三宮再整備

東遊園地再整備基本設計素案が公表される 市民からの意見を募集

東遊園地再整備を開始するにあたり、神戸市によって基本設計素案が公表されました。パブコメによるお墨付きを得て、整備へ弾みをつけて21年度から着手するという段取りのようです。



公表された素案はこれまで公開されてきた基本構想・計画にほぼ沿った形です。芝生広場を中央に据えた北エリアはフラワーロード側からの誘導を強く意識した導入部・配置となっており、南エリアは花時計とこどもの為の図書館を中心としています。従って公園内の形状は概ね現状から大きく変わる事はありません。



北エリアの鳥瞰図イメージです。



コンセプトとしては公園を4つのエリアに大分しています。



南エリアのこどもと花のひろばは安藤忠雄氏が寄贈するこどもの為の図書館と公式化される花時計を中心にしながら、税関方面に連絡する新歩道橋のアプローチもエリア内の主要部を担っています。



みちひろばは南北のパークロードとしての役割を果たす並木道。ベンチも据えて木陰の休憩スポットとしても機能します。



芝生ひろばは大小2つの芝生広場を整備し、その中央にアーバンピクニックと呼ばれる平屋建の集客施設が建設されます。イベント広場としての役割も担う場所となります。



見晴らしひろばは現在の高低差を活かし、デッキテラスや階段ベンチを整備。

夜間の照明には木々のライトアップ、光のベンチ等、園内全域に工夫が施され、上質な雰囲気を演出します。



聳える駅ビルや再開発ビルの合間に広がる三宮クロススクエア。そこから南下すると庁舎シティの高層ビルが連なり、そしてこの新しく美しい公園に誘われるようになります。そして更にブリッジを渡って新しいウォーターフロントエリアにまで足が運ばれるようになる。都心の新しい回遊動線が生まれる事が期待されます。
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POSTED COMMENT

  1. 摂津国人 より:

    この動線はいいですね。
    歩道橋に向かう南エリアのなだらかなスロープと自然なカーブがウォーターフロントへの回遊性の向上に寄与してくれそうです。
    以前の東遊園地の記事でもコメント差し上げましたが、さんちかから続く地下道を地下モール化したり、市庁舎2号館の1階東側にオープンカフェなどを入れると三宮駅周辺から東遊園地への回遊性も向上しますので、ぜひ検討してほしいです。

    ところで図書館が中央区に集中しているのが気になりました。
    今回のこどものための図書館に加え、三宮図書館と中央図書館の3つの図書館が中央区に所在することになります。
    神戸市で最も人口が大きいのは西区(24万人)ですが、西区には図書館が1つしかありませんし、西区に次ぐ垂水区(22万人)も同様に1つしかありません。
    北区(22万人)には2つ図書館がありますが、区域が広いための特別な措置です。
    人口20万人は中核市申請の要件でもありますので、西区、垂水区及び北区は独立して中核市申請できるレベルの人口を擁していることになります。
    人口が同じくらいの近隣の自体と比較してみると、大阪府の岸和田市は人口19万人で図書館が6館ありますし、同じく茨木市は人口28万人で5館8分室ありますので、西区、垂水区、北区の図書館がいかに少ないかが明白です。

    これは図書館だけの問題ではありません。
    地下鉄においても同様で、現在地下鉄海岸線の赤字を西神・山手線の黒字で補填している状態です。
    言い換えると、地下鉄海岸線がなければ西神・山手線の運賃を下げることも可能ですから、西区や須磨区居住で地下鉄通勤・通学の方は搾取されていると表現することもできます(あまりこういう表現はしたくないのですが)。
    これは神戸市による地下鉄海岸線計画時の利用者試算の杜撰さの補填をさせられていることになります。
    また、子育て世代が西区や北区に居住した場合、子供を私立の中高に通わせるのは通学時間と交通費の関係から選択肢が少なくなります。
    灘区や東灘区は私立中高校も公立高校のどちらも選択肢が豊富なのと対照的です。
    郊外居住者は構造的差別にさらされていると言っても過言ではないでしょう。

    神戸市は「郊外に住んで三宮に通勤して欲しい」と言いますが、神戸市の方針に沿って郊外に住居を構える居住者を大事にしてきたのでしょうか。
    今回は図書館を例に挙げましたが、郊外は民間投資による開発が入りにくいことがあるので、神戸市が「郊外に居住してほしい」と望むのであれば神戸市が率先して投資していく必要があります。
    「民間投資を基本とし、それが行き渡らない部分に自治体が投資する」のが地方自治の原則です。
    住民は「大事にされていない雰囲気」というのを敏感に感じ取ります。
    交通の利便性が高く子育て支援に積極的な明石市や西宮市に人口が流出するのは無理もありません(ちなみに明石市には兵庫県立図書館を含めて3館、西宮市には4館7分室の図書館があります)。
    不幸中の幸いは、須磨区は既存の図書館に加えて名谷駅にも新しい図書館ができることでしょうか(それでも須磨区の図書館が2つになるだけですが)。
    西区は西神中央駅の近くに既に図書館がありますので、今後新しくできる図書館が開館する際に既存のものは閉館するでしょう。

    最後に安藤忠雄さんの名誉のために言及しておきますが、彼は大阪でも中之島の大阪市役所の裏にあたる土地に図書館を寄贈しています。
    今回、神戸市役所の裏にあたる東遊園地に図書館を寄贈してくれるのでしょう、ありがたいことです。
    決して安藤忠雄さんが郊外を軽視しているわけではないと考えております。

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