空間を演出することと、どのように両立させるのか気になりますね。具体的には2F、あるいはポートライナーと接続する3F部分。東京だと10F以上に商業床を作ることが一般的になりましたが、神戸ではそうとも言えないので、どうやって上の階に上がってみたいという気持ちにさせるか、一方で外にも開いて街の人流を呼び込まないといけない、色々と設計者の腕が問われそうに思います。
    今後もひきつづき記事を楽しみにしております。

    • しん@こべるん より:

      そうですね。商業床の最大減の活用は何よりも大きな課題です。売場面積が1.9万m2と期待値以上に小ぶりだったのもこの辺りのバランスを考慮した結果なのかもしれません。恐らく景観審議会の資料が公開されて、公共動線の詳細が明らかになるもの思われます。

  4. いかなごん より:

    JR側の協力もあるので高さ規制緩和のおまけがあってもよいのではと最先端のデザイン、機能性があるだけに惜しまれます。今後は阪急の切り札、神戸阪急の建て替えがいつどうなるか益々気になってきました。個人的に、政令市の玄関口にしては大型テナント、大きな商業床が足りないような気がするので期待したいです。

    • しん@こべるん より:

      JR駅ビルの概要が判明したので、神戸阪急は紛れもなく、エリア1番店となる事が決定しました。その上でどう新店舗を検討するかですね。

  5. kkbb より:

    久しぶりに東京に遊びに来ています。
    まあ、東京の変貌ぶりは凄まじいです。横浜も今日行きましたが、神戸どころか大阪までチャちく感じます。
    わたしが若い頃、働いていた東京、横浜とは段違いな大都会になっています。
    80年代は一部、新宿を除けばそんなに変わらなかった街並みだったのにな…。

    神戸市の若者獲得戦略で若者が東京から神戸にUターンはまったくの夢想としか思えません。比較するのがバカバカしいくらい。
    いくら国家戦略とはいえ、どうしてここまで差が着いたのか。
    東京はすべてが巨大で、すべてがハイセンスで、高機能で、魅力に溢れています。
    巨大であることは魅力の一つなんです。
    このJR三ノ宮タワーや阪急神戸ビルが、復活神戸の起爆剤になって欲しいです。

    • しん@こべるん より:

      東京の変貌ぶりは凄まじ過ぎてもう次元を超えています。何故そこまでよ床を支えられる需要があるのか不思議です。本当に大きな差が付いてしまいましたね。

  6. 神戸太郎 より:

    上の方も仰る通り、東京の巨大さと魅力はとてつもないものがあります。東京は、NYやパリ、ロンドンなどと並ぶ世界都市になりました。

    神戸のこれからを考えると、やはり国際貿易港を抱える国際都市を再興させるべきだと思います。神戸の姉妹都市は、全て国際的な港湾都市で、リオやバルセロナやマルセイユ、シアトルなど、首都ではないが、港湾都市として知名度の高い都市です。そこには、多種多様な人々や価値観が許容される今でいう「多様性」がずっと昔から普通に受け入れられた、文化的存在感のある都市だと思います。そこが、国内の他都市との違いで、優位なところだと思います。国内他都市との比較と同時に、評価尺度を国外にも求めて、国内他都市をリードしてほしい。

    その辺りの「ソフト」を都市開発やビルの「ハード」に組み込んで、規模以上の魅力を出してほしいなと思います。さらに言えば、神戸やユネスコのデザイン都市です。どんな建物も、「あの人が設計しているのか!」というような建築家やデザイナーが関わってほしいです。見た目も機能も優れたものがどんどんできてほしいです。

    (かつて、アパレル企業が元気だったときは、ファッション系だからでしょう、デザインの打ち出しが優れた建築や店舗が多かった印象があります。「デザイン」はやはり非常に大事だと思います。上の方の「ハイセンス」とおっしゃる部分に同感です)。

    • しん@こべるん より:

      やはりセンスの良い建物はお金の実る都市にのみ建てられます。優れた建築は投資効果が十分に見込めるからこそです。そういう選ばれる街にするにはどうしたら良いかを考えるには規制は悪です。

  7. めがねのおやじ より:

    神戸市の生き残りと、更なる都市機能を高める為の打つ手としては、港、空港、高速道路、新幹線、商業施設、高速バスターミナル、鉄道相互乗り入れ等の強化が必要と思います。東京は確かに抜群の集客とヒト、モノ、カネ、すべてが集まるようになってますし、それは政府の東京(首都圏)がアジアでの最大拠点となるよう、仕組んだ事であり、大阪、福岡、名古屋始め各地方都市圏があおりをくったのは致し方ないでしょう。しかし米国や英国、仏国、独国始めG7やG20とかでナンバー2以下が、これだけ充実した陣容は日本以外なかなか見られないと思います。
    さて、神戸市ですがJRの三ノ宮駅ビルは延べ面積10万平米で、なんとか合格点と思います。入居施設も商業施設とホテル、ビジネスゾーンと地域一番に相応しい陣容です。私的にはホテルはJR系でも良いが海外資本にせよ、最高級グレードを望みます。いずれ神戸空港は東南アジア、豪州、ハワイ等は発着権を取るでしょう。また国内線は札幌は丘珠、青森、秋田、庄内、山形、福島等、関西圏からは鉄道では「東京乗り換え」が必要な地域は、伊丹は本数少なく、関空は遠い為か搭乗率が悪い為か、敬遠されがちです。つまり便数少なく現状手薄で、狙い易いです。また西では宮崎、大分、松山も開設可能と思います。その時の為の受け皿として、大型宿泊特化ホテル2〜3棟、最高級グレードホテルも複数必要です。今はビジネスでリモート会議体が行われてますが、ウクライナを見ても直接会って会合をするのとではまったくインパクトが違います。コロナ禍が更に収まればまずは国内線から開拓出来ます。
    次にJR三ノ宮駅ビルを中心として阪急百貨店(旧そごう)の建て替え、老朽化して立ち入るのも気が引けるセンタープラザ本館、西館。最低限ココまで一新されれば、神戸らしい輝きは取り戻せ、更に現状以上の魅力が出来るでしょう。それには地権者が多過ぎ、地元というだけで居座る旧来のテナントは退出していただきたいですね。組合を一括解散して新たに応募、という形ぐらいにしないと、ショボイ店舗が入っては困ります。勝手に定期休業日を決められたり。私は目抜き通りの店舗は、基本365日営業にすべきと思います(時間帯にはいろいろ意見はあるでしょうし、もちろん正月1日とかは考慮すべきですが)。
    また私は阪急と市営地下鉄の相互乗り入れも諦めてません(笑)。阪急は王子公園辺りで北西に進み、新神戸駅経由で市営地下鉄との乗り入れが良いと思います。空くスペースとなる現阪急三宮駅は、JRが上り線で使用する。そうすればJR三ノ宮駅は緩急乗り換えが出来る余裕が出来、三ノ宮駅は、折り返し運転の短距離速達便も運用出来ます。上下8線程度の大ターミナル駅になります。また阪急の新駅は市交の三宮地下駅と共同運用する(現駅ではスペース的に狭く、阪急用のスペースが別途必要ですが)。各駅停車はここまで、優等列車のみ市営地下鉄線で名谷、西神に行く。また花隈駅は廃止にする。市長が何故乗り入れに反対されたのか、今でも理解に苦しみます。

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